シャハブ6_(ミサイル)とは? わかりやすく解説

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シャハブ6 (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/16 00:45 UTC 版)

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シャハブ6とは、保持ないし開発している疑惑があるイランの長距離弾道ミサイルである。

概要

1997年に当時のイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフによって初めて報告された。しかし、2008年現在、シャハブ6が試射されたという報告は無い。

イスラエル情報部によると、射程は約3000~5000kmであるとのことである。

また、いくつかの情報では、開発が完了するならば最大で約10000kmの射程を持つ事になるという。これは、アメリカ合衆国の東海岸一帯、ならびにヨーロッパ全域を射程内に収めることになる。

未確認情報では、シャハブ6はロシアの援助によって、ロシアのエネゴマシュ(Energomash)社のRD-216エンジンを搭載するという。

1999年7月16日のワシントンタイムズ紙によってもたらされた情報によればイランのKosarミサイルは北朝鮮テポドン2のブースターの使用が推定される。新型のミサイルはロシアの航空宇宙技術の支援を受けて開発が進行中であると言われ[1]、エンジンはロシア製の常温での貯蔵が可能な推進剤を使用するRD-216を束ねて1段目に搭載するとされる。RD-216はエネゴマシュ製で元は冷戦期に開発されたSkean/SS-5/R-14英語版、IRBM、Saddler/SS-7/R-16、ICBM とSasin/R-26英語版 ICBMに使用され、現在でもコスモス1//SL-8で使用される。イランはSS-4英語版戦域弾道ミサイルRD-214SS-5英語版中距離弾道ミサイルRD-216の技術を導入したと推定される[1]

ロシアから移転されたエンジンの技術はイランの工業水準ではそのまま量産化する事は困難であったと推定され、現地の事情に合わせて改良された可能性がある。このエンジン技術はシャハブ5とシャハブ6のみに適用可能であると推定され、シャハブ5とシャハブ6の開発には北朝鮮が関与している可能性も指摘されている[1]

シャハブ5ブースターの性能を高めてシャハブ6に適合するためにはテポドン2の上段を再設計する必要があると推定される。それぞれの段の全長と直径の設計の縦横比と上段の質量分率で上段の総構造重量は最小化される。現在運用中のシャハブ5よりも強力な常温での貯蔵が可能なエンジンも同様に開発されると推定される[1]

当時、シャハブ6はシャハブ5よりも優れた質量分率と縦横比のために設計段階で上段は短縮され直径が増す。2段目はおそらく1段目と同じと推定された[1]

2000年2月9日にワシントンタイムズ紙は1999年11月21日に平壌国際空港からイラン航空のボーイング747貨物機でノドンMRBMに使用される形式と同形式のエンジンが運ばれたとする。この記事では他にも派生型の可能性に関しても言及していた[1]

開発

初期のイランのミサイルと同様にシャハブ6もロシアのミサイル技術と同様に北朝鮮の技術も取り入れていると見られる。2007年時点においてシャハブ6が製造又は試験されたという報告はない。その為、ネタニャフによる国際的なプロパガンダであるとの見方もある。

能力

推定によるとシャハブ6の性能は次のようなものである。シャハブ5は北朝鮮のテポドン2号を元にしておりその仕様はテポドン2号を凌駕する。イスラエルの情報機関によるとシャハブ5とシャハブ6の射程は3,000–5,000kmであると見られる[2][3]。複数の報告によるとシャハブ6の最大射程は10000kmでアメリカの東海岸をヨーロッパやアジアやアフリカ同様に射程内に収める[4]。3段式のロケットで貯蔵された推進剤による液体燃料による1段目と2段目と固体燃料ロケットの3段目で構成される。ロシアからのエネゴマシュ製のRD-216エンジンの技術が使用される可能性がある[4]

派生機種

シャハブは1988年から現在まで運用されるイランのミサイルの分類名でシャハブ1から6まで6機種ある。

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d e f Shahab-6
  2. ^ Cordesman, Kleiber, p. 151
  3. ^ Cordesman, Al-Rodhan, p. 401
  4. ^ a b Cordesman, Al-Rodhan, p. 400

出典

  • Cordesman, Anthony H.; Kleiber, Martin (2007). Iran's Military Forces and Warfighting Capabilities: The Threat in the Northern Gulf. Greenwood. ISBN 9780313346125. 
  • Cordesman, Anthony H.; Al-Rodhan, Khalid R. (2007). Gulf Military Forces in an Era of Asymmetric Wars. Greenwood. ISBN 9780275992507. 
  • Seiff, Martin (1 Oct.1998). Iran's long range missile plans worry Netanyahu. The Washington Times. pp. A13. 
  • Timmerman, Kenneth (16, July 1999). Iran's deadly missile potential. The Washington Times. pp. A15. 
  • Gertz, Bill (9, Feb. 2000). N. Korea sells Iran missile engines. The Washington Times. pp. A1. 

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