キリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > キリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン)の意味・解説 

キリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 09:04 UTC 版)

『キリストの磔刑』
ドイツ語: Klage unter dem Kreuz
英語: The Crucifixion
作者 ルーカス・クラナッハ (父)
製作年 1503年
種類 マツ板上に油彩
寸法 138 cm × 99.3 cm (54 in × 39.1 in)
所蔵 アルテ・ピナコテークミュンヘン

キリストの磔刑』(キリストのたっけい、: The Crucifixion)、または『キリストの哀悼』(きりすとのあいとう、: Klage unter dem Kreuz: The Lamentation of Christ)は、ドイツルネサンスの画家ルーカス・クラナッハ (父) が1503年にマツ板の上に油彩で制作した絵画である。画面下部中央の木の切り株脇に白い紙に黒色の絵具で描かれた「1503」の年記が見えるが、本来の絵画は切り詰められている[1]。来歴は不明で、1804年にドイツ南部の修道院から移されて以来[1][2]ミュンヘンアルテ・ピナコテークに所蔵されている[1][2][3]

作品

絵画は、『新約聖書』中の「マタイによる福音書」(27:33-56) 、「マルコによる福音書」(15:22-41) 、「ルカによる福音書」(23:33-49) 、「ヨハネによる福音書」(19:18-30) に記述されている「キリストの磔刑」を主題としている[4]

この磔刑像は通常のように中央にイエス・キリスト十字架を配置せず、図像を回転させたかのようにキリストの十字架を右側に、盗賊たちの十字架を左側に配置している。聖母マリア福音書記者聖ヨハネはそれらの十字架の間に描かれ、聖母はキリストを見上げている[1]。このように以前には類を見ない構図[3]を採用することにより、聖母に焦点が当てられ、息子であるキリストの苦難を見る彼女の悲嘆が表されている[2]。キリストの十字架の下には、山と湖、そして城のある風景が見える。空には暗雲が垂れ込めている[1]

技法的に、左側の盗賊に用いられている前面短縮法は見事なものである。また、キリストが纏う大きな腰布は装飾品のように描かれている[2]

脚注

  1. ^ a b c d e The Lamentation of Christ”. Cranach Digital Archiveサイト (英語). 2024年4月30日閲覧。
  2. ^ a b c d Klage unter dem Kreuz”. アルテ・ピナコテーク公式サイト (英語). 2024年4月30日閲覧。
  3. ^ a b C.H.Beck 2002年、36頁。
  4. ^ 『名画で読み解く「聖書」』 2013年、174-175頁。

参考文献

  • C.H.Beck『アルテ・ピナコテーク ミュンヘン』、Scala Pulblishers、2002年刊行 ISBN 978-3-406-47456-9
  • 大島力『名画で読み解く「聖書」』、世界文化社、2013年刊行 ISBN 978-4-418-13223-2

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  キリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「キリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン)」の関連用語

1
92% |||||

キリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキリストの磔刑 (クラナッハ、ミュンヘン) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS