トレスカの降伏条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 04:52 UTC 版)
「アンリ・トレスカ」の記事における「トレスカの降伏条件」の解説
トレスカは、材料に作用する最大せん断応力値が限界に達すると降伏するとした(最大せん断応力説)。 最大主応力をσ1、最小主応力をσ3( σ 1 ≥ σ 2 ≥ σ 3 {\displaystyle \sigma _{1}\geq \sigma _{2}\geq \sigma _{3}} )とすると、最大せん断応力τmaxは次式で表される。 τ m a x = 1 2 ( σ 1 − σ 3 ) {\displaystyle \tau _{max}={\frac {1}{2}}(\sigma _{1}-\sigma _{3})} ここで次式で定義される相当応力をトレスカ応力σTrescaとよぶ。 σ T r e s c a = 2 τ m a x = σ 1 − σ 3 {\displaystyle \sigma _{Tresca}=2\tau _{max}=\sigma _{1}-\sigma _{3}} 材料の降伏応力をσYとすると、降伏するときの最大せん断応力値は τ m a x = σ Y 2 {\displaystyle \tau _{max}={\frac {\sigma _{Y}}{2}}} であり、降伏条件は以下の通りとなる。 σ T r e s c a ≥ σ Y {\displaystyle \sigma _{Tresca}\geq \sigma _{Y}} 塑性変形の発生のための最大せん断応力は σ t r e s c a = σ 1 − σ 3 > σ m a x {\displaystyle \ \sigma _{tresca}=\sigma _{1}-\sigma _{3}>\sigma _{max}} トレスカの降伏条件は主応力空間上で六角柱となる(曲面の内側で弾性変形、曲面上で降伏、曲面の外側で塑性変形)。σ1-σ2平面( σ 3 = 0 {\displaystyle \sigma _{3}=0} )では左図のようになり、ミーゼスの降伏条件(せん断ひずみエネルギー説)より安全側であることから、評価基準としてよく利用される。
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