ジョン・ウィルバンクスとは? わかりやすく解説

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ジョン・ウィルバンクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 04:03 UTC 版)

ジョン・ウィルバンクス
ウィルバンクス(2009年、カンザスシティ
教育
職業 シニア・フェロー
団体 ユーイング・マリオン・カウフマン財団英語版
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ジョン・ウィルバンクス: John Wilbanks)は、Datasphere Initiativeのシニア・フェローであり、かつてはバイオジェン・デジタルヘルス部門のデータ責任者、セージ・バイオネットワークスの最高コモンズ責任者[1]、およびサイエンス・コモンズのエグゼクティブディレクターを務めていた[要出典]。また、ユーイング・マリオン・カウフマン財団英語版およびFasterCuresのシニア・フェローも務めた。インフォームド・コンセントオープンサイエンス、研究ネットワークに関する活動で知られている。ウィルバンクスは、納税者によって資金提供された研究データの自由なアクセスを支持するWE the PEOPLEを主導し、6万5,000以上の署名を集めた[2]。2013年2月には、ホワイトハウスがこれに応え、納税者によって資金提供された研究データを無償で公開する計画を発表した[3]

サイエンティフィック・アメリカン』誌は2011年にウィルバンクスを「The Machine That Would Predict The Future」という記事で取り上げた[どうやって?][4]。『Seed英語版』誌は2008年にウィルバンクスを「ゲームチェンジャー」として革命的思考家の一人に選出し[5]Utne Reader英語版は2009年に彼を「世界を変える50人のビジョナリー」の一人として取り上げた[6]。ウィルバンクスは、科学におけるオープンアクセス出版の普及[7][8][9]および科学者によるデータ共有の拡大[10][11]を積極的に推進している。

学歴と経歴

ウィルバンクスはテネシー州ノックスビルで育った。チュレーン大学に進学し、1994年に哲学学士号を取得した[12][13]。また、パリ大学で現代文学を学んだ[12]

ウィルバンクス(FreeCulture.org2007年全国大会)

1994年から1997年にかけて、ワシントンD.C.ピート・スターク英語版下院議員の立法補佐官を務めた。この期間中、ウィルバンクスはAPTA英語版の草の根コーディネーターおよび資金調達担当でもあった[13]。また、1998年秋から2000年夏にかけてバークマン・センターの初代アシスタントディレクターを務め、ソフトウェア開発およびeラーニングを指導し、同センターのICANNに関する活動にも関与した[13]

バークマン・センター在籍中に、ウィルバンクスは製薬研究開発向けのセマンティック・グラフ・ネットワークを構築するバイオインフォマティクス企業インセリコ社(Incellico, Inc.)を設立した。同社の社長兼CEOを務め、2003年夏に企業買収へと導いた[13][14]。また、World Wide Web Consortiumにおけるライフサイエンス向けセマンティックウェブのフェロー、マサチューセッツ工科大学における数学と計算に関するプロジェクトの客員科学者[15]PubMed Centralの国家諮問委員会の委員も務めた[13]。さらにセージ・バイオネットワークスの理事会メンバーであり[1][16]、Genomera、Genomic Arts、Boundless Learningの諮問委員も務めている。データ共有に関するパントン原則英語版の原著者の一人でもある。

Consent to Research(CtR)は、人々が自らの健康データを科学研究と医学の進歩のために提供できるプラットフォームを提供するプロジェクトである。健康データは通常制限があり高価であるため、このプロジェクトは医療と患者にとって有益となる情報を無償で提供する機会を提供した[17]。Consent to ResearchはAccess2Researchプロジェクトとも連携しており、納税者資金で作成された科学論文へのインターネット上の自由なアクセスを目指していた[18]。ウィルバンクスはこのプロジェクトを2011年に設立し、2012年にはTED Globalで講演を行った[19]。最終的にこのプロジェクトはセージ・バイオネットワークスおよび企業ガバナンスに関する活動へと引き継がれ、Participant-Centered Consent Toolkitへと移行し、AppleのResearchKitオープンソースツールキットに統合された[20]

