ベルディンとは? わかりやすく解説

ベルディン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/24 15:08 UTC 版)

ベルディンBeldin) は、デイヴィッド・エディングスファンタジー小説『ベルガリアード物語』およびそれに続く『マロリオン物語』などに登場する架空の人物。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


目次

人物概略

ベルガラス(Belgarath)の『兄弟』兼『親友』。梟神アルダー(Aldur)の弟子のひとり。魔術師。化身は青い縞のある鷹。ベルガラスたち『兄弟』とともに『予言』を成就させるべく、永遠とも思える長い時間を生きている。特徴としては、

  • 背中にこぶがあり、両足が両手より短い。
  • 類稀なる長寿で、6000年以上の時を生きている。
  • 伸びたひげとボサボサの髪にはいつも小枝がからまっている。身なりをまったく気にしない。
  • 桁外れの知能と、論理的かつ哲学的な思考の持ち主で完璧主義者。
  • 口が悪く、悪態と猥談は天下一品。
  • 昔の言語(とくにワキューン訛り)が得意。

である。妻はヴェラ(Vella)。

人間性

憎まれ口をたたくので相手に悪い印象を与えるが、これは彼なりの愛情表現なので、慣れると気にならなくなる。むしろ、彼に愛着すら感じるようになる。

しょっちゅう相手に説教したり叱責したりするが、他者へ与える愛は誰よりも深いからであろう。反面、他者から与えられる愛の受け止め方を知らない節があり、どう応えればいいのか戸惑うことがある。

『敵』とみなした存在にはとことん容赦しない。その悪辣な口ぶりと魔術で恐怖のどん底におとしいれ、必ず自分の手で仕留める……その姿勢には執念すら感じる。

印象は悪いが中身は素晴らしい男――それがベルディンなのである。

人生

ベルガラスとの出会いからボー・ミンブルの戦いまで

彼の本名はディン(Din)、出身民族は不明である。

彼がベルガラスと会ったのは《アルダー谷》の北にある森のはずれだった。彼は『おんぼろ馬車に乗ったひょうきんなおっさん』を探しに《谷》までやって来たのだ。ベルガラスは彼の言う『おっさん』が自分の《師》アルダーであることを悟り、彼をアルダーの塔に連れて行った。最初は《教育》という言葉に抵抗した彼だったが、しぶしぶ受けることにする。そんな彼の教育を担当したのは、最初に出会ったベルガラスだった。しかし、最初から魔術(=《意志》と《言葉》の力の使い方)の基本を理解していた彼に、ベルガラスは驚かされることとなる。   彼はベルガラスに自身の身の上話をする。生まれたとき、背中にこぶがあるため奇形とみなされ山中に捨てられたが、慈悲深い母親の救いの手で餓死することはなかった。歩き始めるようになった頃から母親は来なくなり、森の中で動物同然の生活を送ってきた。どこへ行ってものけ者にされる彼は、あちこちを転々としながら生きてきた――彼の境遇にベルガラスは孤児の頃の自分を思い出していた。

アルダーから『ベルディン』の名をもらってからは、しばらくベルガラスの塔に居候していた。が、「誰にも邪魔されない場所が欲しい」という理由から、自身の塔を建てて住むようになる。彼の望む『美』を追求した塔を建てるとき、ベルマコー(Belmakor)とベルサンバー(Belsambar)が建築構造をめぐって激しい討論を繰り広げるが、そのとき彼は初めて他人に愛されていることを諭され、同時に他人の愛を受け入れることの大切さも諭された。彼はその事実に涙を流した。

最初に変身の方法を身につけたのは彼だった。鳥を研究していた彼は、ある日、蒼い縞のある鷹に変身したのだ。《師》から外界を観察するよう指示された兄弟たちに、彼は鳥に変身する術を教えた。彼は兄弟とともに《谷》を離れ、戦争状態の続くアレンディアを視察した。やがてアルダーの弟・竜神トラク(Torak)が《谷》で《アルダーの珠》を盗むと、他の弟子たちとともに、他の兄弟神に連絡をとるようアルダーに指示を受けた彼は、蛇神イサ(Issa)のもとへ向かった。そして神々がトラクに戦争を挑むことになった時、ベルサンバーの愚かしい考えを阻止するため、ベルマコーとともに機械を造った。

