「いいちこ」の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:03 UTC 版)
言葉としての「いいちこ」という表現は、大分県の中でも主として北部で用いられている。 「~ちこ」はこの地方独特の強調表現であり、大分の他の地方でも用いられる「~ちゃ」と同等もしくはさらにその強調型といえる。「~ちゃ」+「こん(この)」が結合して「~ちこ」となったものと考えることができよう。「こん」は、(しばしば「こーん」と変化して)間投詞として用いられることも多いが、ときに語尾に置かれて、表現を強めるために用いられる。 「いいちこ」は、すなわち「いい(よい)」の強調型であるが、この場合の「いい」は、価値を積極的に評価する場合などの「いい」であるというよりも、むしろ、断り・拒絶としての「いい」である場合が多い。 価値を積極的に評価する意味での「いい」を強調する「いいちこ」という表現も時として聞かれないわけではないが、こうした用法は非常に稀であるといえる。 断り・拒絶の強調表現としての「いいちこ」の用例として次のような会話が挙げられる。 母「ひろしちゃん、今日はさーみなっき、こん上着を着ちいきない(ひろしちゃん、今日は寒くなるから、この上着を着ていきなさい)」 ひろし「いいちゃ。今日は、ずっとぬっかろうけん(いいよ。今日は、ずっと暖いだろうから)」 母「風邪(かじぃ)引いたらつまらんき、着ちいきないちゃ(風邪を引いたら困るから、着ていきなさいよ)」 ひろし「いいちゃ(いいよ=要らないよ)」 母「着ていきないちこ(着ていきなさいってば!)」 ひろし「いいちこ(いいってんだよ!=要らないってば!)」
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