アニメーターvsアニメーションとは? わかりやすく解説

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アニメーターvsアニメーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/12 10:01 UTC 版)

アニメーターvsアニメーション
ジャンル
原案 アラン・ベッカー
脚本
  • アラン・ベッカー
  • Skim
監督
  • アラン・ベッカー
  • Skim
  • guzzu
作曲
  • AaronGrooves
  • スコット・バックリー
国・地域 アメリカ合衆国
言語 英語
シーズン数 3
話数 11
各話の長さ 3–31分
製作
プロデューサー
  • アラン・ベッカー
  • Skim
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アニメーターvsアニメーション英語: Animator vs. Animation、AvAとも呼称される)は、アメリカアニメーターアラン・ベッカーによって作られた一連のアニメウェブシリーズ英語版[1][2][3]棒人間が内蔵されたアニメーションツールや力技を駆使し、プログラムからの脱出を試みる[4]

2006年6月3日にニューグラウンズでオリジナル版が公開され[5]、その5か月後に続編が公開された[2]。作品のほとんどがAdobe Animate或いはBlenderによるアニメーションで構成されており、第四話以降には実写のシーンも含まれている。全体として、セリフや会話などが非常に少ないことも特徴である[6]

そのユニークな発想や非常にクオリティの高いアニメーションからインターネットで流行し、ニューグラウンズでは最高評価にほど近い星4.78を獲得し[7]YouTubeでは8000万回以上の再生数を誇る[8]。4作目となる『Animator vs. Animation IV』は、YouTubeで公開されたのち、1か月で500万回再生された[9]Kickstarterでもエピソード作成のためのクラウドファンディングが2013年7月10日から行われ[4][10]、2013年8月9日に目標を達成した。エピソードは2014年10月2日に公開されている。

登場人物

人間

  • Noogai3(アラン・ベッカー): アニメーター。自身の創作物に軽蔑の念を抱いていたが、そのうちの一つがテキストで会話できることに気づき、気遣いを見せるようになる。

棒人間

  • Victim 〔ママ〕: Noogai3が2006年に作った棒人間。初期から登場するが、同じエピソードで殺されているよう[11]。17年後、彼が2006年から2007年にかけて生まれては拷問されていたので、ロケットでAdobe Flashから脱出したことが明るみになっている。のちMitsiという女性のキャラと出会い、テクノロジー企業を設立後アウターネットで平和な生活を送っていたが、Mitsiが後継者のThe Chosen Oneに殺害されたため、4人の傭兵とともに、彼を追跡することになる。
  • The Chosen One: 黒色の棒人間で、Victimと酷似している。Noogai3が2006年に作った[12]火吹きレーザー怪力などの超能力を使いこなす。『Animator vs. Animation II』で登場し、その後は死亡したかに思われていたが、『The Virus』の終わりに登場している。
  • The Dark Lord: 赤色の棒人間。The Chosen Oneを殺すために存在している。Noogai3が2011年に作った。『Animator vs. Animation III』で初登場し、同エピソード中に死亡したかと思われたが、『The Flashback』で再登場、『The Showdown』で再び死亡したように見える。
  • Stick Gang: The Second Comingと、Fighting Stick Figuresからなるグループ。
    • The Second Coming: 橙色の棒人間。Noogai3が2014年に偶然作り出した。Stick Gangのトップ。多くのエピソードでは普通の棒人間的な存在として描かれるが、戦闘能力については他を大きく凌駕している。念力飛翔、レーザーすら用いれるが、本人はそれを記憶してはいない。
    • Fighting Stick Figures: 赤、青、黄、緑からなる。sticksfight.comに住んでいたが、The Second Comingの力を借り脱出、それぞれNoogai3に殺されたが、その後復活した。『The Showdown』では、The Dark Lordによって殺害されたが、The Second Comingによってふたたび復活している。

エピソード

シーズン1

通算
話数
シリーズ
話数
タイトル監督放送日
11"Animator vs. Animation"アラン・ベッカー2006年6月3日 (2006-06-03) (オリジナル)
2007年5月14日 (2007-05-14) (YouTube)
22"Animator vs. Animation II"アラン・ベッカー2006年11月4日 (2006-11-04) (オリジナル)
2007年5月14日 (2007-05-14) (YouTube)
33"Animator vs. Animation III"アラン・ベッカー2010年10月11日 (2010-10-11) (オリジナル)
2011年10月2日 (2011-10-02) (YouTube)
44"Animator vs. Animation IV"アラン・ベッカー2014年10月2日 (2014-10-02)