トラクにより大陸が東西に分断された後、彼はアルダーから、ほかの『兄弟』とともに《珠》の出自――とそれにまつわる事故、二つに分かれた《宿命》――についての説明を受けた。光と闇の《宿命》のゲームに彼はやきもきする。やがて、彼はベルゼダー(Belzedar)とともにマロリーの偵察に向かう。

ある事件がきっかけで、彼は「《珠》を取り返す手段を見つけた」というベルゼダー(Belzedar)に疑いの目を向けるようになる。それ以降、彼は頻繁にマロリーを偵察するようになる。2度目の偵察で、彼はトラクの3人目の弟子がアンガラク人ではないことを《師》や『兄弟』に伝える。ちなみに、その偵察で彼はトラクの弟子のひとり・ウルヴォン(Urvon)を恐喝したため、彼は本来の姿でウルヴォンのいるマル・ヤスカに滞在できなくなってしまった。

気がつくと、彼はベルガラスと組むことが多くなっていた。マラゴー人が人食いを始めたことをベルガラスに報せ、ニーサ人との間に起きた戦争に介入し、戦争を終結させる。

ベルガラスが《光の子》としてアロリア(Aloria)の王族と《珠》の奪還に向かう前、トルネドラにいた彼は、ベルガラスの妻ポレドラ(Poledra)の面倒を見るよう言い渡される。《珠》を奪還し、《鉄拳》リヴァ(Riva Iron-grip)が《珠の守護者》となったのを見届けたベルガラスが《谷》に戻ったとき、ポレドラが出産の時に死亡したことを伝えたのは彼だった。

愛する妻の死に打ちひしがれたベルガラスの代わりに、残された双子の娘――ポルガラ(Polgara)とベルダラン(Beldaran)――を引き取って育てた。数年後、妻の死で堕ちるところまで堕ち、世界を放浪していたベルガラスを叱りつけて立ち直らせた。ベルダランが《鉄拳》リヴァと結婚したあと、彼はマロリーへ向かう。ベルガラスとポルガラがダリネとムリンから帰ってくると、彼はマロリーの現状を報せる。ベルゼダーことゼダー(Zedar)がトラクに付き添ってアシャバにいること、トラクが自身で『語った』予言に混乱していること、ダル人の予言書『マロリーの福音書』のこと……これらの予言はすべて数千年後の《光と闇の対決》に関わることとなる。

ベルガラスとポルガラ、ベルティラ(Beltira)とベルキラ(Belkira)の双子とともに予言の研究に没頭するかたわら、定期的にマロリーへ偵察に出るようになる。

アローン暦4850年、皆既日食が起きる。そのころ彼はマロリーを見張っていた。数ヵ月後、戻ってきた彼は兄弟たちにトラクがアシャバを離れ、マロリーを制圧したことを伝える。これは予言と符合する出来事だったので、彼は再びマロリーへ渡り、トラクたちを見張ることにする。  


ベルディン(Beldin)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/01/07 14:38 UTC 版)

魔術師ベルガラス」の記事における「ベルディン(Beldin)」の解説

ベルガラスの『兄弟』兼『親友』。アルダー弟子のひとり。化身は青い縞のある伸びたひげと髪はボサボサで、いつもからまっている。身なり気にしない桁外れ知能と、論理的かつ哲学的な思考持ち主完璧主義者。口が悪くしょっちゅう悪態ついているが、それは他者与える愛は誰よりも深く他者から与えられる愛をなかなか受け止めないからであろう

※この「ベルディン(Beldin)」の解説は、「魔術師ベルガラス」の解説の一部です。
「ベルディン(Beldin)」を含む「魔術師ベルガラス」の記事については、「魔術師ベルガラス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ベルディン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ベルディン」の関連用語

ベルディンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ベルディンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのベルディン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの魔術師ベルガラス (改訂履歴)、ベルガリアード物語シリーズの登場人物 (改訂履歴)、ベルガリアード物語 (改訂履歴)、マロリオン物語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS