ケーニヒの定理の証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:48 UTC 版)
「ケーニヒの定理 (集合論)」の記事における「ケーニヒの定理の証明」の解説
ZFC公理系を仮定して証明する。 ∀ i ∈ I A i < B i {\displaystyle \forall i\in I\quad A_{i}<B_{i}} が与えられたとして ∑ i ∈ I A i < ∏ i ∈ I B i {\displaystyle \sum _{i\in I}A_{i}<\prod _{i\in I}B_{i}} を示す。 最初に、和から積への単射があることを証明する。選択公理により、全ての i について Ai から Bi への単射 fi を選ぶ。ここで、 fi は全射にはならない。なので、各 i に対して fi の値域の外にある Bi の要素が存在する。それらを xi として、選択公理を再度用いて取り出す。和の上の関数 g をj = i で a が Ai の要素なら g ( i,a ) ( j ) = fi ( a )かつj ≠ i で a が Ai の要素なら g ( i,a ) ( j ) = xj とすることによって定義する。各 i に対して fi(a) ≠ xi であるので、 g は和から積への単射である。 次に、和から積への関数 f が全射ではないことを示す。関数 f に対し、カントールの対角線論法と同様の議論によって f の値になりえない積の要素 e を構成する。I の各要素 i に対し、Ai から Bi への関数 fi をfi ( a ) = (f ( a )) ( i ) で定義する。仮定により fi は Ai から Bi への全射ではないので、I の各要素 i に対して、Bi の要素で fi の像に入らないものがある。選択公理により、B の要素 e であって e ( i ) が fi の値にならないものが存在する。もし f が全射ならば、ある Ai と Ai の要素 c があり f ( c ) = e を満たす。しかし、fi ( c ) = e ( i ) となるので、これは e ( i ) の取り方に矛盾する。よって f は全射ではない。よって、積の濃度は和の濃度より真に大きい。
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