ミニッシ反応の有用性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 17:01 UTC 版)
「ミニッシ反応」の記事における「ミニッシ反応の有用性」の解説
本反応によって、フリーデル・クラフツ反応が適用できない電子不足の複素環種のアルキル化が可能である。電子不足のアレーンのアルキル化法(芳香族求核置換反応)も、使用されるイオン性求核種が求核剤として作用して複素環を脱プロトン化するため電子不足複素環には利用できない。ここでも、芳香族求核置換反応とは対照的に、ミニッシ反応はアレーンの官能基化を必要とせず、そのため直接C-H官能基化が可能となる。 これだけではなく、生成したアルキルラジカル種は、フリーデル・クラフツアルキル化で付加されるアルキル断片がしばしば起こすように反応中で転位しない。これは、n-ペンチル基やシクロプロピル基といった基を変化することなく付加できることを意味する。アルキルラジカルは「軟らかい」求核剤でもあるため、複素環上に既に存在する(例えばカルボニル種のような)「硬い」求電子剤と相互作用する可能性は非常に低い。これが本反応の官能基寛容性を高めている。 本反応は多くの研究の対象となってきており、適用範囲は拡大され、多くのアルキル化剤、複素環、酸化剤を包含している。
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