呉江浩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/21 15:16 UTC 版)

呉 江浩(ご こうこう、簡体字中国語: 吴江浩、拼音: 、ウー ジャンハオ、1963年9月 - )は、中華人民共和国の外交官で、現駐日中国大使。湖南省桃源県出身。北京外交人員服務局出身で、元駐スリランカ大使。
経歴

上海外国語大学の日本語専業(日本語学科)を卒業[1]。既婚[2]。
2023年8月に岡野正敬外務次官は呉江浩を呼び、福島第一原発の処理水の海洋放出開始後、中国からとみられる嫌がらせ電話などの迷惑行為が日本国内で相次いでいることについて抗議した[3]。なお、中国の原発は、日本を含む周辺国への説明や事前承諾なしに福島第一原発の処理水の約6.5倍の放射性物質トリチウムを放出している[4]。
2024年1月にも駐日中華人民共和国大使館の報道官は日本外相の上川陽子が台湾の総統選で勝利した頼清徳候補に祝意を表したことに対し、「中国の内政を深刻に干渉した」と主張して反発し、中国として「強い不満と断固とした反対」を表明し、日本側に抗議をした[5]。
2024年9月の深圳日本人男児刺殺事件に際しては、深い哀悼の意を表明した[6]。
「火の中」発言
2024年5月20日、東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する「座談会」で、「日本という国が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆は火の中に連れ込まれることになる」と発言[7]し話題となった。外務事務次官の岡野正敬は呉本人に直接抗議し、外務大臣の上川陽子はこの発言に対し極めて不適切だと衆議院外務委員会で述べた。その一方で、同じ委員会で出た、呉をペルソナ・ノン・グラータに該当する者として国外追放すべきではないかという質問に対し、上川は回答を差し控えると述べた[8]。その後、官房長官の林芳正も同月22日の記者会見でこの発言に抗議した[9]。
脚注
出典
- ^ “中国大使就任へ、呉江浩氏が来日「共通利益大きく」”. www.asahi.com. 朝日新聞 (2023年3月22日). 2024年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月28日閲覧。
- ^ “呉江浩大使夫人の丁玥氏、アジア婦人友好会のチャリティーバザーに出席”. jp.china-embassy.gov.cn. 中華人民共和国駐日本国大使館 (2024年6月12日). 2024年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月28日閲覧。
- ^ 岡野外務次官、中国の呉駐日大使を呼び抗議 | ロイター
- ^ 中国の複数原発がトリチウム放出、福島「処理水」の最大6・5倍…周辺国に説明なしか : 読売新聞
- ^ 中国が日本に抗議 台湾への祝意表明に「深刻な内政干渉」と反発 - 産経ニュース
- ^ 北國新聞DIGITAL (2024年9月26日). “[https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1530163 中国駐日大使「深い哀悼」 深センの邦人男児刺殺]”. 北國新聞社. 2025年2月21日閲覧。
- ^ 岩田恵実 (2024年5月20日). “「中国の分裂企てれば、日本の民衆は火の中に」 駐日中国大使が発言”. 朝日新聞社. 2025年2月21日閲覧。
- ^ NHK. “中国駐日大使 “台湾独立加担 日本民衆火の中に” 外務省抗議”. www3.nhk.or.jp. 中華人民共和国駐日本国大使館. 2024年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月28日閲覧。
- ^ “駐日中国大使「火の中」発言、官房長官「極めて不適切」”. 日本経済新聞社 (2024年5月22日). 2025年2月21日閲覧。
外部リンク
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