トライアンフボンネビルT100とは? わかりやすく解説

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トライアンフ・ボンネビルT100

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/06 06:24 UTC 版)

トライアンフ・ボンネビルT100
製造者 トライアンフ・モーターサイクル
別名称 "Bonnie"
製造期間 2002–2004 790 cc
2005–2016 865 cc
2017 on 900 cc
種別 スタンダード
エンジン 865 cc (52.8 cu in) 空冷DOHC、360° パラレルツイン
900 cc (55 cu in) 水冷SOHC、270° パラレルツイン
ボア / ストローク 90 mm × 68 mm (3.5 in × 2.7 in)
84.6 mm × 80 mm (3.33 in × 3.15 in)
最高速度 115 mph (est.)[1]
最大出力 61 hp (45 kW) @ 7,400 rpm (2002)
67 hp (50 kW) @ 7,400 rpm (2012)[1]
54 hp (40 kW) @ 5,900 rpm (2017) (公称値)[2]
最大トルク 59 lb⋅ft (80 N⋅m)@ 3,230 rpm (2017) (公称値)[2]
トランスミッション 5速、チェーン駆動
ホイールベース 59.1 in (1,500 mm)
寸法 L: 87.8 in (2,230 mm)
W: 29.1 in (740 mm)
H: 43.3 in (1,100 mm)
シート高 30.5インチ (770 mm)
車重 451 lb (205 kg) (乾燥重量)
506 lb (230 kg)[1] (車両重量)
燃料容量 3.5 imp gal (16 L)

ボンネビルT100(Bonneville T100)は、イギリス レスターシャー ヒンクリートライアンフ・モーターサイクルが設計・製造したオートバイ

開発

トライアンフ・ボンネビルT100(2008年)

トライアンフは2000年のミュンヘン・モーターサイクルショーで790 cc (48 cu in) 360°クランクのパラレルツインエンジンを搭載したボンネビル790を15年ぶりの新しいボンネビルとして公開した[3]。ジョン・モケットとデヴィッド・ストライドがデザインを担当したT100ボンネビルは、当初は790ccエンジンでスタートし、2004年にスラクストンを、2007年以降は全てのバリエーションを865ccに拡大した。

T100という型番は、1959年から1970年代なかばにかけてトライアンフが製造したモデルに由来し[4]、トライアンフの「モダンクラッシク」シリーズの一部として販売されている。エンジンには電熱機能付きのツインキャブレターが装備されている。トライアンフは2007年に導入された排出ガス規制に対応するために、点火プラグの近くにエアインジェクションユニットを追加した[5]

2008年モデルでは、T100は(ボンネビルベースの全モデルと同様に)新しいEuro 3排出ガス規制英語版に対応するために燃料噴射装置が搭載された。燃料噴射システムは、キャブレター式エンジンよりも排気ガスをクリーンにするだけではなく、冷間時の始動を容易にした。レトロな外観を維持するために、燃料噴射装置はキャブレターを模したスロットルボディの裏に隠されている[6]

水冷のトライアンフ・ボンネビルT100ブラック(2017年)

2017年には、排気量の900ccへの拡大、水冷システムやトラクションコントロールの追加、360°クランクから270°クランクへの変更などの多くのアップデートがT100シリーズに加えられた[7]

トライアンフ100thアニバーサリー・リミテッドエディション

2002年はトライアンフ・モーターサイクルの100周年であり(1902年にトライアンフが設立された)、この特別なイベントに向けてトライアンフはルシファー・オレンジとシルバーの塗装の100周年記念のボンネビルT100を限定生産することを計画した。しかしながら、2002年3月15日に記念式典の準備をしていた最中に主力工場が火災で失われ、ほとんどの生産能力を喪失した。数台の100周年T100が2002年3月の火災の前に製造されており、非常に希少なものとなった。火災のダメージから回復した工場で生産が再開されたのは2002年9月以降(2003年モデルの生産年に入ってから)だったので、残りの100周年T100は実質的に2003年モデルとして製造された。2002年モデルと2003年モデルとしての生産数を合わせても、初年度のモダンT100はわずかな台数しか製造されなかった。正確な台数は公表されていないが、工場は合計500台の限定生産を宣伝していた。

