グラディウス (武器)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 00:08 UTC 版)
グラディウス(ラテン語: gladius)は、刀剣の一種。古代ローマ時代の軍団兵(ローマ軍団)や剣闘士によって用いられた。刃渡りは50cmほどで、柄まで入れて70cmほどと剣としては短い。刀身は肉厚・幅広の両刃で、先端は鋭角に尖っている。形状としては一般的な剣より幅広な形をしている。材質には、銑鉄と軟鉄が交ざった状態の合金鉄材を使用し、両方の優れた特性を得て、それ以前の同サイズの鉄剣と比べ破損しにくく切れ味が向上した。帝政ローマ後期には再び長剣に回帰し、もともと騎兵用の斬撃主体の剣であった「スパタ(spatha)」「セミスパタ(semispatha)」がローマ軍歩兵の主力となった。日本語では「グラディウスの剣」とも表記されるが、後述の通り重言である。
- ^ 『共和政ローマの軍隊200BC - 104BC 地中海の覇者』新紀元社 11頁 「この剣は攻撃的な武器として優れており、刃身は非常に強度が高く、両刃の部分はよく切れた(ポリュビオス)。スペイン式の剣はマケドニア人にすさまじい衝撃を与えた。リウィウスは、第2次マケドニア戦争の初期の小競り合いで、スペイン式の剣が死体にどれほどの傷を負わせたかをマケドニア軍が見たときに、彼らを襲った戦意喪失について記している。多くの場合、剣は四肢を切り離し、死体の首をはねた。」
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