ドナ・ノービス・パーチェムとは? わかりやすく解説

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ドナ・ノービス・パーチェム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/09 10:21 UTC 版)

ドナ・ノービス・パーチェム (Dona nobis pacem) は、「われらに平和を与えたまえ」を意味するラテン語の語句[1]ミサを構成する通常文のひとつである「Agnus deiアニュス・デイ神の子羊)」の中に見える語句であり、これに基づいてミサ曲を構成する楽曲のひとつの名称とされることがよくある。

日本語では、「ドナ・ノビス・パーチェム」などとも表記される[1]

日本語における楽曲名としては、「われらに平和を与えたまえ[2]、「平和をわれらに」などとされることがある[3]

カノン「Dona Nobis Pacem」

カノン

「ドナ・ノービス・パーチェム」は、この句を反復して歌われる伝統的なカノンである。この曲の起源は分かっておらず、多くの聖歌集は、「トラディショナル」(作者不詳の伝承作品)としている[4]

バッハ『ロ短調ミサ曲』

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の『ロ短調ミサ曲』の最終曲は、「ドナ・ノービス・パーチェム」であり[3]、「グロリア」の部に置かれた「グラティアス・アギムス・ティビ (Gratias agimus tibi)」と同じ旋律で合唱される[5]

ヴォーン・ウィリアムズのカンタータ

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲のカンタータ『ドナ・ノービス・パーチェム (Dona nobis pacem)』は、1936年に発表、初演された[2]。作品を通して「ドナ・ノビス・パーチェム」の語句が、異なる文脈で歌詞に現れる。

オネゲル『交響曲第3番』

第二次世界大戦中の1945年に委嘱され、1946年に初演されたアルテュール・オネゲル作曲の『交響曲第3番《典礼風》』の第3楽章は「ドナ・ノービス・パーチェム (我らに平和を)」と題されている[6][7]

脚注

  1. ^ a b 作品詳細 われらに平和を与えたまえ(ドナ・ノビス・パーチェム) - Dona nobis pacem”. Naxos Japan, Inc.. 2016年2月19日閲覧。
  2. ^ a b ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番/「われらに平和を与えたまえ」”. Naxos Japan, Inc.. 2016年2月21日閲覧。
  3. ^ a b 小海基 (2011年). “5月15日(荻窪音楽祭)の熱演、ありがとうございました 《ロ短調ミサ曲》[後半]の日本語初演” (PDF). 東京バッハ合唱団 月報 (東京バッハ合唱団) (588): p. 1. http://bachchor-tokyo.jp/monthly_newsletter/pdf/mon588_201106.pdf 2016年2月19日閲覧。 
  4. ^ Nair, Garyth (1999). Summit Chorale. Madison, NJ 
  5. ^ 百々隆. “ロ短調ミサ曲について(その1:ロ短調ミサを巡る謎)”. Ensemble Voce. 2016年2月21日閲覧。
  6. ^ 中田麗奈. “アルテュール・オネゲル (1892~1955) 交響曲第3番《典礼風》”. 千葉フィルハーモニー管弦楽団. 2016年2月21日閲覧。
  7. ^ 神崎正英. “オネゲル交響曲第3番の概要と演奏”. 神崎正英. 2016年2月21日閲覧。



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