アイアン・ナイト
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アイアン・ナイト (SS Iron Knight) は、オーストラリアの鉄鉱石運搬船。ポート・グラスゴーのLithgows社でブロークン・ヒル・プロプライエタリー社向けに建造された。1937年10月に完成し、イギリス船籍でメルボルンを母港とした[1]。
沈没
1943年2月8日、「アイアン・ナイト」はOC68船団に属して南オーストラリア州ホワイアラからニューサウスウェールズ州東岸沖を経てニューカッスルへむけ航行中であった[2]。午前2時30分、日本の伊号第二十一潜水艦から発射された魚雷が船団の先頭にあった「アイアン・ナイト」に命中した[3]。
「アイアン・ナイト」は船首から2分で沈没。乗組員50人中生存者は14人であった。船団はそのまま進んで行き、生存者は10時間後にフランス駆逐艦「ル・トリオンファン」に収容された[3]。
「アイアン・ナイト」の船体はニューサウスウェールズ州バーマギー沖の深さ125mの場所で発見された。
構造
- トン数 - 4,812トン (GRT)
- 長さ - 404 ft 5 in (123.27 m)
- 幅 - 56 ft 2 in (17.12 m)
- 深さ - 23 ft 2 in (7.06 m)
- 機関 - 四段膨張機関1基、553 hp
脚注
- ^ “LLOYD'S REGISTER, STEAMERS & MOTORSHIPS”. Plimsoll Ship Data. 26 March 2009閲覧。
- ^ “Broken Hill Proprietary”. Mercantile Marine. 26 March 2009閲覧。
- ^ a b “The Final Journey of the Iron Knight”. New South Wales Government. 2009年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月26日閲覧。
アイアンナイト
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アイアンナイト | |
---|---|
ジャンル | バトル漫画 |
漫画 | |
作者 | 屋宜知宏 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ・コミックス |
発表号 | 2014年1号 - 18号 |
巻数 | 全3巻 |
話数 | 全16話 |
テンプレート - ノート |
アイアンナイトは、屋宜知宏による日本の漫画作品。屋宜の連載デビュー作。犯罪者や悪人が豹変した生命体・ゴブリンが世界を破壊する中、同じくゴブリンになりながらも人々を守るために戦う男子小学生・丑鎮鉄兵を主人公としたバトル漫画。
原型となる読切『ゴブリンナイト』が週刊少年ジャンプ2012年35号に金未来杯エントリー作品として掲載された。その後、『ジャンプVS』(集英社)に作品読切版『アイアンナイト』が掲載された。この2つの読切をベースに連載版『アイアンナイト』が『週刊少年ジャンプ』(集英社)2014年1号から2014年18号まで連載された。
単行本には作者の読切作品『IRON CRUTAIN』(1巻)・『ゴブリンナイト』(2巻)・『アイアンナイト』(3巻)が収録されている。また、単行本3巻には本誌に掲載されなかった最終話が描き下ろされている。
あらすじ
男子小学生・丑鎮鉄兵は、警察官の父親が仕事で家にいないことが多いため、幼馴染の姫神翼の家に居候する生活をしていた。凶悪事件を解決し久々に帰ってくるはずの父から連絡があり、帰ってこられないかもしれないと伝えられる。落ち込む鉄兵は翼に励まされ一緒に家に帰るが、その途中に世界は一変し、一部の犯罪者たちが自我を失った謎の生命体ゴブリンとなって町を破壊する。そして鉄兵も自身がゴブリンとなっていることに衝撃を受ける。
しかし、鉄兵は自我を失うことなく、破壊行動に走ったゴブリン達と戦い、姿が消えた翼や生き残った住民たちを探す旅に出る。
- カズモチたちの救出(2 - 6話)
- 鉄兵はゴブリン達と戦い体が過熱して死にそうになったところを謎のゴブリンに助けられる。その後、生き残った住民グループに遭遇、親友のカズモチと再会する。しかしカズモチたちは、酸を吐き自我を持つゴブリン沼沢とその傘下の不良グループによって虐待されていた。鉄兵はゴブリンの姿となって沼沢に挑み一度は撃退するが、ゴブリンにトラウマを持つカズモチたちからは警戒されてしまう。
