アルキメデスの牛の問題
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/14 17:06 UTC 版)
『牛の問題』(うしのもんだい、英: cattle problem、羅: problema bovinum)は、古代ギリシアの数学者アルキメデスが提示したとされる、ある条件を満たす牛の頭数を問う問題である。
現代的な用語を用いれば、あるディオファントス方程式の整数解を求める問題と見なせる。解は無数にあるが、最小解でも牛の頭数は二十万桁(二十万「頭」ではない)以上という非現実的なほどの巨大な数に達する。これは観測可能な宇宙を埋め尽くす牛の頭数よりもはるかに多い。
問題
問題は「おお盟邦の友よ、ヘリオスの牛の群れを算(かぞ)え給え…」[1]で始まる22の対句、44行の詩の形で示されている。
トリナキア島の野に牛がいる。牛の色は白、黒、黄、斑である。白牡牛の数は、黒牡牛の数の1/2+1/3、+ 黄牡牛の数の合計である。
黒牡牛は、斑牡牛の1/4+1/5、+ 黄牡牛の合計。
斑牡牛は、白牡牛の1/6+1/7、+ 黄牡牛の合計。
また、
白牝牛は、黒牛全部の1/3+1/4に等しい。
黒牝牛は、斑牛全部の1/4+1/5に等しい。
斑牝牛は、黄牛全部の1/5+1/6に等しい。
黄牝牛は、白牛全部の1/6+1/7に等しい。
アルキメデスは最初の7つの条件を与えた後に「これだけではまだなかなか知恵者の数にははいらない」[1]と述べ、さらに2つの条件を与える。
白い牡牛+黒い牡牛を整列させると、縦横が等しい四角形に並ぶ。
黄の牡牛+斑の牡牛を整列させると、各辺が等しい三角形に並ぶ。牛の総数を求めよ。
計算式
白の牡牛の頭数を W、白の牝牛の頭数を w とし、以下黒、黄、斑の牡牛と牝牛の頭数をそれぞれ B, b, Y, y, D, d とすると、アルキメデスの示した条件は以下の9つの数式で表される。
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