アナトリアン・マスティフとは? わかりやすく解説

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アナトリアン・マスティフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/06/12 07:56 UTC 版)

アナトリアン・マスティフ(英:Anatolian Mastiff)は、トルコ原産の護畜犬種のひとつである。 別名はターキッシュ・マスティフ(英:Turkish Mastiff)、セントラル・アナトリアン・シェパード・ドッグ(英:Central Anatolian Shepherd Dog)など。

この名はアナトリアン・シェパード・ドッグの別名としても使われているが、本来はその変種である本種の犬種名である。

目次

歴史

血統の近いアナトリアン・シェパード・ドッグと同じく、トルコ原産の他の護畜犬種(西部原産のアクバシュ、中部原産のカンガール・ドッグ、東部原産のカルス・ドッグ)が混在する地域で生まれたものである。本種も有史以前から何千年にもわたって存在し続けてきた。

主に家畜クマオオカミジャッカル泥棒から守る護畜犬として用いられる。もしも家畜の命を脅かす部外者が現れた場合は凄みのある吼え声で威圧し、それでも相手が退散しない場合は命がけで攻撃を行い、排除の鉄槌を下す。尚、アナトリアン・シェパード・ドッグよりも力が強いため、現地では優秀な護畜犬として重宝されている。

基本的には現在も大半がトルコで護畜犬として飼育されているが、熱心なモロサスファンによって個人輸出が行われ、海外で飼育が行われることも稀にある。

FCIにはアナトリアン・シェパード・ドッグの変種と見なされ、公認は行われていない。

特徴

混在地域生まれでアメリカ合衆国に渡って改良されたアナトリアン・シェパード・ドッグと違い、純粋にトルコ国内で育成された犬種のため、よりモロサスらしいワーキング・ドッグになっている。本種はそれよりもかなり大きく重くがっしりした体格をしていて、頭部の形も若干異なる。筋肉隆々でがっしりした骨太の体つきをしていて、脚も太く非常に力が強い。マズルは短めで太く、あごの力はとても強靭である。土佐犬などの近年ペットやショータイプにするために改良が加えられつつあるマスティフ種の犬をはるかに凌駕する力を持っているとされる。頭部は大きめで、幅は若干広い。頚部も太く頑丈である。耳は垂れ耳、尾はふさふさした垂れ尾。コートは密度のあるショートコートで、寒さに強くある程度外敵の攻撃を軽減することが出来る。毛色はフォーンやウイートン、ブリンドルなどの単色で、これに加えてマズルや耳、頭頂部にブラックマスクという黒いマーキングが入ったもの。体高81cm以上、体重65〜91kgの大型犬で、性格は知的で忠実、従順だが警戒心と防衛本能が高く勇敢である。しつけは基本的に主人からのみ受け付けるが、独立心も高いためしっかりとした訓練を行って主従関係を築かなければ扱うことが出来ない。状況判断力と洞察力は仕事柄により非常に高い。主人家族以外にはまず馴染まない。吼え声は大きく、よく響く。飼育の際には攻撃性を抑える一貫した訓練が必要不可欠であるため、まず初心者には飼育が出来ない犬種である。体重が重いため激しい運動は出来ないが、運動量そのものは若干多めである。かかりやすい病気は大型犬にありがちな股関節形成不全関節疾患、体重が重い犬種に見られやすい骨肉腫関節炎床ずれなどがある。

参考文献

『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

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