- その後、以前鉄兵を助けた謎のゴブリンが人間の姿で鉄兵と再会する。ユキと名乗るその少女は彼が沼沢と戦う手助けをした。鉄兵はユキの助けや彼女と共に作った武器によって沼沢に勝利、カズモチたちからも信頼を勝ち取る。
- 大和山基地の解放(7 - 13話)
- 住民グループは鉄兵の援護の元、バスに乗って国防軍(旧・自衛隊)が守る大和山基地に向かう。途中で武装し組織化されたゴブリンの集団に襲われるが、国防軍陸曹・菊田らの救援によって何とか危機を乗り越える。鉄兵たちは国防軍のいる地下に連れて来られ、国防軍3等陸佐・桜山から大和山基地の壊滅を伝えられる。基地には翼を含め1000人ほどの一般市民が取り残されているが、周囲を何者かに操られ組織化されたゴブリンが抑えているため救援は不可能と思われた。
- しかし、菊田の説得や、鉄兵という新たな戦力が手に入ったため、桜山は救援を決断、ゴブリンを操っている大本を叩き住民を救出しようとする。救出作戦は順調に進むが、桜山は囮にかけられたと気付き、撤退命令を出す。その時、実はゴブリン達を操っていた菊田が本性を現し、ユキや国防軍兵士を攻撃する。菊田の胸には巨大な「目玉」がありそれによってゴブリンを操っていた。
- 鉄兵は菊田とそのゴブリンに戦いを挑むが、圧倒的な大きさと耐久力を誇るゴブリンの集合体に苦戦を強いられ、戦車の砲撃によって胸に大穴をあけられる。それでも何とか鉄の武器で菊田のゴブリンを焼き倒し、桜山の援護によって勝利する。
- 天地との戦い(14- 16話、最終話)
- 1年後、勾玉町は整備され、鉄兵によって安全が守られた町となった。鉄兵は鉄の騎士(アイアンナイト)と呼ばれ住民から頼られる存在となった。翼とは再会できたものの、彼女は放心でほとんど意識がなく、鉄兵がいる時だけ調子の良い状態が続いていた。そこに多数の人格を持ったゴブリンを率いる天地善次郎が襲撃する。
- 天地は「不死」を名乗り、鉄兵を圧倒、勝てないと悟った鉄兵とユキは住民に退避を呼びかけるが、彼らはアイアンナイトを信頼しており、街から去ろうとはしなかった。そこで鉄兵は暴走したふりをして住民を退避させ、彼らの命を救う。
- しかし、鉄兵は天地に捕えられ、暴走するようにと彼から胸の穴に巨大な「目玉」を埋められる。その後、鉄兵はユキに助けられるが、これは天地の想定の範囲内だった。鉄兵は埋められた「目玉」は鉄兵に真実が伝える役割を果たす。
- それによるとユキは原初の炎を持ったゴブリン(鉄兵)を殺すために、原始的な哺乳類をベースに作られた人工ゴブリンだった。そのことを知った鉄兵は暴走し、彼女を殺そうとする。一方でユキも自分の過去を告白、力の媒体として翼の魂を奪い取ったことと、人間のためにゴブリンと戦う鉄兵が輝いて見えたことを告げ、自分にとって「最高のヒーロー」である鉄兵の魂を守るため、鉄兵の身体の一部となった。
- その様子を見た天地は鉄兵に見切りをつけ、彼を殺そうとするが、鉄兵は町中の鉄と土を操って天地を生き埋めにし、「永遠に窒息」させる。周囲には大きな山ができ、動かなくなった鉄兵の下には、彼と同じ色になったユキが横たわっていた。そのころ、翼は意識を取り戻す。
- エピローグ
- 子ども達が炎の悪魔と不死の悪魔が戦ってできたとされる山に登る。山頂には街を守ってくれると伝えられる「鉄血のアイアンナイト」という像があった。ゴブリンにも似た少女がアイアンナイトについて大昔から伝わる伝承を語る。それによるとこの像と愛し合った姫がいて、限られた時間にだけ像は人間に戻り、二人は幸せな時間を過ごすことができた。姫は人間だったためすぐに死んでしまうが、この像は姫と街を守り続けているという。
登場人物
主要人物
- 丑鎮 鉄兵(うしずめ てっぺい)
- 本作の主人公。勾玉小学校に通っていた少年。
- 元気で活発な性格。勇敢で正義感が強い。警察官である父親を尊敬している。
- ゴブリンと化すが人格を失うことなく、戦闘の時にのみゴブリンの力を利用できるようになる。人々を守るために戦い、「人間の味方のゴブリン」アイアンナイトと呼ばれるようになる。
- 姫神 翼(ひめがみ つばさ)
- 本作のヒロイン。鉄兵の年上の幼馴染。勾玉小学校に通っていた少女。
- 鉄兵に好意を寄せている。世界が崩壊したのちは放心状態になっていた。