シーズン2

通算
話数
シリーズ
話数
タイトル監督放送日
51"The Virus"アラン・ベッカー2018年8月19日 (2018-08-19)
62"The Chosen One's Return"アラン・ベッカー2018年10月28日 (2018-10-28)
73"The Flashback"アラン・ベッカー2019年3月12日 (2019-03-12)
84"The Showdown"アラン・ベッカー2020年10月24日 (2020-10-24)

シーズン3

通算
話数
シリーズ
話数
タイトル監督放送日
91"Wanted"アラン・ベッカー2023年4月29日 (2023-04-29)
102"The Box"アラン・ベッカー2023年11月4日 (2023-11-04)
113"Victim"アラン・ベッカー2024年12月14日 (2024-12-14)

作成と歴史

ベッカーは、作品の作成にあたって、『カモにされたカモ』や、『はろるどとむらさきのくれよん英語版』のアニメ版といった人気アニメ、ニューグラウンズに投稿されていた『Cursor Thief』、その他多くのFlashゲームに触発されてこの作品を作成した[13]。作業に取り掛かって3か月後に作品を投稿し、その翌日に終日ランキングの2位を維持した[7]。この作品を自分のウェブサイトでホスティングしたいという人々から多くのメールが届いた(独占権を得るために75ドル払おうとした者もいた)が、これをアルビノ・ブラックシープ英語版のホスト、スティーブン・ラーナーから聞いたのち、すべて断っている[13][14]

AtomFilms英語版は続編の作成に際して資金提供を実施。2006年11月4日に続編が公開された[13][15]。作品中で実際に用いているAIMのユーザー名を使用したので、メッセージを送った何百人ものユーザーで、満足に使うことができなくなったという。2010年10月4日にAtom.comに公開した『Animator vs. Animation III』で最終回にする予定だったが、ピクサーで採用されることを目標にコロンバス美術大学英語版でアニメーションを学んだ際[13]、先生の言葉や励ましに意欲を取り戻して、Kickstarterで『Animator vs. Animation IV』作成のクラウドファンディングを決行。7月10日に始まり、8月9日に目標とする10000ドルを達成した[13]。2014年10月2日に公開されて、1か月で500万回再生された[9]

eBaum's World騒動

2006年、eBaum's World英語版に当作品が無許可・クレジット無しで公開された[16]デジタルミレニアム著作権法にしたがって法的措置が取られると脅された[16][17]

eBaum's Worldはその後ベッカーに連絡、250ドルの受領と引き換えの虚偽の証言を強いた。のち、eBaum's Worldに対し、ベッカーは作品・証言のウェブサイトからの削除を正式に要請した[13][16]

その他メディア

ゲーム

2006年、チャールズ・イェーが、Adobe Flash Player英語版向けに『Animator vs. Animation Game: SE』というゲームをリリースした[2]

2025年3月26日には、Kickstarterで格闘ゲーム『Animation VERSUS』のクラウドファンディングが開始されている。当ゲームは、Rivals of Aetherを手掛けたMunoの協力を得ている[18][19][20]

スピンオフ

スピンオフでは『Animation vs. Minecraft』がよく知られている。この動画は一時、マインクラフト関連の動画で最も人気な動画になっていた[21]。2017年11月17日以降投稿されているスライス・オブ・ライフ形式の『Animation vs. Minecraft Shorts』(AvM)シリーズも人気を博し、第14話はチャンネルで最も再生されたと同時に、マインクラフト関連の動画で最も再生された動画になっている。その中でも『Actual Shorts』と称されるものは、YouTube ショート用に整形された動画群で、『Animation vs. Minecraft Shorts』と称しているにも関わらず、最大30分を超えることから「まったくショートではない」ということに因んでいる[22][6]

『Animation vs. YouTube』もまた知られており、こちらはピューディパイマークプライヤーら多数の著名なYouTuberがカメオ出演していることで知られる[23][24]

受賞・ノミネート

賞名 カテゴリ 作品 結果 出典
2007年 ウェビー賞 "People's Voice"賞 "Animator vs. Animation II" 受賞 [10][25]
2014年 クリーヴランド国際映画祭英語版 ベスト・オブ・オハイオ賞 "Animator vs. Animation IV" ノミネート [26]
2024 インディペンデント・メディア・イニシアティブ N/A "Animation vs. Math" 受賞 [27]

