フランス組曲 (プーランク)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 08:57 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動フランス組曲(Suite française d'après Claude Gervaise)FP.80は、フランシス・プーランクが1935年に作曲した管弦楽曲もしくは室内楽曲。全部で7曲からなる。
楽器編成
オーボエ2、ファゴット2、トランペット2、トロンボーン3、小太鼓、クラヴサン、ハープまたはピアノ
作品について
16世紀フランスの作曲家でヴァイオリンの名手でもあったクロード・ジェルヴェーズの舞曲を基に、1935年に書かれた。原曲は作家ブルデの劇『マルゴ王妃』の付随音楽である(劇音楽はオーリックとの合作)。
旋律はジェルヴェーズの原曲のままであるが、和声などは全くプーランクのオリジナルで、古い雰囲気を残しながら近代的なハーモニーに色付けされた魅力的な組曲に仕上がっている。
楽曲の構成
- 第1曲 ブルゴーニュのブランル
明るいトランペットの旋律で始まり、様々な楽器に渡されて行く。
- 第2曲 パヴァーヌ
トランペットとトロンボーンによる荘重なコラール。
- 第3曲 小さな軍隊行進曲
一転して明るいリズミックな曲想で、金管の合奏による。
- 第4曲 コンプラント(嘆き)
オーボエによる田園風なカンティレーナ。
- 第5曲 シャンパーニュのブランル
中庸な速さで、素朴な旋律が管楽器のアンサンブルで淡々と演奏される。
- 第6曲 シシリエンヌ
古風で優雅な舞曲で、金管が中心で、クラヴサン、オーボエ、低音のトロンボーンの応答が入る。
- 第7曲 カリヨン(鐘)
「カリヨン」は鐘のことで、いかにもそれに相応しい単純で楽しい旋律が華麗に展開される。
なお、全体の演奏時間は約11分ほどである。
備考
プーランクと同じく「6人組」の一人であるダリユス・ミヨーにも、同じく「フランス組曲」と題する作品がある。これは1944年に書かれた吹奏楽のための組曲である。
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