クロンメリン彗星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/11 09:54 UTC 版)
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発見 | |
発見者 | ジャン=ルイ・ポン |
発見日 | 1984年3月1日 |
符号・別名 | 1818 D1, 1873 V1, 1928 W1, 1956 S1 |
軌道要素 - IAUNASA | |
元期 1984年3月1日
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離心率 (e) | 0.919 |
近日点距離 (q) | 0.735 AU |
軌道長半径 (a) | 9.09 AU |
遠日点距離 (Q) | - |
公転周期 (P) | 27.4 年 |
軌道傾斜角 (i) | 29.1° |
近日点引数 (ω) | -° |
昇交点黄経 (Ω) | -° |
前回近日点通過 | 1984年2月20日[1][2] |
次回近日点通過 | 2011年8月3日[1][2] |
クロンメリン彗星(27P/Crommelin)は太陽系の周期彗星である。1930年に軌道を計算したイギリスの天文学者アンドリュー・クロンメリンの名前にちなんで名付けられた。ハレー彗星、エンケ彗星、レクセル彗星とともに、わずか4つしかない発見者以外の名前が付いた彗星の1つである。当初は回帰ごとにポン彗星、コッジャ・ヴィネッケ彗星、フォーブズ彗星と名づけられ、それらがクロメリンにより同一とされた直後はポン・コッジャ・ヴィネッケ・フォーブズ彗星と呼ばれていた。
1818年2月23日にマルセイユのジャン=ルイ・ポンによって最初に観測され、悪天候によって中止される2月27日まで継続して観測が続けられた。ヨハン・フランツ・エンケは軌道の計算を試みたが、算出された値には大きな誤差があった[3]。
1872年、ジョン・ハインドは大まかな軌道を計算し、ビエラ彗星の軌道と近いことを発見した。これに基づき、エトムント・ヴァイスは後に、この彗星はビエラ彗星の一部(1806年と1826年の間の未発見だった回帰)であると推定した[3]。
次の観測は、1873年11月10日にマルセイユのジェローム・E・コッジャ、11月11日にストラスブールのフリードリヒ・ヴィネッケによるものだったが、11月16日には再び見失われた。
ヴァイスはこれが1818年のポン彗星の再帰と考えたが、軌道を1つに決定することができなかった。1874年には周期6.98年(8周)か55.82年(1周)、1876年には周期6.20年(9周)か18.61年(3周)か55.82年、最終的に1885年には周期7年か9.3年(6周)か55.8年とした。また、9.3年の場合は1808年9月のポン彗星も同一とした[3][4]。一方1886年、レオポルド・シュルホフは周期6.20年か55.82年を主張した[3]。
3度目の発見は、1928年11月19日にケープタウンのアレクサンダー・フォーブズによって行われ、11月21日にユニオン天文台のハリー・エドウィン・ウッドによって確認された。ただし、フランスのフラマリオン天文台のFerdinand Quénissetが10月25日に撮影した写真に写っていたのが見つかり、軌道計算には用いられた。日本の水沢緯度観測所の山崎正光も1928年10月27日(時差により10月26日とも)に観測していたが、月と雲により11月10まで観測できない間に、見失われた。名前はつかなかったが、彼のスケッチが後のクロンメリンによる軌道確定の決め手の一つとなった。
正確な軌道が求まる前に、クロンメリンは、ポン彗星、コッジャ・ヴィネッケ彗星、フォーブズ彗星の軌道の類似を指摘したが、公転周期についてはまだ、55年かその整数分の1とするに留まった。しかし1930年には、1928年10月25日から12月16日までの観測データを元に27.90年の公転周期を決定し、3つの彗星が同一であることを確定させた。この彗星はしばらくポン・コッジャ・ヴィネッケ・フォーブズ彗星と呼ばれていた(ボン・コッジア彗星とする当時の日本語文献もある[5])が、クロンメリンの死後の1948年[6][7][8](1956年[9]とも)、国際天文学連合によりクロンメリン彗星と改名された。
その後、1956年、1984年、2011年に回帰した。2011年の回帰は太陽に近いために観測が困難であった。
出典
- ^ a b Seiichi Yoshida (2006年7月22日). “27P/Crommelin”. Seiichi Yoshida's Comet Catalog. 2010年2月25日閲覧。
- ^ a b Syuichi Nakano (2008年5月5日). “27P/Crommelin (NK 1607)”. OAA Computing and Minor Planet Sections. 2010年2月25日閲覧。
- ^ a b c d GARY W. KRONK'S COMETOGRAPHY 27P/Crommelin
- ^ 上記出典には、55.8年の場合はC/1457 A1と同一としたともあるが、年数が合わない
- ^ ぱずるすた - 積み星置き場 38P/Stephan-Oterma ステファン・オテルマ彗星
- ^ Raymond Arthur Lyttleton "The Comets and Their Origin" p.26
- ^ Philip's Garland Publishing. Inc "Astronomy Encyclopedia" p.107
- ^ COMETS 481-490
- ^ Andrew Claude Delacherois Crommelin (1865 - 1939): Astronomer
外部リンク
- 27P at Kronk's Cometography
- 27P at Kazuo Kinoshita's Comets
- 27P at Seiichi Yoshida's Comet Catalog
- 我が国はじめての彗星発見者
- 帰ってきたクロムメリン彗星(写真あり) - 関勉HP
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