ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/10 04:06 UTC 版)
「ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー」 | ||||||||
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ジェファーソン・エアプレイン の シングル | ||||||||
初出アルバム『ボランティアーズ』 | ||||||||
A面 | ボランティアーズ | |||||||
B面 | ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチ・シングル | |||||||
録音 | サンフランシスコ、ウォーリー・ハイダー・スタジオ(1969年4月) | |||||||
ジャンル | ロック | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | RCAビクター | |||||||
作詞・作曲 | ポール・カントナー | |||||||
プロデュース | アル・シュミット | |||||||
ジェファーソン・エアプレイン シングル 年表 | ||||||||
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「ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー」(We Can Be Together)は、、アメリカのロック・バンドであるジェファーソン・エアプレインが1969年に発表した楽曲[2]。
概要
1966年、ベトナム戦争反対を訴える画家や詩人がニューヨークで抗議団体「Black Mask」を結成した。1968年、詩人のアミリ・バラカが『ニューヨーク・タイムズ』に「Black People!」という詩を発表。「Black Mask」は、バラカの詩の言葉「The magic words are: Up against the wall, mother fucker, this is a stick up!」からとって「Up Against the Wall Motherfucker」に団体名を変更するとともに地下に潜り[3]、より過激なアナーキスト集団となった。
「ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー」はメンバーのポール・カントナーによって書かれた。彼は詞のいくつかの部分で「Up Against the Wall Motherfucker」のサンド・ストームが作成したリーフレット[注釈 1]の言葉を借用して[4]、強いメッセージを歌に込めた。
生き残るために僕らは盗み、だまし、嘘をつき、偽造し、ファックし、隠れ、取り引きもする/僕らは卑猥で、無法で、醜く、危険で、汚く、暴力的でおまけに若く――しかしそれでも僕らはいっしょにならなくちゃいけない。
1969年4月、ジェファーソン・エアプレインはサンフランシスコのウォーリー・ハイダー・スタジオでアル・シュミットをプロデューサーに起用してアルバム『ボランティアーズ』のレコーディングを行った。本作品のピアノはニッキー・ホプキンスが弾いた。
同年8月18日午前、ウッドストック・フェスティバルはジミ・ヘンドリックスの演奏で幕を閉じた[5]。同日午後、ジェファーソン・エアプレインとデヴィッド・クロスビーとスティーヴン・スティルスはコンサート会場から直接、ABCのトーク番組『The Dick Cavett Show』のスタジオを訪れ[注釈 2]、ウッドストックには行かなかったジョニ・ミッチェルと合流した。ヘンドリックスも番組に出演する予定だったが、疲れ切って寝過ごして出演できなかった。グループは当時未発表だった「ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー」を演奏し、「Up against the wall, motherfucker / Tear down the walls」と歌った。翌19日に番組は放映され、この日は禁忌語"motherfucker"が初めてアメリカの全国放送で流れた日となった[6][7]。「あなただけを」ではクロスビーと共演した[注釈 3]。
同曲は同年10月にアルバムに先駆けたシングル『ボランティアーズ』のB面収録曲として発表され、11月発売のアルバム『ボランティアーズ』にも収録された。なおA面収録曲の「ボランティアーズ」は12月20日付のビルボード・Hot 100で65位を記録した[8]。
2007年10月発売のライブ・アルバム『At the Family Dog Ballroom』にライブ・バージョンが収録された。収録日は1969年9月9日。
参加ミュージシャン
- グレイス・スリック(Grace Slick) – ボーカル
- ポール・カントナー(Paul Kantner) – リズム・ギター、ボーカル
- ヨーマ・コーコネン(Jorma Kaukonen) – リード・ギター
- ジャック・キャサディ(Jack Casady) – ベース
- スペンサー・ドライデン(Spencer Dryden) – ドラムス、パーカッション
- マーティ・バリン(Marty Balin) – ボーカル
- ニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins) – ピアノ
脚注
注釈
- ^ ニューヨークの地下新聞『East Village Other』に「The Outlaw Page」というタイトルでも掲載された。
- ^ ジェファーソン・エアプレインはホプキンスを伴って17日の朝、クロスビーとスティルスはクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのメンバーとして18日の早朝に出演した。
- ^ クロスビーとスティルスは『ボランティアーズ』のレコーディングに参加している。
出典
- ^ a b 45cat - Jefferson Airplane - Volunteers / We Can Be Together - RCA Victor - USA - 74-0245
- ^ Tamarkin (2024), pp. 193–195.
- ^ Perstein, Ron. Nixonland (2008) P. 238.
- ^ Lee Tusman (ed.), Really Free Culture: Anarchist Movements, Radical Movements and Public Practices, p.166.
- ^ “Jimi Hendrix: 50 Years of Peace & Music”. bethelwoodscenter.org. 2024年9月1日閲覧。
- ^ We Can Be Together by Jefferson Airplane Songfacts
- ^ Tamarkin (2024), pp. 206–207.
- ^ Music: Top 100 Songs | Billboard Hot 100 Chart | THE WEEK OF DECEMBER 20, 1969
引用文献
- Tamarkin, Jeff (2024). Got a Revolution!: The Turbulent Flight of Jefferson Airplane. Atria Books. ASIN B00AK80EKI
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