脚注

  1. ^ Animator vs. Animation 3 Hits Atom.com” (英語). Animation World Network. 2024年8月14日閲覧。
  2. ^ a b c Beale, Scott (2008年1月8日). “Animator vs. Animation by Alan Becker” (英語). Laughing Squid. 2024年8月15日閲覧。
  3. ^ Alan Becker - Biography” (英語). IMDb. 2024年8月15日閲覧。 “Alan Becker is best known by Internet users as the kid who made Animator vs. Animation. He made it during his junior year of high school in 2006.”
  4. ^ a b Silverberg, David (2014年10月2日). “Alan Becker releases long-anticipated Animator vs. Animation IV” (英語). Digital Journal. 2024年8月17日閲覧。
  5. ^ Becker, Alan (2006-06-03), Animator vs. Animation, https://www.imdb.com/title/tt2382912/?ref_=nm_flmg_dr_3 2024年8月18日閲覧。 
  6. ^ a b Animator vs. Animation”. TV Tropes. 2024年8月19日閲覧。
  7. ^ a b Becker, Alan (2006年6月3日). “Animator vs. Animation” (英語). via Newgrounds. 2024年8月18日閲覧。
  8. ^ Becker, Alan (14 May 2007). Animator vs. Animation (original). YouTubeより2024年8月27日閲覧
  9. ^ a b Verma, Arpit (2014年11月26日). “This Animator vs Animation Video Goes Viral and Worth Sharing” (英語). Fossbytes. 2024年8月14日閲覧。
  10. ^ a b Nobilt, Jennifer. “Becker shooting for 4th 'Animator vs. Animation' installment” (英語). The Columbus Dispatch. 2024年8月22日閲覧。
  11. ^ Becker, Alan; Welch, DJ (20 July 2024). Animator Vs Animation Season 1 (Ep 1-4) | AvG Reacts. Animators VS Games (英語). 2025年2月1日閲覧This is Victim, yeah. Yeah, you can see his name right there.
  12. ^ Becker, Alan (14 May 2007). Animator vs. Animation 2 (original). Alan Becker (英語). 2025年2月1日閲覧he might kill aim soon
  13. ^ a b c d e f Becker, Alan (3 June 2016). The Story of Animator vs. Animation - 10 Year Anniversary. YouTubeより2024年8月18日閲覧
  14. ^ Animator vs. Animation series” (英語). Albino Blacksheep. 2024年8月28日閲覧。
  15. ^ Schechner, Sam (2007年6月22日). “The Joy of Sticks”. The Wall Street Journal. https://www.wsj.com/articles/SB118246879823244172 2024年8月27日閲覧。 
  16. ^ a b c June 2006” (英語). Albino Blacksheep (2006年5月). 2024年8月15日閲覧。
  17. ^ Becker, Alan (2013年8月8日). “Alan Becker” (英語). DeviantArt. 2024年9月6日閲覧。
  18. ^ Animation VERSUS! - Reveal Trailer - Kickstarter. Alan Becker. 26 March 2025. YouTubeより。
  19. ^ Cichacki, Shaun (2025年3月26日). “'Animation Versus' Is the Creation of Alan Becker, the Creative Genius Behind 'Animator vs Animation', and It Blew Past Its Kickstarter Goal” (英語). VICE. 2025年4月20日閲覧。
  20. ^ Staff, Game Rant (2025年3月26日). “Animation VERSUS - Official Reveal Trailer” (英語). Game Rant. 2025年4月20日閲覧。
  21. ^ Alan Becker” (英語). YouTube. 2024年8月14日閲覧。
  22. ^ Alan Becker (3 December 2022). The King - Animation vs. Minecraft Shorts Ep 30. YouTubeより2024年12月18日閲覧
  23. ^ Alan Becker (3 August 2017). Animation vs. YouTube (original). YouTubeより2024年12月18日閲覧
  24. ^ Animation vs. YouTube featured videos” (英語). YouTube. 2024年12月18日閲覧。
  25. ^ NEW Webby Gallery + Index” (英語). NEW Webby Gallery + Index. 2024年8月15日閲覧。
  26. ^ Animator vs. Animation IV - Cleveland International Film Festival :: March 22 - April 1, 2023” (英語). dev.clevelandfilm.org. 2024年8月15日閲覧。
  27. ^ @theI_M_I (2024年6月12日). "For "Animation vs Math," @alanthebecker will receive an award of $50,000. Known for his reoccurring YouTube series, 'Animation vs,' he makes stick figure animations and captivates audiences with his mastery of animation while tackling subjects like physics & animation. #IMIAwards". X(旧Twitter)より2024年8月22日閲覧



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