チェスター伯とは? わかりやすく解説

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チェスター伯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 06:07 UTC 版)

チェスター伯爵(チェスターはくしゃく、: Earl of Chester)は、イングランド王国、のちイギリス(連合王国)の伯爵位。

歴史

チェスターイングランド西部の都市である。元々は土着の有力豪族が支配しており、11世紀半ば過ぎに伯爵領として独立した。12世紀には国王をしのぐほどの勢力を誇ったが、1237年に当主のハンティンドン伯英語版ジョン・オブ・スコットランドが子なくして死すと、イングランド王ヘンリー3世領となる。4代オマール伯ウィリアム・ド・フォーツ英語版が一時支配権を主張したが領地替えで納得させ、1254年、エドワード王太子(後のエドワード1世)の所領となる(爵位なし)。1264年第2次バロン戦争でエドワードが他の王族らと共に拘束されると、実権を掌握したシモン・ド・モンフォールがチェスター伯爵となったが、翌年に敗死。爵位も再び空位となった。

エドワード1世は外征を繰り返し行ったが、チェスターはウェールズ侵攻の足掛かりとして重宝された。1301年、王太子エドワード(後のエドワード2世)がウェールズ大公とともにチェスター伯爵となり、爵位が復活する。エドワード2世即位の後、1312年にエドワード王太子(後のエドワード3世)が叙爵されるとこれが慣例化し、以降、イングランド王太子(後に連合王国王太子)はウェールズ大公とチェスター伯爵をセットで名乗るようになる。1398年リチャード2世の命によって一時独立して公国となったが、翌年新国王ヘンリー4世によって伯爵領に戻されている。以降、チェスター伯位は主に王位継承者が保持した。

その叙爵の経緯から、伯爵としては比較的高い権威を持っており、現在もチェスターには常任の紋章官チェスター・ヘラルド・オブ・アームズ英語版)が在任する。

一覧

チェスター伯爵(1071年)

代数 受爵者 画像 受爵期間 備考
1 ヒュー・ダヴランシュ英語版 1071年 - 1101年
2 リチャード・ダヴランシュ英語版 1107年 - 1120年
3 ラヌルフ・ル・メシン英語版 1120年 - 1129年
4 ラヌルフ・ド・ガーノン英語版 1129年 - 1153年
5 ヒュー・ド・ケヴェリオック 1153年 - 1181年
6 ラヌルフ・ド・ブロンドヴィル英語版 1181年 - 1232年
- マティルダ・オブ・チェスター 1232年10月 - 11月 1か月で息子に爵位を譲る。一般的には代数に数えられない
7 ジョン・オブ・スコットランド 1232年 - 1237年

チェスター伯爵(1264年)

代数 受爵者 画像 受爵期間 備考
1 シモン・ド・モンフォール 1264年 - 1265年 1265年剥奪

チェスター伯爵(1301年)

代数 受爵者 画像 受爵期間 備考
1 エドワード・アンジュー 1301年 - 1307年 のちイングランド王エドワード2世。

チェスター伯爵(1312年)

代数 受爵者 画像 受爵期間 備考
1 エドワード・アンジュー 1312年 - 1327年 先代の長男。
のちイングランド王エドワード3世。

エドワード3世が即位した後、チェスター伯爵位を有する人物は全員プリンス・オブ・ウェールズの称号も有する。以降の一覧はプリンス・オブ・ウェールズ#プリンス・オブ・ウェールズ一覧のうちエドワード黒太子およびそれ以降の人物を参照。


「チェスター伯」の例文・使い方・用例・文例

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