ホーハイ節とは? わかりやすく解説

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ほうはい‐ぶし【ホーハイ節】

読み方:ほうはいぶし

青森県津軽地方民謡盆踊り歌としてうたわれる。「ホーハイ」という囃子詞(はやしことば)の「ホー」だけを裏声でうたうのが特徴


ホーハイ節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/06 07:56 UTC 版)

ホーハイ節(ホーハイぶし)は青森県津軽地方、特にはつがる市森田町に伝わる日本民謡盆踊り唄。「津軽ホーハイ節」とも。

解説

囃子言葉の「ホーハイ ホーハイ ホーハイ」を発声するとき「ホー」の箇所で裏声が用いられ、ヨーデルアイヌ民族に伝わる歌唱法と似る[1]。この裏声を用いる歌唱は他の津軽民謡の中で共通するものを持たず、日本国内においても秋田県鹿角市十和田に伝わる「ホーハイ胴付き唄」や山形県羽黒近郷の「さもんじゃ」でわずかに見られるだけで、民謡としてはきわめて特殊な発声法である[1][2]

起源については複数の説があるがどれも定かではない[1][2]津軽為信が領地を視察した際、農民たちにねぎらいの声をかけたが、これに喜んだ農民たちが踊り歌ったとする「穂拝節」であるという説、豊作を願う「穂生節」であるという説や、為信が油川城を攻めた際、兵を鼓舞する為に唄った「奉拝節」であるとする節などがあるが、どれも民間伝承の類であり根拠に乏しい[2]。森田町やこの地の民謡団体「ホーハイ節保存会」などでは「奉拝節」説を採っている[2][3][4][5]

元々はつがる市森田町に伝わる盆踊り唄・田草取唄であり[6]、あまり知られている唄ではなかったが、森田村出身の民謡歌手成田雲竹による津軽民謡の普及活動やそのレコード(1941年(昭和16年))[7]などによって、よく知られるようになった[8][9]。 ホーハイ節は演歌・民謡歌手に唄われるだけではなく、矢野顕子のファーストアルバム『JAPANESE GIRL』(1976年)ではホーハイ節をベースにした曲「津軽ツアー」が歌われたり[10]木村雅信によるアレンジで「津軽ホーハイ節によるカノン Op.205」(1988年)などが作られた。2017年には民謡クルセイダーズのデビューアルバム『ECHOES OF JAPAN』にも採録されアフロビート風に編曲されるなど[11]、有名民謡の一つとなっている。

歌詞

婆々の腰 ホーハイ ホーハイ ホーハイ 曲がた ナエー 稲の穂が実る

津軽富士 ホーハイ ホーハイ ホーハイ 高い ナエー 名は岩木山

愛宕山 ホーハイ ホーハイ ホーハイ 高い ナエー 雲にとどく

津軽海 ホーハイ ホーハイ ホーハイ 広い ナエー 空につづく


— 参考:日本放送協会東北支部『東北民謡集』, p.139、1933年

2021年現在、歌詞は統一されておらず上掲の歌詞は一例である。詞からみると五三五三の詞形が繰り返されているが、七七調が変形した八八調であるとみられる[6]

脚注

  1. ^ a b c 町田,浅野 (1960), pp.30-31
  2. ^ a b c d 仲井,丸山,三隈 (1972), p.300
  3. ^ ホーハイ節保存会”. つがる市の伝統芸能. つがる市. 2021年9月10日閲覧。
  4. ^ ホーハイ節保存会”. 広報つがる2009.10月号. つがる市. 2021年9月10日閲覧。
  5. ^ つがる市の伝統芸能”. つがる市. 2021年9月10日閲覧。
  6. ^ a b 浅野 (1966), p.130
  7. ^ 靑森市 成田 雲竹. “靑森縣 ホーハイ節”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 国立国会図書館. 2021年9月10日閲覧。
  8. ^ ホーハイ節”. 動画で見るニッポンみちしる. NHKアーカイブス (NHK). 2021年9月10日閲覧。
  9. ^ 成田雲竹”. 高橋竹山 オフィシャルウェブサイト. 高橋竹山. 2021年9月10日閲覧。
  10. ^ OKMusic編集部. “真の天才、矢野顕子が創りあげた驚愕のデビュー作『JAPANESE GIRL』”. OKMusic. 2021年9月10日閲覧。
  11. ^ 松山晋也. “2020年、世界は「民謡クルセイダーズ」を知ることになるだろう”. WIRED.jp. 2021年9月10日閲覧。

参考文献

  • 町田 喜章、浅野 健二『日本民謡集』岩波書店〈岩波文庫〉、1960年。 
  • 仲井 幸二郎、丸山 忍、三隈 治雄『日本民謡辞典』東京堂出版、1972年。 
  • 浅野 健二『日本の民謡』岩波書店〈岩波新書(青版)〉、1966年。 

関連項目



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