厚藤四郎とは? わかりやすく解説

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厚藤四郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/18 03:18 UTC 版)

厚藤四郎(あつしとうしろう)は、鎌倉時代に作られたとされる日本刀短刀[1]日本国宝に指定されており、東京都台東区にある東京国立博物館が所蔵する[1]


注釈

  1. ^ 黄金千枚は小判1000両であるとも言われており、小判一両を現代の金額で12万円程度であると考えると、約1億2000万円であるとされる[4]
  2. ^ 刀剣学者である福永酔剣によって記された著書『日本刀大百科事典』には、明治時代以降一橋徳川家に伝来していた旨が記されているが、当時の新聞記事から一橋徳川家伝来は誤りであると考えられる[3][7]。なお、当時の新聞記事では「徳川達孝伯から献納」と記されている[7]

用語解説

  1. ^ 「造込」は、刃の付け方や刀身の断面形状の違いなど形状の区分けのことを指す[9]
  2. ^ 「地鉄」は、別名で鍛えや地肌とも呼ばれており、刃の濃いグレーや薄いグレーが折り重なって見えてる文様のことである[10]。これらの文様は原料の鉄を折り返しては延ばすのを繰り返す鍛錬を経て、鍛着した面が線となって刀身表面に現れるものであり、1つの刀に様々な文様(肌)が現れる中で、最も強く出ている文様を指している[10]
  3. ^ 刃文を構成する鋼の粒子が肉眼で識別できる程度に荒いものを「沸」(にえ)、肉眼では識別できない程度に細かいものを「匂」という。
  4. ^ 「刃文」は、赤く焼けた刀身を水で焼き入れを行った際に、急冷することであられる刃部分の白い模様である[11]。焼き入れ時に焼付土を刀身につけるが、地鉄部分と刃部分の焼付土の厚みが異なるので急冷時に温度差が生じることで鉄の組織が変化して発生する[11]。この焼付土の付け方によって刃文が変化するため、流派や刀工の特徴がよく表れる[11]
  5. ^ 「匂口深い」とは、刃文を構成する線が太く、粒子がくっきりしている意。「足」「葉」は刃中に見える「働き」の一種で、地刃の境から刃先に向けて短い線状に入るものを「足」、刃中に孤立しているものを「葉」という。

出典

  1. ^ a b c d 東京国立博物館所蔵『短刀 銘吉光(名物厚藤四郎)』 - e国宝、2019年12月2日閲覧。
  2. ^ a b 小和田 2015, p. 92.
  3. ^ a b c d e f g h i j 福永 1993, p. 42.
  4. ^ a b c 小和田 2015, p. 93.
  5. ^ 渡邉 2011, pp. 13–14.
  6. ^ 刀剣春秋編集部(監修)『日本刀を嗜む』74頁、ナツメ社、2016年。ISBN 978-4816359934、NCID BB20942912
  7. ^ a b c 「上野博物館へ粟田口の短刀」『読売新聞』読売新聞社、1938年5月12日、夕刊、2面。
  8. ^ 「年表 東京国立博物館陳列品収集の歩み」『MUSEUM』262号、東京国立博物館、1973、p.31
  9. ^ 刀剣春秋編集部 2016, p. 165.
  10. ^ a b 刀剣春秋編集部 2016, p. 174.
  11. ^ a b c 刀剣春秋編集部 2016, p. 176.
  12. ^ 『週刊朝日百科 日本の国宝』45号、p.288


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