八円定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 16:08 UTC 版)

幾何学において、八円定理(はちえんていり、 英語: Eight circles theorem,Dao's eight circles theorem )またはダオの八円定理は、8つの円に関する定理である[1]。ある円上の6つの点A1,A2,...,A6と他の円上の6点B1,B2,...,B6について、i=1,2,3,4,5で、Ai,Ai+1,Bi,Bi+1が共円ならば、A6,A1,B6,B1も共円である。さらに、円Ai,Ai+1,Bi,Bi+1の中心をCiとして、直線C1C4,C2,C5,C3C6は共点である。
証明
証明の序盤は、ダオによりCanadian Mathematical SocietyのCrux Mathematicorumの3845番に掲載されている[2]。
まず、ミケルの六円定理により、i=1,2,3で成り立つとき、4つの連鎖ならばA1,A4,B1,B4は共円でなければならない。そして円A1,A4,B1,B4とA4,A5,B4,B5とA5,A6,B5,B6に同様にミケルの六円定理を使うことで、A6,A1,B6,B1の共円が示される。同様の議論は偶数個の円においても示せる。
C1C4,C2,C5,C3C6が共点であることは、これら円の中心が成す六角形が、Ai,Biの2円の中心を焦点とする円錐曲線に接することを示すことにより、ブリアンションの定理で示される。この証明はCrux Mathematicorumの問題3945でクリス・フィッシャーによって大まかに証明され、ミシェル・バタイユによって補完された[3]。以下の補題のl,l' にAiBi,Ai+1Bi+1を当てはめる事により示される。
またこのほかにもGábor Gévay と Ákos G. Horváthによる高度な知識を使った証明や、Nguyen Chuong Chiによる初等的な解法もある[4][5][6]。
補題
3つの円A,B,C(中心も同名)があり、A,CはそれぞれA1,A2で、B,CはそれぞれB1,B2で交わっている。A,Bを焦点とするある円錐曲線が線分A1B2,A2B1の垂直二等分線l,l' に接することを示す。CA,CBはA1A2,B1B2の垂直二等分線であることから、∠(l ,r)で直線l ,rの成す有向角を表すとして、
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