四谷丸太とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 建設 > 建材 > 丸太 > 四谷丸太の意味・解説 

四谷丸太

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/07 05:45 UTC 版)

四谷丸太(よつやまるた)、または高井戸丸太(たかいどまるた)とは、江戸時代から大正まで、四谷大木戸以西の農地で生産していた丸太のブランド名。

概要

1657年(明暦3年)の明暦の大火以降、四谷のにある全勝寺の境内にあった杉林の若木の皮を剥ぎ、船用の四谷丸太として出し、これにちなみ当地は「舟町」と呼ばれた[1]。その後の需要を見越して四谷大木戸より西、朱引の外となる高井戸周辺の平坦地で杉の植林がはじまり、甲州みちを通って江戸・東京市中流通したとされる。

植林はここで産する杉丸太の特徴として、材は真っ直ぐ、円柱状で住宅の「化粧げた」として珍重された。弾力性があり、節がないため、河舟の舟竿にも重宝された。その間伐材は(あるいは主伐材も)足場丸太としても使われた。江戸後期の文政年間に描かれた『武蔵江戸図会』には「椙(すぎ)の丸太なり。細く長きこと竹の如し。上品にて吉野丸太と同じ」とあり、吉野杉に劣らないほどの品質を誇ったとされる。良材は四谷の銘木問屋が手を加え、床柱などで使う「磨(みがき)丸太」として高値で取引された。

明治の半ばから当地の杉が赤枯れ病に見舞われはじめて生産が衰え、青梅の杉が当地ブランドを名乗って出荷されていた時期があったが、震災や周辺地域の住宅化などのため完全に衰退した。

現在、杉並区立・高井戸丸太緑地(杉並区高井戸西2-17-2)に名を留めている[2]

脚注

  1. ^ 杉大門通りの歩み”. 杉大門通り商店街人気会. 2023年8月7日閲覧。
  2. ^ 高井戸丸太緑地”. 杉並区. 2023年8月7日閲覧。

外部リンク





四谷丸太と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「四谷丸太」の関連用語

四谷丸太のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



四谷丸太のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの四谷丸太 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS