下山明彦
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下山 明彦(しもやま あきひこ、1996年4月8日 - )は、日本の起業家、実業家、アーティスト。株式会社Senjin Holdings代表取締役を務める。アーティストグループALT主宰。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科博士課程に在籍し、研究者としてアートを用いたパーパス経営支援に関する研究を行うほか、情報経営イノベーション専門職大学の客員教員・客員准教授を務める。
しもやま あきひこ
下山 明彦
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生誕 | 1996年4月8日[1] 日本 |
出身校 | 東京大学、東京藝術大学大学院 |
職業 | 株式会社Senjin Holdings代表取締役 アーティストグループALT主宰 |
来歴
1996年、広島県広島市に生まれる。広島学院中学校・高等学校卒業後、東京大学文科一類に入学[2]。
2017年10月17日、東京大学在学中に仮想通貨取引を専門的に分析する会社株式会社CoinOtakuを設立し[3][4]、2020年に6億円で上場企業に売却[5]。同年株式会社Senjin Holdingsを創業、代表取締役に就任する。デジタルマーケティング事業などをメインに展開。 同社は2022年12月に岩国市と進出協定を結び、2023年には天草市と立地協定を結んでふるさと納税支援事業を行うなど、地方創生事業にも進出している[6][7]。
企業経営と並行して、2021年、東京大学卒業後に東京藝術大学修士課程に進学。ビジネス・金融・学問に通底する自身の根本的な人間観を表現する結節点として作品を制作するようになる。東京藝術大学と東京大学の有志で結成したアーティスト集団ALTを主宰[8]。
2021年11月には第1回目の展覧会「いまここでよく生きる展」を開催[9]。上場企業や経済産業省と共同で作品制作を行い、芸術と経営を結びつけるワークショップを実施。下山の大学院の修了作品展として2023年1月28日から2月2日まで「ALT +>> 」が開催された[10]。
2023年3月、経済産業省からの委託を受けて「アート作品の展示による働き方推進に関する調査研究報告書」を作成[11]。同事業の中で
2023年4月、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科博士課程に進学[12]。
人物・エピソード
大学2年生の時には学費と家賃を稼ぐために様々なコンペに応募。その結果、Bloomberg主催の投資コンテスト「Bloomberg Global Investment Contests(2017)」最高収益、マイナビ主催のビジネスコンテスト「キャリアインカレ2016」優勝を果たす。
大学時代、フィリピンとインドに計8ヶ月間滞在。インドでは瞑想修行を行った [1][11][13]。
休学中、生活費を稼ぐために各種コンペに参加し、投資コンテストで日本一になるなどの成果を上げる。その経験から仮想通貨の将来性に惚れ込み、東京大学復学後に仮想通貨メディアを運営する株式会社CoinOtakuを設立。東大の各クラスのLINEグループに募集の連絡を行い、東大生30人を集め、半年で200万PVを達成するなど急成長を遂げる[14]。
2018年のコインチェックのハッキング事件による仮想通貨市場の低迷を受け、事業の多角化を図るため、マーケティング企業「Senjinホールディングス」を設立。コインオタクは新代表のもとでバリューアップし、最終的に6億円で上場企業へ売却される[14]。
コインオタクの売却後、無人島でのサバイバル経験を通じてアートへの情熱を再認識し、東京藝術大学大学院への進学を決意。仮想通貨や広告をテーマにした作品を提出し、合格を果たす[14]。
Senjinホールディングスの事業の一環としてアート部門「ALT.」を設立。上場企業や省庁と共同で作品制作を行い、芸術と経営を結びつけるワークショップを実施。経済産業省大臣室への作品献呈やASEANサミットでのアートプログラム提供など、多岐にわたる活動を展開[14]。
CoinOtaku売却の際の評価額は約6億円であったが、「カネを使うことにはまったく関心が」なく、会社オフィスの地下に寝泊まりする生活を送っている[15]。
自身の誕生日に合わせて毎年何らかの儀式的なプロジェクトを実施している。2023年4月には下山の実家の山に約1メートル四方の穴を手掘りし、自作の箱に入って埋められる生前葬を行った。2024年には民家の一部屋を暗幕で暗闇に作り変え、100名以上の来客と暗闇でコミュニケーションを取るイベントを実施した[16]。
