・東中山砂岩部層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 13:30 UTC 版)
東中山砂岩部層(Ncs部層)の下部は、松本・小野(1947)のNbs部層にほぼ相当する速水によるCardinia toriyamai bedから東長野層で最も多種にわたる浅海性の二枚貝の他、掘足類、腹足類、六放サンゴ、ゴカクウミユリ類、腕足類、アンモナイトなどが産出し、アンモナイトのArietites sp.から東中山砂岩部層の年代は前期シネムーリアン期とされている。 なお、松本・小野によって基底部から報告されたアンモナイトHarpophylloceras ? sp.は、佐藤によりJuraphyllitesとされヘッタンギアン期が示唆されたが、この化石の産地は平野によりNcs部層産として一括され前期シネムーリアン期のものとされた。 Cardinia toriyamai bedからは、Cardinia(カルディニア科)、Grammatodon toyorensis・Parallerodon(パラレロドン科)、Oxytoma(オキシトマ科)、現生科ではLiostrea toyorensis・現生属Lopha(イタボガキ科)、Entolium(エントリウム科)、"Aequipecten" toyorensis・現生属Chlamys(イタヤガイ科)、Prosogyrotrigonia(トリゴニア科)、Antiquilima nagatoensis・Plagiostoma(ミノガイ科)、Protocardia(ザルガイ科)、Astarte・Praeconia(エゾシラオガイ科)、Sphaeriola・現生属Lucina・現生属Fimbria(ツキガイ科)といった二枚貝や、生きた化石といわれる現生属Neritopsis(アマガイモドキ科)などの巻貝類、Chomatoseris(六放サンゴ類)、ゴカクウミユリ類などが報告されている。 東中山砂岩部層の上部は、速水によるProsogyrotrigonia bedに相当し、Prosogyrotrigonia inouyeiをはじめ、Meleagrinella(アビキュロペクテン科)、現生属Modiolus(イガイ科)、Pleuromya(プレウロミヤ科)などの二枚貝類が加わり、その他、腹足類、Chomatoseris(六放サンゴ類)、腕足類などが報告されている。
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