反傾表現とは? わかりやすく解説

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反傾表現

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/17 09:46 UTC 版)

で、ベクトル空間 上の 線型表現であるとき、反傾表現(はんけいひょうげん、: contragredient representation)あるいは双対表現(そうついひょうげん、: dual representation は以下のようにして双対ベクトル空間 上定義される[1]

転置である、つまり、すべての に対して である。

リー環 がベクトル空間 上のその表現であれば、反傾表現 は以下のようにして双対ベクトル空間 上定義される[2]

すべての に対して である。

いずれの場合にも、反傾表現は通常の意味での表現である。

ユニタリ表現に対しては、反傾表現は共役表現フランス語版と等しい。

動機付け

表現論において、 のベクトルと の線型汎関数はいずれも列ベクトルと考え、したがって表現はから(行列の乗法によって)作用できる。線型汎関数 への作用 は行列の乗法

によって表現できる。ただし上付きの は行列の転置を表す。群の作用と整合的であるためには

が要求される[3]。反傾表現の定義から、

となり、整合性を持つことが確かめられる。

リー環の表現に対しては、対応するリー群の表現との整合性を課す。一般に、 がリー群の表現であれば、

によって与えられる はそのリー環の表現である。 に双対であれば、その対応するリー環の表現 は、

で与えられる[4]

一般化

  • の2つの表現 から、次のようにして 上の の表現 が定義される[5]
すべての とすべての に対して、
反傾表現は、 が自明表現の場合である。

関連項目

参考文献

  1. ^ Lecture 1 of Fulton, William; Harris, Joe (1991), Representation theory. A first course, Graduate Texts in Mathematics, Readings in Mathematics, 129, New York: Springer-Verlag, ISBN 978-0-387-97495-8, MR 1153249, ISBN 978-0-387-97527-6 , p. 4
  2. ^ Lecture 8 of Fulton, William; Harris, Joe (1991), Representation theory. A first course, Graduate Texts in Mathematics, Readings in Mathematics, 129, New York: Springer-Verlag, ISBN 978-0-387-97495-8, MR 1153249, ISBN 978-0-387-97527-6 , p. 111
  3. ^ Lecture 1, page 4 of Fulton, William; Harris, Joe (1991), Representation theory. A first course, Graduate Texts in Mathematics, Readings in Mathematics, 129, New York: Springer-Verlag, ISBN 978-0-387-97495-8, MR 1153249, ISBN 978-0-387-97527-6 
  4. ^ Lecture 8, page 111 of Fulton, William; Harris, Joe (1991), Representation theory. A first course, Graduate Texts in Mathematics, Readings in Mathematics, 129, New York: Springer-Verlag, ISBN 978-0-387-97495-8, MR 1153249, ISBN 978-0-387-97527-6 
  5. ^ A. Chambert-Loir, Introduction aux groupes et algèbres de Lie, cours de master 2 à l'université de Rennes 1 (2004-2005), p. 21



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