ポール・スミス・シグネチャーシリーズ

2006年、ファッションデザイナーのポール・スミスが自らシグネチャーシリーズをデザインした。9台のトライアンフ・ボンネビルT100が、特別な塗装でカスタマイズされ、ポール・スミスのデザイナーショップで展示およびプロモーション用に使用された。これらはポール・スミスのショップでのみ販売されたが、オリジナルデザインのうち「マルチユニオン」と「リブ・ファスト」の2種類は、それぞれ50台ずつ限定生産された。各バイクには個別のシリアルナンバーが付けられ、ポール・スミスとジョン・ブロア英語版の署名入りの証明書が添付された[8]

トライアンフは・ボンネビルSE

2008年7月のトライアンフ・ディーラーカンファレンスで発表された「SE」(スペシャルエディションの略)は[9]、一体化したスピードメーターとタコメーター、ブラックエンジンに特別なポリッシュ仕上げのアルミカバー、クローム仕上げのトライアンフタンクバッジ、キャストホイール、斜めに持ち上がったサイレンサー、短縮されたマッドガード、そして低く狭いシートを特徴としている[10]。2009年モデルのSEは、マグネシウムホイールと電子点火装置を搭載した最初のトライアンフである1979年モデルのT140Dスペシャルエディションをモチーフにしている[11]

トライアンフは・ボンネビル50thアニバーサリースペシャル

2009年、ボンネビルの50周年記念モデルが発売され、売り上げの15%を占めるイギリスでわずか120台、27%を占めるアメリカでもわずかに200台未満が売り出された。ちょうど650台の限定生産となるこのトライアンフ・T100ボンネビルは、1959年を彷彿とさせるメリデンブルーとルシファーオレンジのツートンカラーに手描きのピンストライプが施され、ハンドルクランプにはそれぞれにシリアルナンバーが刻印された真鍮のプレートが取り付けられ、ジョン・ブロア英語版の署名入り証明書が付属していた[12][13]

関連項目 See also

脚注

  1. ^ a b c “2000-2001 Kawasaki W650: Brit Done Better?”. Motorcycle Classics 8 (3). (January–February 2013). http://www.motorcycleclassics.com/classic-japanese-motorcycles/kawasaki-w650-zmmz13jfzbea.aspx?page=2 2013年1月30日閲覧。. 
  2. ^ a b Bonneville T100”. Triumph. 2016年12月9日閲覧。
  3. ^ The real thing…”. 2009年2月17日閲覧。
  4. ^ Classic Bikes from the AMA Motorcycle Hall of Fame Museum”. 2015年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月9日閲覧。
  5. ^ Triumph Bonneville T100”. 2009年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月15日閲覧。
  6. ^ 2008 Triumph Bonneville T100”. 2009年2月18日閲覧。
  7. ^ Canet, Don (2016年10月28日). “2017 Triumph Bonneville T100 - FIRST RIDE REVIEW”. Cycle World. 2016年12月10日閲覧。
  8. ^ Collaborations and Projects - Triumph”. 2009年2月21日閲覧。
  9. ^ New Triumph Motorcycles for 2009”. 2009年2月18日閲覧。
  10. ^ Triumph Bonneville SE”. 2009年2月15日閲覧。
  11. ^ Richard Backus (July–August 2009). “2009 Triumph Bonneville SE”. Motorcycle Classics. 2009年8月5日閲覧。
  12. ^ 50th Anniversary Special Edition”. 2009年2月18日閲覧。
  13. ^ Salvadori, Clement (2009年9月15日). “2009 Triumph 50th Anniversary Bonneville – Road Test Review”. Rider Magazine. 2018年1月15日閲覧。

 外部リンク




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