アフターザストームとは? わかりやすく解説

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アフター・ザ・ストーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/30 04:16 UTC 版)

『アフター・ザ・ストーム』
クロスビー・スティルス&ナッシュスタジオ・アルバム
リリース
録音 1994年1月27日 - 7月1日
ジャンル ロック
時間
レーベル アトランティック・レコード
プロデュース グリン・ジョンズ
クロスビー・スティルス&ナッシュ アルバム 年表
リヴ・イット・アップ
(1990年)
アフター・ザ・ストーム
(1994年)
ルッキング・フォワード
CSNY
(1999年)
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アフター・ザ・ストーム』(After the Storm)は、クロスビー・スティルス&ナッシュの7枚目のスタジオ・アルバムで、トリオ編成では5枚目のスタジオ・アルバムであり、1994年にアトランティック・レコードからリリースされた。リイシューを除けば、アトランティックからのリリースはこれが最後となる。ビルボード200の最高位は98位で、これは彼らの8枚のスタジオ・アルバムの中で最も低いチャート順位である。また、20万枚近いセールスを記録した[1]

レコーディングの背景

CSNは1990年代初頭に大規模なツアーを行ない、1990年から1992年にかけて200公演以上を行なったが、1993年に活動を休止した。グループの前作『リヴ・イット・アップ』(1990年)以来、スティルスは1991年に『Stills Alone』、クロスビーは1993年に『サウザンド・ローズ』というソロ・アルバムを発表し、ナッシュは1991年のボックス・セットを編集していた。デビュー・アルバム発売25周年が近づき、グループは1994年中にアルバムを店頭に並べるために再結集した[2]

アルバムはロサンゼルス近郊のスタジオで録音された。「only Waiting for You」、「Camera」、「It Won't Go Away」、「In My Life」、「Bad Boyz」、「After the Storm」、「Panama」はカリフォルニア州バーバンクのオーヘンリー・サウンド・スタジオでレコーディングされた。「Unequal Love」、「Till It Shines」、「These Empty Days」はカリフォルニア州サンタモニカのジャクソン・ブラウンのグルーヴ・マスターズで録音された。「Find a Dream」と「Street to Lean On」はハリウッドのオーシャン・ウェイ・スタジオで録音された。

グループの過去3枚のアルバムとは異なり、ビートルズのカヴァー以外はすべて主要メンバーによる作曲で、外部からの作曲参加はない。セッションには、スティルスの子供であるジェニファーとクリストファー、そしてアルバムのプロデューサー、グリン・ジョンズの息子であるイーサン・ジョンズも参加し、世代を超えたものとなった。ジョンズはCSNのアルバムで初めて、本人たち抜きでクレジットされたプロデューサーである。

評価

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典 評価
Allmusic [3]
The Music Box [4]

『アフター・ザ・ストーム』のプロモーションのため、グループは1994年にウッドストック'94を含む100近いコンサートに出演し、『ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジェイ・レノ』と『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』の両方に出演した[2]。しかし、ナッシュによれば、ウッドストック・アニバーサリー・フェスティバルの知名度やテレビ出演があったにもかかわらず、アトランティックはほとんどプロモーションを行わなかったため、アルバムの売り上げが伸びなかったのだという[2]

『ミュージック・ボックス』誌は、『アフター・ザ・ストーム』を「クロスビー、スティルス、ナッシュが長い間リリースしてきた中で最高の作品」と評し、スティルスの作曲の才能が蘇り、ナッシュのパフォーマンスも劇的に向上したと述べた。レビュアーは「Camera」、「It Won't Go Away」、「Unequal Love」をハイライトとして挙げている。対照的に、オールミュージックの回顧的なレビューでは、「グラハム・ナッシュの『These Empty Days』とタイトル・カットだけが、昔のマジックを持っている。残りは、日の目を見ることのなかったソロ・ディスクのために作られた曲を、商品を売るためにこの形で組み合わせたように聴こえる」

『リヴ・イット・アップ』に収録されている曲と同様、これらの曲はどれもグループのレパートリーには定着せず、「Unequal Love」と「After the Storm」だけが1994年のツアー以降でも何度か再演された。また、スティルス抜きの2011年のツアーで、クロスビー&ナッシュは「Camera」を演奏している。

収録曲

 