- ユキ
- 兎型ゴブリンの少女。
- 戦闘において鉄兵をアシストする。非常に素早く、偵察なども得意。足の爪で相手に切り付けることもできる。冷気を使って敵に攻撃したり、熱くなり過ぎた鉄兵を冷やすことも可能。
一般市民
- 倉持 和樹(くらもち かずき)
- 鉄兵の親友。同じクラスの男子。鉄兵はカズモチと呼んでいる。
- 鉄兵が最初に遭遇した住民グループにいた。父親はゴブリンに殺された。
- カズモチの母
- 倉持和樹の母親。
- 息子と共に鉄兵が最初に遭遇した住民グループにいた。
国防軍
- 桜山謙持
- 国防陸軍3等陸佐(少佐)。勾玉町の国防軍と住民を統括する。
- 菊田は教科書に載るレベルの名将と称した。高い戦闘能力を持つ。鉄兵を信頼している。
ゴブリン
- 烏葉 力男(からすば りきお)
- 鉄兵が最初に遭遇したゴブリン。鉄兵にゴブリンのことを教えた。
- 人間だった時は暴力団の構成員だった。
- 沼沢(ぬまざわ)
- 酸を吐きかけるゴブリン。人間の不良グループを率いてカズモチがいる住民グループを抑圧していた。
- 菊田(きくた)
- 国防軍に紛れ込んでいたゴブリン。階級は軍曹。
- 戦いたくて自衛隊に入った。ゴブリンになった後も戦いを欲している。大勢のゴブリンの個体を操るほか、ゴブリンの個体を合体させることもできる。
- 天地 善次郎(あまち ぜんじろう)
- 黒幕的存在。ゴブリン化した暴力団の元構成員を率いている。
- 「不死」でありどんなに攻撃されても死ぬことがない。
用語
- ゴブリン
- 悪意を持った人間が豹変した生命体。高い攻撃性と戦闘能力を持つ。多くは人格が失われている。
- 稀にゴブリンでありながら自我を保ち、人間の姿にも戻ることができる個体もいる。
- 勾玉町(まがたまちょう)
- 本作の主な舞台。天地一派によって破壊された。
- 生き残った住民は鉄兵と桜山率いる国防軍・臨時防衛隊に守られ生活している。
- 国防軍
- 自衛隊が改組した組織。
- 日本の中央政府の機能は残っているらしく、東京要塞にある防衛省の管轄下にある。
併録作品
単行本に併録された屋宜による読切漫画作品。
- IRON CURTAIN(アイアンカーテン)
- 「鉄のカーテン」によって東西に分けられた世界を描いたファンタジー。屋宜のデビュー作。
- 第81回(2011年上半期)手塚賞 準入選受賞(屋宜智博名義)。『少年ジャンプNEXT!』(集英社)2012 WINTER掲載。『アイアンナイト』1巻収録(掲載・収録されたのは受賞作のリミックス版)。31ページ。屋宜はいずれこの作品をもとに連載をしたいと語っている[1]。
- ゴブリンナイト
- ゴブリンとして他のゴブリンから街を守る少年・牛火鎮(うしびまもる)を主人公としたバトル漫画。
- 『アイアンナイト』のプロトタイプ。第8回金未来杯エントリー作。『週刊少年ジャンプ』2012年35号掲載。『アイアンナイト』2巻収録。
- アイアンナイト(読切版)
- 「鬼人(ゴブリン)病」に感染し、ゴブリンとなってしまった少年・丑鎮 鉄兵を主人公としたバトル漫画。
- 連載版のプロトタイプ。『ジャンプVS』(集英社)掲載。『アイアンナイト』3巻収録。『ゴブリンナイト』の外伝として構想された。主人公・ヒロインのキャラクターはこちらが基となっている[2]。
担当編集者
- 小野寺[3]。
書誌情報
- 屋宜知宏 『アイアンナイト』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉全3巻
関連項目
- 恋のキューピッド 焼野原塵(長谷川智広) - 2話扉絵(掲載時はカラーページ)で鉄兵が読んでいたジャンプの表紙を飾っていた。
脚注
注釈
出典
以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
アイアンナイト(読切版)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 00:49 UTC 版)
「アイアンナイト」の記事における「アイアンナイト(読切版)」の解説
「鬼人(ゴブリン)病」に感染し、ゴブリンとなってしまった少年・丑鎮 鉄兵を主人公としたバトル漫画。
※この「アイアンナイト(読切版)」の解説は、「アイアンナイト」の解説の一部です。
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