トライアンフ・タイガーカブ
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製造者 | トライアンフ・エンジニアリング |
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親会社 | バーミンガム・スモール・アームズ |
製造期間 | 1954-1956 1957-1968 |
先代 | トライアンフ・T15テリア |
エンジン | 199 cc (12.1 cu in) 単気筒 OHV、4ストローク、軽合金ヘッド、アマル製モノブロック・キャブレター、最初期はアマル332(1954-57)ないしゼニス17MXZ/CS5(1958-61)[1][2] |
ボア / ストローク | T20 63x64mm、T15 57x58.5mm |
圧縮比 | T20 Sports 9:1、T20 および T15 7:1[3] |
最高速度 | T20S 74 mph (119 km/h)[2]、T20 66 mph (106 km/h)(試験時、平均値)[4] |
最大出力 | T20S 14.5 bhp (10.8 kW) @ 6500rpm T20 10 bhp (7.5 kW) @ 6000rpm T15 8 bhp (6.0 kW)[3] |
トランスミッション | 4速 シーケンシャル マニュアルトランスミッション / チェーン駆動 |
ブレーキ | 前:112 mm (4.4 in)、後:112 mm (4.4 in) |
タイヤ | 3.00x19 1954/55、3.00x16 1956/65、3.00x18 1966年以降[1][4] |
ホイールベース | 49 in (1,200 mm) |
燃料容量 | 3 imp gal (14 l) |
オイル容量 | オイルタンク:2.5 imp pt (1.4 l)、ギアボックス:1⁄3 imp pt (0.19 l)、チェーンケース: 1⁄2 imp pt (0.28 l)[3] |
トライアンフ・タイガーカブ(Triumph Tiger Cub)は、トライアンフ・エンジニアリングのメリデン工場で製造された排気量200cc単気筒のイギリス製オートバイ。1952年のショーの直前にサプライズ発表されたトライアンフ・T15テリア(150cc)をベースに設計された200ccのT20タイガーカブは[2]、エドワード・ターナーによって設計され、1953年11月にアールズ・コート・ショーで発表された[5]このモデルは、ヴィリアーズ製の2ストロークエンジンを搭載したモデルなど、当時の他の小排気量オートバイに匹敵する性能を発揮した。
開発

最初のT20タイガーカブ(1954−1956)は150ccのトライアンフ・T15テリア(1953-1956)のフレームとフロントフォーク (オートバイ)を使用して作られた[1][2]。
初期のタイガーカブはテリアのプランジャー式リアサスペンション・フレームを使用していたが、1957年からは2本のサスペンションユニットを備えた現代的なスイングアーム式に改められた[2]。点火ポイントはシリンダー後方のクランクケース上に配置された「ディストリビューター」タイプのデバイス内に位置した[6]。1963 年の後の開発では、シリンダーのベースの下のクロム カバーを介してアクセスするカムシャフトの端のより一般的な位置にポイントが配置された[2]。
T20SHの型式が与えられた「スポーツカブ」には細身の泥除けを備え、リアパネルやヘッドランプなセルがなく、圧縮比を高くした高性能エンジンが特徴となっており、英 Motor Cycle誌のテストでは74 mph (119 km/h)の最高速を記録した[2]。
アップマフラー、サスペンション変更、ブロックタイヤを与えられたオフロードモデルが「TS20スクランブルカブ」および「TR20トライアルカブ」として設計された[7][2]。
最終モデルとなるT20スーパーカブでは、製造コスト低減のためにBSA・バンタムD10で広く使用されていた大径ホイールとフルサイズのハブが使用された[8][4]。1966年11月から発売され、1968年に製造中止となり[9]、BSAの「B25スターサファイア」をベースにした250ccのTR25Wトロフィーに置き換えられた。
不評だった設計上の特徴
フレームのトップチューブが一般的なものよりも低く、ステムの嵌合長が短かった。燃料タンクの内部補強によってある程度の剛性は改善した。カムシャフト側のメインベアリングに使用されているプレーンベアリングは、急速に摩耗することがあった[10]。プライマリーチェーンは浅いオイルバス内を回転していたが、オイルレベルが低下すると潤滑不良となってチェーンが伸びる可能性があった。チェーンには張力がかかっておらず、さらに悪いことに初期モデルのプライマリーチェーンケースがわずかに「くびれた」形状になっていることから、摩耗して伸びたチェーンがカバーの内側とクランクケース自体にぶつかる可能性があり、オイルレベルの維持が困難となることがあった。これとは別のよくある苦情の1つは、カブを高速(50 mph (80 km/h))で30分走らせたあとで突然停止するというものだった。オーバーヒートが原因だろうと推測されたが、解決策はみつからなかった[11]。
法改正による後押し
1961年に、トライアンフの本拠地であるイギリスの運転免許法が改正されて、教習生のオートバイ運転者は排気量250cc以下の車両しか運転できなくなった[12]。このため、タイガーカブはオートバイに乗るためのもっとも人気のある手段となった。[要出典]
脚注
- ^ a b c Motor Cycle Data Book, Newnes, 1960. p.80, p.154
- ^ a b c d e f g h Motor Cycle, 30 July 1964. Readers report on Triumph Tiger Cub. "The Cub's ancestry dates back almost 12 years—to November 1952 when Triumphs introduced a "stimulating, last-minute eve-of-show surprise", the 149 cc Terrier. This was followed, a year later, by the first of the Tiger Cubs, with a 199 cc engine in the Terrier's plunger-sprung frame. Here we are dealing only with Cubs from 1957 onwards when the pivoted-fork model was introduced." Accessed 2014-01-29
- ^ a b c Motorcycle Mechanics (magazine), March 1972, p.30. Engine analysis: Triumph Cub Accessed 2014-02-06
- ^ a b c Motor Cycle, 9 March 1967. Super Cub road test Accessed 2014-01-28
- ^ Motor Cycle, 9 March 1967. Super Cub road test. "Baby brother, sizewise, of the Triumph family, the Cub has been with us now for just over 13 years". Accessed 2014-01-28
- ^ Motorcycle Mechanics (magazine), October 1967, p.52. Spark Sense: "Owners of the Triumph Cub or BSA C15 often write into us about routine maintenance of the contact breaker unit (or distributor as it is commonly miscalled)". Accessed 2014-03-10
- ^ The Motor Cycle, 15 March 1962. "Quickest way to the top! The new Trials Cub. The new Cub Scambler". Accessed and added 2014-08-08
- ^ Motor Cycle, 9 March 1967. Super Cub road test. "One of the ways in which the cost has been kept down is by using a similar frame for the Cub and the BSA Bantam". Accessed 2014-01-28
- ^ Kemp, Andrew; De Cet (2004). Classic British Bikes. Mirco. Bookmart Ltd. ISBN 978-1-86147-136-9
- ^ Estall, Mike (2004-02-28). The Triumph Tiger Cub Bible. Veloce Publishing. ISBN 978-1-904788-09-6
- ^ Estall, Mike (2004-02-28). The Triumph Tiger Cub Bible. Veloce Publishing. p. 110. ISBN 978-1-904788-09-6
- ^ [1] UK Government History of road safety, the highway code and the driving test, section 3.19 Retrieved 2014-02-09
外部リンク
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