ハンガリー音階
(ジプシー短音階 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/29 17:26 UTC 版)

ハンガリー音階(ハンガリーおんかい)は、ハンガリーを中心に活動していたロマの音楽に使われた短音階。ジプシー音階やロマ音階、二重和声短音階(ダブルハーモニックマイナースケール)[2]とも呼ばれる。ハンガリーの主要な民族であるマジャル人の民謡の音階とは異なる。増音程を複数取り入れる特徴がある。
通常の短音階は、イ(A)を主音とした場合、
- A-B-C-D-E-F-G-A(自然短音階)
- A-B-C-D-E-F-G#-A(和声短音階)
- A-B-C-D-E-F#-G#-A-G-F-E-D-C-B-A(旋律短音階)
であるが、ハンガリー音階は
- A-B-C-D#-E-F-G#-A
と増二度を2つ取り入れている。
増音程を用いると東洋的な雰囲気が醸し出されるので、民族主義的な作曲家や、実際にはドイツ系であったもののハンガリー人を自認していたリストがしばしば用いている。現代のポピュラー音楽でも「アジアンテイスト」で訴えかけたい楽曲(例:「恋のダンスサイト」)に頻繁に登場する。
脚注
- ^ Kahan, Sylvia (2009). In Search of New Scales, p. 39. ISBN 978-1-58046-305-8. Cites Liszt. Des Bohémians, p. 301.
- ^ Podolsky, Joshua Craig (2010). Advanced Lead Guitar Concepts, p. 111. ISBN 978-0-7866-8236-2. Also "Gypsy scale".
ハンガリー音階と同じ種類の言葉
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