偶然の旅人とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > 短編小説作品名 > 偶然の旅人の意味・解説 

偶然の旅人

作者村上春樹

収載図書東京奇譚集
出版社新潮社
刊行年月2005.9

収載図書東京奇譚集
出版社新潮社
刊行年月2007.12
シリーズ名新潮文庫


偶然の旅人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 10:03 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
偶然の旅人
作者 村上春樹
日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
シリーズ 東京奇譚集
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出 新潮』2005年3月号
刊本情報
収録 東京奇譚集
出版元 新潮社
出版年月日 2005年9月16日[1]
シリーズ情報
次作 ハナレイ・ベイ
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示

偶然の旅人』(ぐうぜんのたびびと)は、村上春樹短編小説

概要

村上は『新潮』2005年3月号から6月号まで、「東京奇譚集」と題する連作の短編小説を続けて掲載した。本作品は3月号に発表されたその1作目である。

本作の冒頭で村上は「この場所を借りて、いわば物語の前置きとして、これまでに体験した不思議な出来事について手短に語ってみたい」と記し、ケンブリッジで聴いたトミー・フラナガンの演奏と、ペパー・アダムズのレコード『10 to 4 at the 5 Spot』にまつわるあるエピソードを紹介している。この二つのエピソードは、1994年に刊行されたエッセイ集『やがて哀しき外国語』でも読むことができる[2]

英訳

タイトル Chance Traveler
翻訳 フィリップ・ガブリエル
初出 Harper's』2005年7月号
収録書籍 Blind Willow, Sleeping Woman』(クノップフ社、2006年7月)

各国語の翻訳の詳細は「めくらやなぎと眠る女 (短編小説集)#翻訳」および「東京奇譚集#翻訳」を参照のこと。

あらすじ

彼はピアノの調律師をしている。41歳でゲイである。三歳下のボーイフレンドがいるが、別々に暮らしている。彼がいちばん愛好しているのはフランシス・プーランクの曲だった[3]

「プーランクはゲイでした。そして自分がゲイであることを、世間に隠そうとはしませんでした」と彼はあるとき言った。「僕」もプーランクの音楽は昔から好きだ。だから彼が仕事でピアノの調律に来たときは、『フランス組曲』とか『パストラル』とかを演奏してもらうことがある。

彼は火曜日になると車で多摩川を越え、神奈川県にあるアウトレット・ショッピング・モールに行った。モールの中にある書店に入って、本を買い求め、書店の一角に設けられたカフェでコーヒーを飲みながら本を読むのがいつもの過ごし方だった。

その火曜日の朝、彼はチャールズ・ディッケンズの『荒涼館』を読んでいた。洗面所から席に戻ると、隣のテーブルで同じように本を読んでいた女性が彼に声をかけてきた。「今お読みになっておられるご本なんですが、それはひょっとしてディッケンズじゃありませんか?」

偶然にも二人がそのとき読んでいたものは同じ著者の同じ本だった。翌週の火曜日、彼がカフェで本を読んでいると彼女がやってきた。そしてそれぞれに黙々と『荒涼館』を読んだ。

脚注

  1. ^ 村上春樹 『東京奇譚集』 | 新潮社
  2. ^ 村上春樹『やがて哀しき外国語講談社文庫、117頁。
  3. ^ 村上は「日曜日の朝のフランシス・プーランク」という長い評論を季刊誌『Stereo Sound』2005年春号に寄稿している。同評論は『意味がなければスイングはない』(文藝春秋、2005年11月)で読むことができる。

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「偶然の旅人」の関連用語

偶然の旅人のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



偶然の旅人のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの偶然の旅人 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS