あしたのパスタはアルデンテとは? わかりやすく解説

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あしたのパスタはアルデンテ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/19 05:11 UTC 版)

あしたのパスタはアルデンテ
Mine vaganti
監督 フェルザン・オズペテク
脚本 フェルザン・オズペテク
イヴァン・コトロネーオイタリア語版
原案 フェルザン・オズペテク
イヴァン・コトロネーオ
製作 ドメニコ・プロカッチ
出演者 リッカルド・スカマルチョ
ニコール・グリマウドイタリア語版
音楽 パスクァーレ・カタラーノイタリア語版
主題歌 パティ・プラヴォ
Sogno
撮影 マウリツィオ・カルヴェージイタリア語版
編集 パトリツィオ・マローネイタリア語版
製作会社 ファンダンゴイタリア語版
ライ・チネマイタリア語版
Apulia Film Commission
Provincia di Lecce
配給 01ディストリビューションイタリア語版
セテラ・インターナショナル
公開 2010年2月13日
(第60回ベルリン国際映画祭)
2010年3月12日
2011年8月27日
上映時間 113分
製作国 イタリア
言語 イタリア語
製作費 $9,100,000[1]
興行収入 $10,994,715[2]
$18,872,126[1]
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あしたのパスタはアルデンテ』(Mine vagantiLoose Cannons)は、2010年イタリアコメディ映画。監督はフェルザン・オズペテク、出演はリッカルド・スカマルチョニコール・グリマウドイタリア語版など。実家の老舗パスタ会社の経営を保守的で頑固な父親から引き継ぐことになったゲイの青年を描いている。イタリアのアカデミー賞にあたる第55回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では13のノミネートを受け、そのうち助演男優賞と助演女優賞の2部門で受賞している。また、イタリア映画記者組合イタリア語版による第65回イタリア語版ナストロ・ダルジェント賞では最多となる10部門でノミネートを受け、そのうち最優秀コメディ賞をはじめとする最多5部門で受賞を果たしている[3]

日本では2011年8月の通常公開に先立ち、同年4月30日に「イタリア映画祭2011」の特別上映作品として『アルデンテな男たち』の邦題で上映された[4]

原題の「Mine vaganti」は「(何をしでかすか分からない)危険人物」「(いつ爆発するか分からない)浮遊機雷」の意味である。

ストーリー

南イタリアの古都レッチェで老舗パスタ会社を経営するカントーネ家。次男トンマーゾが、兄アントニオの社長就任を祝う家族の集まりのためにローマから帰郷する。トンマーゾはアントニオに、食事の席で自分が大学で文学を学び、作家を目指していること、そしてゲイであることを家族に告白するつもりだと語る。その夜、トンマーゾが告白を始めようとすると、それを遮るようにアントニオは自分がゲイであることを告白してしまう。保守的な父ヴィンチェンツォはアントニオを怒りのあまり勘当し、卒倒する。次期社長のアントニオが家を追い出されたために、トンマーゾはゲイであることを告白するタイミングを逸しただけでなく、兄に代わって仕方なくパスタ工場を共同経営者の娘アルバとともに運営することになる。やり手のアルバのおかげで何とか仕事をこなすトンマーゾだったが、心は晴れない。

そんなある日、トンマーゾがなかなかローマに戻って来ないことを心配した恋人マルコがゲイ仲間を連れてカントーネ家に現れる。彼らはカントーネ家の人々の前ではゲイであることを何とか隠していたが、トンマーゾと彼がゲイであることを知るアルバとともに海水浴に行くと、そこで彼らはあるがままの姿で楽しい時間を過ごす。仲間と別れて家に戻ったトンマーゾは、自分が作家を目指しており、家業を継ぐつもりのないことを家族にきっぱりと告げる。自由に生きることを選んだ孫息子の姿に接した創業者でもある祖母は、その夜、鏡の前で化粧をし、美しく着飾ると、重い糖尿病にもかかわらず、甘い菓子を大量に食べる。翌朝、祖母はいつものようにトンマーゾを起こしに来るが、それは幻で、祖母は菓子を食べることで自ら死を選んだのだった。