サイエンス・コモンズ

ウィルバンクスは、サイエンス・コモンズおよびクリエイティブ・コモンズにおいて2004年10月から2011年9月まで勤務した[14]。サイエンス担当副社長として、サイエンス・コモンズの5年間にわたる活動を指導し、その後はクリエイティブ・コモンズで科学分野の業務に従事した。ウィルバンクスは『ポピュラーサイエンス』誌[21]、KRUU Radio[22]、BioMed Centralによるインタビューでサイエンス・コモンズについて語っている[23]

脚注

  1. ^ a b Sage Bionetworks Seattle | Directors”. 2012年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。
  2. ^ John Wilbanks TED Profile”. 2013年3月12日閲覧。
  3. ^ Mike Masnick (2013年2月). “White House Orders Federal Agencies To Require More Open Access To Not Just Research, But Data”. 2013年3月27日閲覧。
  4. ^ The Machine That Would Predict The Future”. Scientific American. 2011年11月18日閲覧。
  5. ^ John Wilbanks - Science Commons”. Seed Media Group. 2008年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月6日閲覧。
  6. ^ John Wilbanks - Executive Director, Science Commons”. Utne Reader. 2009年10月16日閲覧。
  7. ^ Wilbanks, J. (2006). “Another reason for opening access to research”. BMJ 333 (7582): 1306–1308. doi:10.1136/sbmj.39063.730660.F7. PMC 1761190. PMID 17185718. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1761190/. 
  8. ^ Richard Poynder (2012年5月25日). “Open Access: The People's Petition”. 2012年6月1日閲覧。
  9. ^ Subbaraman, Nidhi (2019-12-20). “Rumours fly about changes to US government open-access policy” (英語). Nature. doi:10.1038/d41586-019-03926-1. PMID 33340013. https://www.nature.com/articles/d41586-019-03926-1. 
  10. ^ Field, D.; Sansone, S. -A.; Collis, A.; Booth, T.; Dukes, P.; Gregurick, S. K.; Kennedy, K.; Kolar, P. et al. (2009). “'Omics Data Sharing”. Science 326 (5950): 234–236. Bibcode2009Sci...326..234F. doi:10.1126/science.1180598. PMC 2770171. PMID 19815759. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2770171/. 
  11. ^ Wilbanks, J. (2011). “Openness as infrastructure”. Journal of Cheminformatics 3 (1): 36. doi:10.1186/1758-2946-3-36. PMC 3197551. PMID 21999327. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3197551/. 
  12. ^ a b Wilbanks Bio”. Max Planck Institute for Gravitational Physics, Potsdam. 2011年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年6月21日閲覧。
  13. ^ a b c d e John Wilbanks”. Berkman Center for Internet and Society (2008年1月9日). 2008年6月18日閲覧。
  14. ^ a b People - Creative Commons”. Creative Commons. 2008年6月18日閲覧。
  15. ^ Project on Mathematics and Computation
  16. ^ Board of Directors” (英語). Sage Bionetworks. 2024年2月1日閲覧。
  17. ^ Access2Research - About Us”. Access2Research. 2012年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月6日閲覧。
  18. ^ TED Blog - Unreasonable people unite: John Wilbanks at TED Global 2012”. TED. 2012年7月6日閲覧。
  19. ^ Apple's new ResearchKit: "Ethics quagmire" or medical research aid?” (2015年3月10日). 2025年4月25日閲覧。
  20. ^ Seiff, Abby (2007年7月19日). “Will John Wilbanks Launch the Next Scientific Revolution?”. Popular Science. 2008年6月18日閲覧。
  21. ^ Raman, Sundar (2007年1月23日). “16 - Open Views - John Wilbanks, Science Commons”. 2008年8月8日閲覧。
  22. ^ Weitzman, Jonathan B. (2004年12月20日). “Science Commons makes sharing easier”. Open Access Now. 2005年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年6月18日閲覧。

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