オーヴァー・ザ・トップ (コージー・パウエルのアルバム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/02 05:33 UTC 版)
『オーヴァー・ザ・トップ』 | ||||
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コージー・パウエル の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | セントラル・サウンド(#2を除く全曲)、ザ・タウン・ハウス[1] | |||
ジャンル | ハードロック、インストゥルメンタル | |||
時間 | ||||
レーベル | ポリドール・レコード | |||
プロデュース | マーティン・バーチ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
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チャート最高順位 | ||||
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コージー・パウエル アルバム 年表 | ||||
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『オーヴァー・ザ・トップ』(Over the Top)は、イギリスのドラマー、コージー・パウエルが1979年に発表した、ソロ名義では初のスタジオ・アルバム。
背景
パウエルがレインボー在籍時に発表したアルバムで、当時レインボーの新メンバーとして加入したドン・エイリーも参加した[4]。また、参加メンバーのうちマックス・ミドルトンは、以前パウエルと共にジェフ・ベック・グループで活動し、クレム・クレムソンは1975年にパウエルと共に「ストレンジ・ブリュー」というバンドで活動していた[4]。
「ザ・ローナー(ジェフ・ベックに捧ぐ)」は、元々はミドルトンがジェフ・ベックに提供するつもりで作った曲だが、ベックによる演奏は残されておらず、ミドルトンは2023年のインタビューで曲名に関して「深い意味はない。メロディを元に付けたタイトルで、別にベックが一匹狼だと思っていたわけじゃないよ!」と語っている[5]。タイトル曲はピョートル・チャイコフスキーの『序曲1812年』の翻案で、パウエルは以前より、ライヴにおいてこの曲を流しながらドラム・ソロを演奏していた[6]。
1980年1月8日にBBCで放映された番組『The Old Grey Whistle Test』では、収録曲「キラー」のスタジオ・ライヴ映像が公開されたが、この時は、スタジオ・ヴァージョンに参加したゲイリー・ムーアではなくクレムソンがギターを弾いた[7]。一方、本作ではクレムソンが「ザ・ローナー(ジェフ・ベックに捧ぐ)」のギターを担当したが[1]、ムーアはアルバム『ワイルド・フロンティア』(1987年)において、自身のアレンジを施したカヴァーを発表している[8]。
2017年発売のボックス・セット『ザ・ポリドール・イヤーズ』のディスク1には、本作の全編に加えて、タイトル曲および「ザ・ローナー(ジェフ・ベックに捧ぐ)」のシングル・ヴァージョン、「ハイディ・ゴーズ・トゥ・タウン」、「スウィート・ポイズン」、「ザ・ローナー(ジェフ・ベックに捧ぐ)」の未発表テイクがボーナス・トラックとして収録された[9]。
反響・評価
先行シングル「コズミック・ハイウェイ」は全英シングルチャートで62位に達し、本作は全英アルバムチャートで3週トップ100入りして、最高34位を記録した[3]。ジェフ・バートンは2017年、loudersound.comにおいて本作に10点満点中4点を付け「ここでのパウエルは明らかに、彼本来のパワーよりも、演奏スタイルの幅広さを誇示しようとしている」と評している[2]。
収録曲
全曲ともインストゥルメンタル。
- コズミック・ハイウェイ "Theme One" (George Martin) – 3:36
- キラー "Killer" (Don Airey) – 7:16
- ハイディ・ゴーズ・トゥ・タウン "Heidi Goes to Town" (Cozy Powell, D. Airey) – 2:59
- エル・シッド "El Sid" (Bernie Marsden) – 5:09
- スウィート・ポイズン "Sweet Poison" (Max Middleton) – 6:26
- ザ・ローナー(ジェフ・ベックに捧ぐ) "The Loner" (M. Middleton) – 4:52
- オーヴァー・ザ・トップ "Over the Top" (C. Powell, D. Airey) – 8:38
参加ミュージシャン
- コージー・パウエル - ドラムス、パーカッション
- バーニー・マースデン - ギター(on #1, #4)
- ゲイリー・ムーア - ギター(on #2)
- クレム・クレムソン - ギター(on #5, #6)
- ドン・エイリー - シンセサイザー(#6を除く全曲)、ピアノ(on #1, #4, #7)
- マックス・ミドルトン - ピアノ(on #5)、ローズ・ピアノ(on #5, #6)、モーグ・シンセサイザー(on #6)
- ジャック・ブルース - ベース
脚注
- ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b Barton, Geoff (2017年11月4日). “Cozy Powell - The Polydor Years album review”. loudersound.com. Future plc. 2025年2月2日閲覧。
- ^ a b COZY POWELL songs and albums | full Official Chart history
- ^ a b 日本初回盤LP (MPF 1249)、1996年再発CD (POCP-9066)共通ライナーノーツ(山田道成、1979年6月18日)
- ^ Cole, George (2023年8月24日). “Max Middleton: Jazz, Jeff and more”. Jazz Views. 2025年2月2日閲覧。
- ^ “あの名ドラマーでお馴染みの名曲が焼きそばのCMに?”. CDJournal. 音楽出版社 (2007年2月23日). 2025年2月2日閲覧。
- ^ “コージー・パウエルがジャック・ブルース、クレム・クレムソン、ドン・エイリーらと "Killer" を演奏した1980年のスタジオ・ライヴ映像が公開!”. BURRN! Online. シンコーミュージック・エンタテイメント (2024年3月19日). 2025年2月2日閲覧。
- ^ Wallner, Will (2014年12月2日). “Bent Out of Shape: Paying Tribute to Gary Moore - "The Loner"”. Guitar World. Future plc. 2025年2月2日閲覧。
- ^ “コージー・パウエルの初期ソロ・アルバム3作を収めた3CDリマスター・ボックスセット『The Polydor Years』が発売”. amass.jp (2017年6月27日). 2025年2月2日閲覧。
外部リンク
- オーヴァー・ザ・トップ - Discogs (発売一覧)
- オーヴァー・ザ・トップ_(コージー・パウエルのアルバム)のページへのリンク