サキソフォビア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/22 07:10 UTC 版)
![]() |
サキソフォビア(Saxophobia)は、1998年に結成された日本のジャズサクソフォーン四重奏グループ。
概要
通常、ジャズのグループに於いてサクソフォーンなど管楽器を含む構成はドラム・ウッドベースまたはピアノをリズムの基盤とした重奏(デュオ~クインテット等)だが、同族の楽器のみで重奏を行うグループはクラシックや室内楽、吹奏楽を基調とするものは多いものの、ジャズシーンにおいてはほぼ皆無といっていいほど存在しなかった。サキソフォビアはこの点に着目し、サクソフォーンのみでのジャズアンサンブル(リズムをドラムに頼らない、コードやベースラインを他の楽器に頼らない)へのアプローチを試みる為に、井上Jujuヒロシがリーダーとなり結成された。メンバーとなる4人はそれぞれがリーダーを務めるほどの一線級のメンバーで、個々が強い個性を持ち、アレンジはメンバー個々の個性を念頭になされている。またフルート・篠笛・クラリネットに持ち替えてサクソフォーン以外の音色を用いたアレンジにも挑戦している。そのような個性や特殊なアレンジを手掛けている為、誰かの代役を立てること、即ちメンバーチェンジが不可能になっているという。演奏曲目はジャズのスタンダード・ナンバーやオリジナル曲にとどまらずポップス・民謡など多種多様である。オリジナル曲の中には、個々がリーダーとして発表した別グループの曲の中からサキソフォビア用にアレンジしたものもある[1]。
メンバー
- 緑川英徳(みどりかわひでのり):アルト・サクソフォーン、ソプラノ・サクソフォーン
- 吉本章絋(よしもとあきひろ): テナー・サキソフォーン、フルート、クラリネット
- 岡淳(おかまこと):テナー・サクソフォーン、篠笛、アルト・フルート、フルート
- 井上Jujuヒロシ(いのうえ"ジュジュ"ひろし):リーダー。バリトン・サクソフォーン、ソプラノ・サクソフォーン、フルート
過去に在籍していたメンバー
- (1998~2020)竹内直(たけうちなお):テナー・サクソフォーン、バス・クラリネット、フルート
ディスコグラフィー
- FANCYMEN IN THE DARKNESS - ファースト・アルバム。インディーズ版(2000年1月)
- シェルブールの雨傘 - セカンド・アルバム。レーベル:ボンバレコード/SAIDERA RECORDS(2003年4月)
- Jazz Standards for Sax Quartet(Vol.1) - 日本国内初のジャズサックス・カルテット用スコア・ブック&CD。楽譜はフルスコアと各パートが付属し、付属CDのアドリブの殆どが採譜されているので、アドリブが苦手な人でも演奏できるようになっている。またCDのみでも楽しめるように1曲採譜の無いオリジナル曲を入れるなど、演奏できなくても蒐集アイテムとすることができる。インタビュー記事も掲載。ちなみに「なるべく新しい版を使って欲しい」とのこと。出版:アルソ出版(2007年7月)
- A Night at SOMETIME - ライブを収録したアルバム。レーベル:What’s New Records(2008年4月)
- Jazz Standards for Sax Quartet vol.2 - ジャズ・サックス・カルテット用スコア・ブック&CD第2弾。通称Vol.1に続き、スタンダード・ナンバーを取り揃えている。出版:アルソ出版(2008年11月)
- 雨ふりシンフォニー - ジャケットに絵本画家のささめやゆきを起用した、子供向けの歌をアレンジした3曲入りアルバム。「ワンコインCD」と銘打って、500円で販売している。レーベル:SONG RECORDS(2008年12月)
- 世界中のこどもたちが - SAXOPHOBIA&Dream Kids名義。サキソフォビアが岩手県一関市千厩町に赴き、岩手在住の子供達(ドリームキッズ)と競演したアルバム。レーベル:MOCK HILL RECORDS(2010年2月)
- パレード ー サキソフォビア&ドリームキッズの第二弾。レーベル:MOCK HILL RECORDS(2013年6月)
- 4 ー フルアルバムとして4作目。レーベル:MOCK HILL RECORDS(2014年10月)
- Nocturne ー サキソフォビア結成20周年記念アルバム。レーベル:SONG X JAZZ(2018年11月)
脚注
- ^ a b c “SAXOPHOBIA オフィシャルサイト”. サキソフォビア. 2024年8月19日閲覧。
外部リンク
固有名詞の分類
- サキソフォビアのページへのリンク