アーティストとして
作品制作にあたって、経営とアートを結びつけるようになったのは、数千年間にわたって追い求められている芸術や美への欲望への理解が、普遍的な組織作りに寄与するのではないかという想いから。活動においてはヨーゼフ・ボイスが提唱した「全ての人は社会を彫刻する芸術家である」という思想に影響を受けている[10]。
東京藝術大学大学院での学びを経て、アートコレクティブ「ALT.」を設立し、アーティストとしての活動を本格化させた。「ALT.」は、自治体や企業、省庁、国際機関など多様な文化共同体のビジョンやミッションを素材にシンボルとなるアートを制作し、組織や事業の未来を具象化する活動を展開している[17]。
具体的なプロジェクトとして、マインドフルネスをテーマとした企業との展示会や、完全栄養食を提供する企業との対話を基にした作品制作を行うなど、幅広い分野でのコラボレーションを実施している。東京藝術大学の卒業制作展では、自ら設計・制作した200平方メートルの2階建て展示空間に多様な作品を展示した。また、経済産業省との連携においては、アート研修の提供、研究報告書への掲載、会議室や大臣室への作品の献呈を行った[18]。
国際的な活動としては、ASEAN諸国との関係強化を目的に、日ASEAN若手サミットに日本代表として参加し、アートワークショップや作品提供を実施[19]。さらに、世界経済フォーラムが運営する若手リーダーの国際コミュニティ「Global Shapers Community」東京支部の代表を務め、グローバルな視点での活動を展開している。
2024年には、山形県西川町のシンボルアート「響環プロジェクト」を完成させ、町の玄関口に設置される巨大なオブジェを制作した。この作品は、地域の豊かさを象徴するシンボルとして、観光資源としての役割も期待されている[20]。同年12月には、日ASEAN Future Gen Business Leaders Summitにて、日本とASEANの信頼を象徴する作品「one.」を展示[21]。液晶ディスプレイとアクリル球を組み合わせたこの作品は、2025年の大阪万博ASEANパビリオンでの展示も予定されている[22]。
下山の作品は、共同体の象徴としてのアートの意義を追求し、社会や組織との対話を通じて新たな価値を創出することを目指している[22]。
著書
共著
- 『若者のための死への教科書』青文舎、2022年11月30日
出演
- NewsPicks
- TEDxUTokyo
- 「人の力を借りるということ」2023年4月30日[27]
- YouTube
関連項目
出典
- ^ a b 下山明彦 note「6億円で会社売却した東大生起業家マン、東京藝大に進学して不老不死を目指す」https://note.com/korokke0508/n/nf30c8be5b297 2023年10月16日閲覧
- ^ “ハーバード生が感動した!東大生流「おもてなし」とは?”. 雑誌『プレジデントファミリー』の公式サイト(プレジデント社). 2025年4月18日閲覧。
- ^ “CoinOtakuがサービス名変更。新生CoinPartnerが目指す日本一の仮想通貨メディアとは?”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2020年6月1日). 2025年4月18日閲覧。
- ^ “【投資日本一の東大生が語る】まだ間に合う?今更聞けない仮想通貨”. UmeeT - 東大発オンラインメディア (2017年10月12日). 2025年4月18日閲覧。
- ^ “Beat Holdingsが仮想通貨メディア「CoinPartner」運営のCoinOtakuを買収”. Media Innovation / デジタルメディアのイノベーションを加速させる (2020年7月9日). 2025年4月18日閲覧。
- ^ “株式会社SenjinHoldingsが山口県岩国市と「知られてないだけ」な地方の良品のスポットライトになるべく進出協定を締結しました”. 株式会社Senjin Holdings|マーケティングの最前線で事業を創造する. 2025年4月18日閲覧。
- ^ “天草市と立地協定を調印いたしました”. 株式会社Senjin Holdings|マーケティングの最前線で事業を創造する. 2025年4月18日閲覧。
- ^ “Art Collective ALT”. Art Collective ALT. 2025年4月18日閲覧。
