傍接四角形
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 16:25 UTC 版)

ユークリッド幾何学において、円に傍接する四角形(英: ex-tangential quadrilateral, exscriptible quadrilateral[1])あるいは、傍接四角形[2]は、すべての延長辺が、四角形の外部にある円に接するような凸四角形である[3]。この円をexcircle(傍接円)、その半径をexradius(傍半径)、中心をexcenter (傍心)という。傍心は、四辺形の6つの角の二等分線上に位置する。傍接四角形は、外接四角形に近い関係を持つ。
英語における傍接円のescribed circle[4]という名称は、傍接円の他に、凸四角形のある1辺と、隣接する2辺の延長辺に接する円を指すこともある。 escribed circleは任意の凸四角形に4つずつ存在するが、excircleは高々1つしか存在しない[5]。
特別の場合
凧形は傍接四角形である。平行四辺形は、次項に挙げる特徴づけを満たすため半径無限大の傍接円を持つ傍接四角形とみなせるが、その傍接円は平行な2辺に接することができない[5]。辺長が等差数列を成す凸四角形は、下記の隣接辺に関する特徴づけを満たし、傍接四角形となる。
特徴づけ
凸四角形が円に傍接することと、6つの角の二等分線が共点であることは同値である。 この角の二等分線は、2つは対頂点の内角、2つは対頂点の外角、残りの2つは延長辺の交点の外角の二等分線となる[5]。
長さがa, b, c, dの順で隣接する辺を持つ凸四角形が円に傍接することと、隣接する2辺と他の2辺のそれぞれの和が等しいことは同値である。式で書くと次のようになる。
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この表で使用された表記は以下の通り。
- Pは、対角線の交点。
- R1, R2, R3, R4は、△ABP, △BCP, △CDP, △DAPの外半径。
- h1, h2, h3, h4は、a = |AB|, b = |BC|, c = |CD|, d = |DA|に対するPの高さ。
- e, f, g, hは、A, B, C, DとPの距離。
- x, y, z, wは、それぞれ∠ABD, ∠ADB, ∠BDC, ∠DBC。
- Ra, Rb, Rc, Rdは、それぞれ辺a, b, c, dと隣接する2辺の延長辺の成す三角形の内接円の半径。
面積
辺長がa, b, c, dである傍接四角形ABCDの面積は次の式で表される。
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