ポーソン・カンド反応とは? わかりやすく解説

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ポーソン・カンド反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/03 02:45 UTC 版)

ポーソン・カーン反応 (Pauson–Khand reaction) とは、アルキンアルケン、そして一酸化炭素が[2+2+1]-環化付加反応で結びついて α,β-シクロペンテノンを与える化学反応のこと(下式)[1][2]。最初に報告されたときの触媒ジコバルトオクタカルボニル (Co2(CO)8) であったが、その後の研究により他の触媒で代用されるようになった。

分子間ポーソン・カンド反応


上の例のように非対称なアルケンやアルキンを基質とした分子間反応では位置選択性が問題となる。下の例のような分子内エンインでは位置選択的な環化が起こる。

分子内ポーソン・カンド反応


ロジウムを中心金属とするウィルキンソン触媒 (RhCl(PPh3)3) は、トリフルオロメタンスルホン酸銀 (AgOTf) を助触媒としてポーソン・カーン反応を進行させる[3]

ウィルキンソン触媒によるポーソン・カンド反応


モリブデンヘキサカルボニル (Mo(CO)6) は一酸化炭素源としてはたらく。アレンアルキンに加え、ジメチルスルホキシド中で加熱して環化させる[4]

PK reaction with molybdenum hexacarbonyl


鉄(0)-シクロブタジエン錯体に硝酸セリウム(IV)アンモニウム (CAN) を作用させて鉄を解離させると、自発的に [2+2+1]-環化が進行して縮合環化合物を与える[5]

参考文献

  1. ^ Pauson, P. L.; Khand., I. U. Ann. N.Y. Acad. Sci. 1977, 295, 2.
  2. ^ 総説: Blanco-Urgoiti, J.; Añorbe, L.; Pérez-Serrano, L.; Domínguez, G.; Pérez-Castells, J. Chem. Soc. Rev. 2004, 33, 32. DOI: 10.1039/b300976a
  3. ^ Jeong, N.; Sung, B. K.; Kim, J. S.; Park, S. B.; Seo, S. D.; Shin, J. Y.; In, K. Y.; Choi, Y. K. Pure Appl. Chem., 2002, 74, 85–91. オンライン版
  4. ^ Kent, J. L.; Wan, H.; Brummond, K. M. Tetrahedron Lett. 1995, 36, 2407-2410. DOI: 10.1016/0040-4039(95)00315-4
  5. ^ Seigal, B. A.; An, M. H.; Snapper, M. L. Angew. Chem., Int. Ed. 2005, 44, 4929-4932. DOI: 10.1002/anie.200501100




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