ブラリ=フォルティの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 22:40 UTC 版)
ブラリ=フォルティの定理とは、「すべての順序数からなる集合は存在しない」という定理である。これは次のようにして示すことができる: すべての順序数からなる集合 ON が存在すると仮定する。すると、順序数の要素はまた順序数であるという性質から ON は推移的な集合である。さらに、ON の空でない部分集合には必ず ∈ に関する最小元が存在するので、ON は ∈ によって整列されている。したがって ON は順序数であるので ON ∈ ON であるが、これは任意の順序数 α に対して α ∉ α であるという事実と矛盾する。よって順序数全体の集合は存在しない。 かつて、集合論が公理化される以前には、「集合全体の集合」や「順序数全体の集合」といったものも無制限に考えられていたため、上のように順序数全体の集合を考えたときに起こる矛盾はブラリ=フォルティのパラドックスと呼ばれていた。
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