イコン画としての『黒の正方形』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/06 01:41 UTC 版)
「黒の正方形」の記事における「イコン画としての『黒の正方形』」の解説
ペトログラードのドヴィチンで開かれた「0、10展」で本作が設置された箇所は特別なものだった。『黒の正方形』が掲げられたのは家々でイコンがおかれる「聖なる隅」にあたる場所だったのである。これは「二枚の壁が合わさる隅の天井間近」であり、ロシアにおいてはあきらかに象徴的な意味を持たされている。マレーヴィチ自身もしばしば自印聖像を前提にしながら『黒の正方形』をイコンに比し、さらにそれを越えようとしていた。しばしば「逆遠近法」のような理論によって語られるように、マレーヴィチにとってイコン画は単なる偶像やイメージではなく、まさに「無対象絵画」なのであった。
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