吸引分娩との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/08 01:23 UTC 版)
鉗子分娩の利点 牽引を確実に行うことができる。 回旋異常に対応することができる。 頭血腫、帽状腱膜下出血の頻度が小さい。 肩甲難産の発生率が比較的小さい。 鉗子分娩の欠点 腟壁の損傷が大きくなる可能性。 3〜4度裂傷の頻度の増加。 児の頭蓋内出血の頻度がやや大きい。 児の一過性の顔面神経麻痺の可能性。 児の眼球損傷の可能性。 鉗子分娩は吸引分娩よりも牽引力が大きく回旋異常にも対応できるため、吸引分娩では不可能な経腟分娩を完遂することができる。逆にこのことが欠点と関連しているが、吸引分娩と鉗子分娩は適応範囲が相同ではなく、児頭下降が中位以上、回旋異常など、より困難な分娩に鉗子分娩が選択された結果とも考えられる。後向きに結果をみて鉗子分娩のほうが危険だと結論することはできない。危険な補助経腟分娩は、吸引分娩であれ鉗子分娩であれ同様に危険なのであり、そのような状況では帝王切開を考慮する。中位以上の鉗子分娩では母児の合併症頻度が上昇するため、中位鉗子は慎重に適応を考慮する。帝王切開が比較的安全に施行できるようになったため、高位鉗子は現在の医療状況下では原則として行われない。
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