# タイトル 作詞・作曲 リード・ボーカル 時間
1. 「Only Waiting for You」 Stephen Stills Stills
2. 「Find a Dream」 Graham Nash Nash
3. 「Camera」 David Crosby, Stills Crosby
4. 「Unequal Love」 Nash Nash
5. 「Till It Shines」 Crosby Crosby
6. 「It Won't Go Away」 Stills Stills with Crosby
7. 「These Empty Days」 Nash, Crosby Stills with Crosby & Nash
8. In My Life John Lennon, Paul McCartney Crosby, Stills & Nash
9. 「Street to Lean On」 Crosby Crosby
10. 「Bad Boyz」 Stills Stills
11. 「After the Storm」 Nash Nash
12. 「Panama」 Stills Stills with Crosby & Nash

メンバー

クロスビー・スティルス&ナッシュ

  • デヴィッド・クロスビー - バッキング・ヴォーカル、アコースティック・ギター(2、11)、リード・ヴォーカル(3、5、9)、リゾネーター・ギター(11)
  • スティーヴン・スティルス - バッキング・ヴォーカル、リード・ヴォーカル(1、2、6、10、12)、アコースティック・ピアノ(1)、エレクトリック・ギター(1、2、4、6、7、12)、ベース(1、6)、アコースティック・ギター(2、3、7、8)、リード・ギター(2、5、10)、リズム・ギター(2)
  • グラハム・ナッシュ - バッキング・ヴォーカル、リード・ヴォーカル (2、4、11)、アコースティック・ピアノ (2)、アコースティック・ギター(2, 4, 11), ハーモニカ (2, 4, 8)

参加ミュージシャン

  • マイク・フィニガン - シンセサイザー(1)、ハモンドB3オルガン(1、5、6、9、10)、追加バッキング・ヴォーカル(1)
  • ベンモント・テンチ - ハモンドB3オルガン (4)
  • クリス・スティルス - アコースティック・ピアノ(7)、ハイストリング・アコースティック・ギター(8)、スパニッシュ・ギター(12)
  • クレイグ・ダージ - キーボード (11)
  • ジョー・ロトンディ - キーボード (12)
  • イーサン・ジョンズ - エレクトリック・ギター(2、7、9)、リズム・ギター(2、5、10)、ドラムス(2、5、7、9~11)、パーカッション(2、5、10、11)、アコースティック・ギター(7)、マンドチェロ(8)
  • マイケル・ヘッジス - アコースティック・ギター (9)
  • ジェームス・"ハッチ"・ハチンソン - ベース (2, 4, 5, 7, 9)
  • アレクシス・スクラレフスキー - ベース (3, 10, 12)
  • ダニエル・"フリーボ・フリードバーグ - ベース (11)
  • ジョディ・コルテス - ドラム (1)
  • トリス・インボーデン - ドラム (3, 12)
  • リック・マロッタ - ドラム (6, 10)
  • レニー・カストロ - パーカッション (1)
  • ラファエル・パディラ - パーカッション (3, 12)
  • ジェン・スティルス - バッキング・ヴォーカル (11)

制作

  • グリン・ジョンズ - プロデューサー、レコーディング(2-12)、ミキシング(2-12)
  • ブレット・ウェイン(Brett Swain):レコーディング(1)、アシスタント・エンジニア(2-12
  • ポール・ディーター - 録音 (2-12)
  • ブライアン・マルーフ - ミキシング (1)
  • ジェフ・シャノン(Jeff Shannon):アシスタントエンジニア(1)
  • スティーヴ・ホロイド - アシスタント・エンジニア (2, 4, 5, 7, 9)
  • ダグ・サックス - マスタリング・ラボ (カリフォルニア州ハリウッド)
  • ジャン・クロスビー - プロダクション・コーディネーター
  • ナッシュ・インターメディア・スタジオ - ジャケット・デザイン
  • グラハム・ナッシュ - アルバム・デザイン
  • ケイト・ヌック - アルバム・デザイン
  • スティーヴン・スティルス - アルバム・デザイン
  • ランド・ウィザーワックス - アルバム・デザイン
  • ビル・シドンズ - マネージメント
  • ジェリー・トルマン - マネージメント

脚注

  1. ^ RIAA - Soundscan”. Greasylakes. 2015年12月23日閲覧。
  2. ^ a b c Zimmer, Dave. Crosby, Stills & Nash The Biography. Da Capo Press 2000, ISBN 0-306-80974-5.
  3. ^ アフター・ザ・ストーム - オールミュージック
  4. ^ Metzger, John (1995年7月). “Crosby, Stills, and Nash - After the Storm (Album Review)”. Musicbox-online.com. 2011年10月28日閲覧。



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