ムネクリイロボタルとは? わかりやすく解説

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胸栗色蛍

読み方:ムネクリイロボタル(munekuriirobotaru)

ホタル科昆虫

学名 Psilocladus ruficollis


ムネクリイロボタル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/20 22:01 UTC 版)

ムネクリイロボタル
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目) Polyphaga
上科 : ホタル上科 Elateroidea
: ホタル科 Lampyridae
: Cyphonocerus
: ムネクリイロボタル C. ruficollis
学名
Cyphonocerus ruficollis

ムネクリイロボタル Cyphonocerus ruficollisホタル科昆虫の1つ。

特徴

体長は6-8mm[1]。背面は多少光沢があって黒から黒褐色で、前胸だけが橙赤色をしている。頭部は粗い点刻が不均等に散らばる。前頭は平たくて幅広くくぼみがあり、その中央前側に縦溝がある。触角は黒い毛が生えており、第1節は太くて長く、第2節はごく短く、第3-10節はほぼ同程度の長さでそれぞれから同じくらいの長さの2本の横枝が出る。ただしこの横枝は雌では短くて突起状となる。第11節は細長くて先端が細くなって終わる。前胸背は緩やかに盛り上がり、黄色の毛が生えており、前側は円形っぽくなって縁があり、粗大な点刻が皺状に密生している。また中央に縦溝がある。また後ろの縁の両肩内側が少し窪み、両端は後ろ向きに突き出している。小楯板はやや細長い三角形で後端は丸まる。鞘翅には黒い毛があり、皺状に点刻があり、ややはっきりした3本の縦脈が走る。腹部は光沢があって黒く、軽い点刻がある。

幼虫は半円筒形に近く、細長くて丸みがある。頭部は小さく、茶褐色を帯びる。胸部から腹部の背面は全体に光沢のある黒で、腹面は淡黄色をしている。腹部第8節に発光器があって淡黄色に見える。オキナワエダヒゲボタルに似ているが、本種の方が光沢が強い[2]

生態など

成虫は6-7月に見られる。幼虫期間は1年を超え、越冬も幼虫が行う[3]

湿潤な環境に多く見られ、山林を背景にした林縁の草地、あるいは林床の草地などに見られ、人家周辺に出現することもある。成虫は昼夜共に活動する。産卵は地中に行われる。幼虫はオカチョウジガイなどの陸生貝類を捕食する。歩行能力は低く、草の上に這い上ることなどは出来ない。また夜間に地表で連続的な光を放ち、その光は成虫のそれより強い。地中に蛹室を作って蛹化する[4]

分布

分布は本州四国九州で範囲は広いものの実際の生息地は限定的である[5]

近縁種

同属のものにヘリアカクシヒゲボタル C. marginatus があり、四国、九州から知られるが多くない[6]。体色が異なり、この種では全体に暗褐色で前胸背と鞘翅の外縁が赤みを帯び、また触角の櫛状の分枝がより長い[7]。他に同属の種としては沖縄島にオキナワクシヒゲボタル C. okinawanus、石垣島にヤエヤマクシヒゲボタル C. yayeyamensis が知られている[8]

出典

  1. ^ 以下、主として石井他編(1950),p.1054
  2. ^ 志村編(2005),p.238
  3. ^ 志村編(2005),p.238
  4. ^ 志村編(2005),p.238
  5. ^ 志村編(2005),p.238
  6. ^ 黒沢他編著(1985),p.121
  7. ^ 石井他編(1950),p.1054
  8. ^ 黒沢他編著(1985),p.121

参考文献

  • 石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館
  • 中根猛彦他、『原色昆虫大圖鑑 〔第2巻〕』、(1963)、北隆館
  • 上野俊一他、『原色日本甲虫図鑑(II)』、(1985)、保育社
  • 黒沢良彦他編著、『原色日本甲虫図鑑(III)』、(1985)、保育社
  • 志村隆編、『日本産幼虫図鑑』、(2005)、学習研究社


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