ミサ曲第3番_(シューベルト)とは? わかりやすく解説

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ミサ曲第3番 (シューベルト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 08:53 UTC 版)

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リヒテンタール教区教会英語版

ミサ曲第3番 変ロ長調 D324 は、フランツ・シューベルトが1815年に作曲したミサ曲。演奏時間はミサ・ブレヴィスとなろう長さであるが、トランペットティンパニ木管楽器を用いるその大きな管弦楽的効果はミサ・ソレムニスの分類にもあてはまる[1][2]

概要

シューベルトの肖像。フランツ・アイブル画。1827年

シューベルトは本作をミサ曲第2番完成から数か月経った1815年11月11日に書き始めている[2][3]。いかなる演奏機会を見込んで作曲されたのかは分かっていないが、初演のソプラノを担当したのはテレーゼ・グロープであっただろうと考えられている[4]。これは本作がリヒテンタール教区教会英語版のために書かれたということを意味しており、シューベルトは深い恋心を抱いていたグロープと共に過ごす時間を作ろうともしていたのではないかと思われる[3]

本作の規模の大きな管弦楽編成と拡張された管弦楽による間奏はハイドン風であると呼ばれており[2]、とりわけハイドンの『ネルソン・ミサ』が強い影響を与えた作品として引き合いに出されてきた[5]モーツァルトバッハへの言及もなされている。

初演の状況についてはよくわかっていないが、このミサ曲はウィーン外部でよく知られていた。シューベルトが兄のフェルディナントから受け取った1824年10月6日の手紙では、彼がハインブルクにおいてあるミサ曲の演奏のためにオルガンを弾いてほしいと頼まれたと語られている。そのミサ曲は招待客が素性を知らない有名な作曲家の作品だった。受け取ってみて、フェルディナントはこれが自分の弟の楽曲であると気づいたのであった[2][4]

編成

ソプラノアルトテノールバス独唱、混声合唱トランペット2、ティンパニオーボエ2、ファゴット2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ通奏低音チェロコントラバスオルガン

楽曲構成

全6曲から成る。演奏時間は約30分。下表は合唱譜から作成されたもの。略記はソプラノ(S)、アルト(A)、テノール(T)バス(B)、混声合唱(SATB)の意。

番号 パート インキピット 声部 速度表示 調性 拍子
1 キリエ SATB S A T アダージョコン・モート 変ロ長調 3/4
2 グローリア SATB アレグロヴィヴァーチェ 変ロ長調
Gratias agimus tibi S T
Domine Deus, Rex coelestis SATB
Domine Deus, Agnus Dei B T S SATB アダージョ ニ短調 3/4
Quoniam tu solus sanctus SATB アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調
3 クレド Credo in unum Deum SATB アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調 3/4
Et incarnatus est B S A T アダージョ ヘ短調
Crucifixus SATB
Et resurrexit SATB アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調 3/4
4 サンクトゥス SATB アダージョ・マエストーソ 変ロ長調
5 ベネディクトゥス S A T B アンダンテ・コン・モート ヘ長調
Osanna SATB 変ロ長調
6 アニュス・デイ S A T SATB アンダンテ・モルト ト短調
Dona nobis pacem S A T B SATB アレグロ・モデラート 変ロ長調 6/8

出典

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