祖母の葬儀にアントニオもやって来る。祖母の遺言もあり、父ヴィンチェンツォはようやくアントニオを受け入れる。

キャスト

  • トンマーゾ・カントーネ: リッカルド・スカマルチョ - カントーネ家次男。
  • アルバ・ブルネッティ: ニコール・グリマウドイタリア語版 - 共同経営者の娘。
  • アントニオ・カントーネ: アレッサンドロ・プレツィオージイタリア語版 - カントーネ家長男。トンマーゾの兄。
  • ヴィンチェンツォ・カントーネ: エンニオ・ファンタスティキーニ - カントーネ家当主。トンマーゾの父。
  • ステファニア・カントーネ: ルネッタ・サヴィーノイタリア語版 - ヴィンチェンツォの妻。トンマーゾの母。
  • お祖母ちゃん: イラリア・オッキーニイタリア語版 - ヴィンチェンツォの母。創業者。アントニオの秘密を知っていた。
  • アントニエッタ: クレシェンツァ・グァルニエーリイタリア語版 - カントーネ家と仲の悪いセレブ女性。
  • ルチアーナ・カントーネ: エレナ・ソフィア・リッチイタリア語版 - ヴィンチェンツォの妹。独身。
  • エレナ: ビアンカ・ナッピイタリア語版 - トンマーゾの姉。アントニオとトンマーゾがゲイであることに気付いていた。
  • サルヴァトーレ: マッシミリアーノ・ガッロイタリア語版 - エレナの夫。ナポリ出身。義父ヴィンチェンツォから疎まれている。
  • テレザ: パオラ・ミナッチョーニイタリア語版 - カントーネ家の家政婦。
  • ジョヴァンナ: エマヌエーラ・ガブリエリ - カントーネ家の家政婦。
  • マルコ: カルミネ・レカーノイタリア語版 - トンマーゾの恋人。
  • アンドレア: ダニエーレ・ペッチイタリア語版 - トンマーゾのゲイ仲間。弁護士。
  • ダヴィデ: ジャンルカ・デ・マルキ - トンマーゾのゲイ仲間。ヤク中
  • マッシミリアーノ: マウロ・ボナッフィーニ - トンマーゾのゲイ仲間。客室乗務員。サルヴァトーレに一目惚れ。
  • パトリツィア: ジェア・マルティーレイタリア語版 - ヴィンチェンツォの愛人。
  • ラファエル・ブルネッティ: ジャンカルロ・モンティジェッリ - 共同経営者。アルバの父。噂好き。

回想シーン

  • 若い頃のお祖母ちゃん: カロリーナ・クレシェンティーニイタリア語版 - 夫の弟ニコラを密かに愛していた。
  • ニコラ: ジョルジオ・マルケージイタリア語版 - お祖母ちゃんの夫の弟。共同経営者だった。
  • ドメニコ: マッテオ・ターラントイタリア語版 - お祖母ちゃんの夫。ニコラの兄。

作品の評価

映画批評家によるレビュー

Rotten Tomatoesによれば、18件の評論のうち高評価は72%にあたる13件で、平均点は10点満点中5.9点となっている[5]

受賞歴

部門 対象 結果
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 作品賞 ノミネート
監督賞 フェルザン・オズペテク
脚本賞 フェルザン・オズペテク
イヴァン・コトロネーオイタリア語版
製作者賞イタリア語版 ドメニコ・プロカッチ
助演女優賞 イラリア・オッキーニイタリア語版 受賞
エレナ・ソフィア・リッチイタリア語版 ノミネート
助演男優賞 エンニオ・ファンタスティキーニ 受賞
撮影賞 マウリツィオ・カルヴェージイタリア語版 ノミネート
音楽賞イタリア語版 パスクァーレ・カタラーノイタリア語版
主題歌賞イタリア語版 パティ・プラヴォ
Sogno
美術賞イタリア語版 アンドレア・クリザンティイタリア語版
衣裳賞イタリア語版 アレッサンドロ・ライイタリア語版
編集賞イタリア語版 パトリツィオ・マローネイタリア語版
ヨーロッパ映画賞英語版 作曲賞 パスクァーレ・カタラーノ ノミネート
観客賞
ナストロ・ダルジェント賞イタリア語版 最優秀作品監督賞 フェルザン・オズペテク ノミネート
コメディ賞イタリア語版 受賞
脚本賞イタリア語版 フェルザン・オズペテク
イヴァン・コトロネーオ
ノミネート
主演男優賞 リッカルド・スカマルチョ
La prima linea』の演技と合わせて
助演男優賞 エンニオ・ファンタスティキーニ 受賞[注 1]
助演女優賞 ルネッタ・サヴィーノイタリア語版
エレナ・ソフィア・リッチ
受賞[注 2]
撮影賞イタリア語版 マウリツィオ・カルヴェージ 受賞
美術賞イタリア語版 アンドレア・クリザンティ ノミネート
作曲賞 パスクァーレ・カタラーノ
Christine Cristina』『時の重なる女』とともに
主題歌賞イタリア語版 パティ・プラヴォ
Sogno
受賞

脚注

注釈

  1. ^ ルカ・ジンガレッティ(『Il figlio più piccolo』『我らの生活』)との同時受賞。
  2. ^ イザベラ・ラゴネーゼイタリア語版(『Due vite per caso』『我らの生活』)との同時受賞。

出典

  1. ^ a b Mine Vaganti” (英語). The Numbers. 2022年5月27日閲覧。
  2. ^ Loose Cannons” (英語). Box Office Mojo. 2022年5月27日閲覧。
  3. ^ Nastri d’Argento 2010: i vincitori” (イタリア語). イタリア映画記者組合. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月30日閲覧。
  4. ^ 作品情報”. イタリア映画祭2011. 朝日新聞社. 2013年5月30日閲覧。
  5. ^ "Loose Cannons". Rotten Tomatoes (英語). 2022年5月27日閲覧

外部リンク




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