ヴァン・ダイク夫人メアリー・ルースヴェンとは? わかりやすく解説

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ヴァン・ダイク夫人メアリー・ルースヴェン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/15 06:35 UTC 版)

『ヴァン・ダイク夫人メアリー・ルースヴェン』
スペイン語: Mary Ruthven (esposa de Van Dyck)
英語: Mary Ruthven, Lady Van Dyck
作者 アンソニー・ヴァン・ダイク
製作年 1640年ごろ
種類 キャンバス上に油彩
寸法 104 cm × 81 cm (41 in × 32 in)
所蔵 プラド美術館マドリード

ヴァン・ダイク夫人メアリー・ルースヴェン』(ヴァン・ダイクふじんメアリー・ルースヴェン、西: Mary Ruthven (esposa de Van Dyck): Mary Ruthven, Lady Van Dyck)は、フランドルバロック期の巨匠アンソニー・ヴァン・ダイクが1640年頃にキャンバス上に油彩で制作した肖像画で、彼がイングランド滞在中に結婚した女性メアリー・ルースヴェンを描いている。スペインフェリペ5世の妃であったエリザベッタ・ファルネーゼの1746年のコレクション目録に記載されている作品で[1]、現在はマドリードプラド美術館に所蔵されている[1][2]

作品

ヴァン・ダイクは、1639年にスコットランド出身のメアリー・ルースヴェンと結婚した。メアリーの父パトリック・ルースヴェンはルースヴェン卿の称号を持っていた貴族であった[3]。メアリーは1639年から1640年まで王妃付き女官に任命されており、これはチャールズ1世がヴァン・ダイクをイングランドに引き留めておくための対策だったと考えられている[4]。メアリーは1645年に他界している[1][2]

ヴァン・ダイクは、メアリーを髪の毛を後ろにまとめ、オークの葉の髪飾りを着けた姿で描いたが、画家の母語オランダ語で「ダイク」はオークを意味するため、この髪飾りは画家の名に言及したものとなっている[1]。メアリーは、深い襟ぐりのある輝く青色のドレス、真珠のネックレスを身に着け、鑑賞者の前でロザリオをもてあそんでいる[1]

モデルが妻であるということから、ヴァン・ダイクのこの肖像画には親近感と愛情がにじみ出ており[1][2]、それは彼女の手の仕草とまなざしに見て取れる[1]。画家が当時イングランドで制作していた宮廷肖像画とは異なり、より親密な、家庭的で個人的な性質の作品となっている[1][2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h Mary Ruthven, Lady Van Dyck”. プラド美術館公式サイト (英語). 2024年9月15日閲覧。
  2. ^ a b c d 国立プラド美術館 2009, p. 369.
  3. ^ Cockayne, G.E., et al,The Complete Peerage, vol.iv, London, 1916, p.385n
  4. ^ Ellis Waterhouse, Painting in Britain, 1530-1790, 4th Edn, 1978, pp. 70-77, Penguin Books (now Yale History of Art series)

参考文献

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