- ^ “起業家×芸術家によるアート展『いまここで、よく生きる』2021年11月14日、15日 at 南青山 MORIO gallery”. A-FILES オルタナティヴ・ストリートカルチャー・ウェブマガジン (2021年11月5日). 2025年4月18日閲覧。
- ^ a b “アートはビジネス界の救世主となり得るか? 藝大x東大の前衛集団が表現する答え”. Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン) (2023年2月14日). 2025年4月18日閲覧。
- ^ a b 経済産業省webサイト「アート作品の展示による働き方推進に関する調査研究報告書」
- ^ “下山 明彦のプロフィール - Wantedly”. www.wantedly.com (2019年6月). 2025年4月18日閲覧。
- ^ トビタテ!留学JAPAN【公式note】「フィリピン留学→WEBマーケティング会社「Senjin Holdings」を設立 下山明彦さんの就活とキャリア」2020年11月18日 https://tobitate-gov.note.jp/n/n6c5b3661732e 2023年10月16日閲覧
- ^ a b c d 日刊SPA! 「東大文一から東京藝大へ。2つの頂点を極めた男の「壮絶半生」」2024年08月10日 https://nikkan-spa.jp/2022388
- ^ 週刊現代 「タワマン、高級食、ブランド品なんていらない…じつは「隠れ金持ち」がいることをご存知ですか?」2023年8月19日 https://gendai.media/articles/-/114346?page=4 2025年4月10日閲覧
- ^ ABEMA #アベプラ【平日よる9時〜生放送】「サプライズ嬉しくない人も?誕生日コンプレックスとは?令和の祝い方を考える」2024年7月24日 https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p5826 2025年4月10日閲覧
- ^ ALT webサイト https://www.alt-art.jp/about 2025年4月10日閲覧
- ^ ALT webサイト 「経済産業省様との事例」https://www.alt-art.jp/posts/case-meti 2025年4月10日閲覧
- ^ ALT webサイト 「ASEAN-Japan様との事例」https://www.alt-art.jp/posts/japan-asean 2025年4月10日閲覧
- ^ ALT webサイト 「山形県西川町様との事例」https://www.alt-art.jp/posts/nishikawa 2025年4月10日閲覧
- ^ ALT webサイト 「one」https://www.alt-art.jp/posts/work-ja 2025年4月10日閲覧
- ^ a b 下山明彦 note 「東大・東京藝大卒連続起業家が「シンボルアート」を生み出して西川町と万博で作品をつくるまで そしてこれから」2024年12月29日https://note.com/korokke0508/n/ndd7de7a5a8f0#c7e1b7a8-3ac4-4e9c-96a9-b629dea2198b 2025年4月10日閲覧
- ^ NewsPicks「可能性の宝庫?大学発ビジネスの裏側」2021年11月19日 https://newspicks.com/live-movie/1674 2023年10月16日閲覧
- ^ NewsPicks「若者が描く日本の未来とは?」2022年2月8日 https://newspicks.com/live-movie/1846 2023年10月16日閲覧
- ^ NewsPicks 「メタバースは働き方のゲームチェンジャーになるのか?」2022年3月22日https://newspicks.com/movie-series/10?movieId=1948 2023年10月16日閲覧
- ^ NewsPicks Youtube https://www.youtube.com/watch?v=Zcl5MjOpkDk 「【リスキリング】人生100年、ビジネスパーソンの「学び直し」実践術」2022年11月25日 2023年10月16日閲覧
- ^ TEDxUTokyo 2023 "どくどく"https://tedxutokyo-official.studio.site/dokudoku 2023年10月16日閲覧
外部リンク
- 下山明彦 webサイト
- 下山明彦 - note
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