ザ・ワースト・オヴ・ジェファーソン・エアプレイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/20 10:16 UTC 版)
『ザ・ワースト・オヴ・ジェファーソン・エアプレイン』 | ||||
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ジェファーソン・エアプレイン の コンピレーション・アルバム | ||||
リリース | ||||
時間 | ||||
レーベル | RCAレコード | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
AllMusic Rating ![]() | ||||
ジェファーソン・エアプレイン アルバム 年表 | ||||
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『ザ・ワースト・オヴ・ジェファーソン・エアプレイン』(The Worst of Jefferson Airplane) は、アメリカ合衆国のロック・バンドのジェファーソン・エアプレインが1970年に発表した初の編集アルバムである[1]。
解説
経緯
1969年11月、通算6作目のアルバム『ボランティアーズ』が発表された。1970年にはスペンサー・ドライデンの追放[2]、ポール・カントナーとグレイス・スリックのプラネット・アース・ロック・アンド・ロール・オーケストラ[3][注釈 1]の活動、ヨーマ・カウコネンとジャック・キャサディのホット・ツナの活動、マーティ・バリンの一時的な離脱[4][注釈 2]などが相次ぎ、新作アルバムの製作の見通しは立たなかった。
前作の発表から一年近くが過ぎた頃、RCAレコードは編集アルバムの発売を決定した。彼等がそれまでに発表した5作のスタジオ・アルバムと1作のライヴ・アルバムから、最も出来が良くて興味深い曲が選ばれた[注釈 3]。この最高の選曲集を、カントナーは逆説的に「最悪」と呼んだ[1]。
内容
全15曲の内訳は以下の通り。
- 『テイクス・オフ』(1966年)から2曲
- 『シュールリアリスティック・ピロー』(1967年)から4曲
- 『アフター・ベイジング・アット・バクスターズ』(1967年)から2曲
- 『創造の極致』(1968年)から3曲
- 『フィルモアのジェファーソン・エアプレイン』(1969年)から1曲
- 『ボランティアーズ』(1969年)から3曲
この『最悪の作品集』は同年11月に発売され、アルバムチャートで最高位12位に達して、百万枚を売り上げた[1]。
収録曲
オリジナルLP
CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | 収録アルバム | 時間 |
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1. | 「イッツ・ノー・シークレット It's No Secret」 | Marty Balin | 『テイクス・オフ』(1966年) | |
2. | 「エアプレインのブルース Blues from an Airplane」 | Balin, Skip Spence | 『テイクス・オフ』(1966年) | |
3. | 「あなただけを Somebody to Love」 | Darby Slick | 『シュールリアリスティック・ピロー』(1967年) | |
4. | 「トゥデイ Today」 | Balin, Paul Kantner | 『シュールリアリスティック・ピロー』(1967年) | |
5. | 「ホワイト・ラビット White Rabbit」 | Grace Slick | 『シュールリアリスティック・ピロー』(1967年) | |
6. | 「旅する前に Embryonic Journey」 | Jorma Kaukonen | 『シュールリアリスティック・ピロー』(1967年) | |
7. | 「マーサ Martha」 | Kantner | 『アフター・ベイジング・アット・バクスターズ』(1967年) | |
8. | 「サイケデリック・プーネイル The Ballad of You & Me & Pooneil」 | Kantner | 『アフター・ベイジング・アット・バクスターズ』(1967年) | |
9. | 「創造の極致 Crown of Creation」 | Kantner | 『創造の極致』(1968年) | |
10. | 「忠臣蔵 Chushingura」 | Spencer Dryden | 『創造の極致』(1968年) | |
11. | 「ラザー Lather」 | G. Slick | 『創造の極致』(1968年) | |
12. | 「プラスティック・ファンタスティック・ラヴァー Plastic Fantastic Lover」 | Balin | 『フィルモアのジェファーソン・エアプレイン』(1969年) | |
13. | 「グッド・シェパード Good Shepherd」 | traditional, arranged by Kaukonen | 『ボランティアーズ』(1969年) | |
14. | 「ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー We Can Be Together」 | Kantner | 『ボランティアーズ』(1969年) | |
15. | 「ボランティアーズ Volunteers」 | Balin, Kantner | 『ボランティアーズ』(1969年) | |
合計時間: |
参加ミュージシャン
- シグニー・トリー・アンダーソン Signe Toly Anderson – ヴォーカル(『テイクス・オフ』収録曲)
- アレックス・スキップ・スペンス Alex "Skip" Spence – ドラムス、パーカッション(『テイクス・オフ』収録曲)
- マーティ・バリン Marty Balin – ヴォーカル
- ジャック・キャサディ Jack Casady – ベース
- ポール・カントナー Paul Kantner – ヴォーカル、ギター
- ヨーマ・カウコネン Jorma Kaukonen – リード・ギター、ヴォーカル
- グレイス・スリック Grace Slick – ヴォーカル、ピアノ(『テイクス・オフ』収録曲を除く)
- スペンサー・ドライデン Spencer Dryden – ドラムス、パーカッション(『テイクス・オフ』収録曲を除く)
- ゲイリー・ブラックマン Gary Blackman – nose(「ラザー」)
- Gene Twombly – サウンド・エフェクト(「ラザー」)
- ニッキー・ホプキンス Nicky Hopkins – ピアノ(「ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー」「ボランティアーズ」)
脚注
注釈
- ^ デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュ、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアといった西海岸の有名なミュージシャンが参加した。
- ^ かつては自分が中心だったバンドの現状に対する不満と、10月のジャニス・ジョプリンの訃報に対する衝撃による。
- ^ 選曲はメンバー、マネージャーのビル・トンプソン、エンジニアのMaurice(Pat Ieraci)による。
出典
- ^ a b c Tamarkin (2024), p. 234.
- ^ Tamarkin (2024), p. 216.
- ^ Tamarkin (2024), pp. 231–234.
- ^ Tamarkin (2024), pp. 226-227、236.
引用文献
- Tamarkin, Jeff (2024). Got a Revolution!: The Turbulent Flight of Jefferson Airplane. Atria Books. ASIN B00AK80EKI
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