側板中胚葉とは? わかりやすく解説

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側板中胚葉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/08 05:13 UTC 版)

側板中胚葉 (: Lateral plate mesoderm)は中胚葉の一種であり、の周縁部に見られる。

2層への分離

側板中胚葉は壁側中胚葉 (somatic mesoderm) と臓側中胚葉 (splanchnic mesoderm) の2層に分かれる。

  • 壁側中胚葉は外胚葉とともに体壁葉 (somatopleure) となり、体壁を形成する。
  • 臓側中胚葉は内胚葉とともに内臓葉 (splanchnopleure) となり、循環器を形成する。

これら2層の間の空間は体腔 (coelom) となる。

外胚葉からのBMP-4刺激により形成される[1]

体腔

発生4週目に体腔は囲心腔、胸腔、および腹腔に分かれる[1]

  • まず横中隔が形成される。
  • これは後に横隔膜、および腹側腸間膜となる。
  • 体腔を原始囲心腔と腹腔に隔てる。
  • 原始囲心腔の側壁に胸心膜ひだが生じ、最終的に囲心腔と胸腔を隔てる。
  • これらの区画の間は当初、心腹膜管で繋がっているが、胸腹隔膜が成長して横中隔と融合することにより遮断される。

肢の発生

側板中胚葉、および筋節由来の細胞が予定肢領域 (limb field) に移動、増殖することにより肢芽 (limb bud) を形成する。側板中胚葉由来細胞が軟骨、ないし骨領域を形成するのに対し、筋節由来細胞は筋肉領域を形成する。側板中胚葉由来細胞は線維芽細胞増殖因子(FGF7、およびFGF10) を分泌し、外胚葉における外胚葉性頂堤 (Apical Ectodermal Ridge: AER) の形成を促す。AERは逆にFGF8およびFGF4を分泌し、中胚葉の増殖とFGF10の分泌を促す[2]。 FGF10が発現する場所は後肢ではWnt8c、前肢ではWnt2bにより制御されている。前後肢の位置は頭尾軸において、各々Tbx5およびTbx4という2つのTボックス転写因子により制御されている。

関連項目

参考文献

  1. ^ a b Tonegawa A, Funayama N, Ueno N, Takahashi Y (1997). “Mesodermal subdivision along the mediolateral axis in chicken controlled by different concentrations of BMP-4”. Development 124 (10): 1975–84. PMID 9169844. 
  2. ^ Scott F. Gilbert『ギルバート発生生物学』阿形清和、高橋淑子、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2015年。 ISBN 978-4-89592-805-2 

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