Under the Rose 主な登場人物

Under the Rose

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/29 08:10 UTC 版)

主な登場人物

ロウランド家

アーサー・ロウランド
ロウランド伯爵家当主。医師・事業家として多忙な毎日を送っている。幼いころに事故で家族のほとんどを亡くし、直接血の繋がった家族は実子と姉のモルゴースしかいない。性格は実直で温厚。アンナに愛されない心の傷を埋めるため、グレースとマリーを妾として庶子をもうけた。
アンナ・ロウランド
アーサーの妻。リッケンバッカー侯爵令嬢。一目惚れしたアーサーに求婚され、ロウランドへ嫁いできた。困窮する実家を救うため家族から結婚を強要され、20年経ってなおそれを引きずっている。性格は非常に攻撃的で技能・職能が全くなく、結婚以来ほとんどの時間を自室に引き籠って過ごし、直属の侍女とウィリアム、ロレンス以外の誰も周囲に近づけようとしない。死産だった末子を含め、結婚以来5人の子供を産んだ。
アルバート・ロウランド
アーサーとアンナの長男。19歳。ロンドンの寄宿学校に通っているため普段はロウランドにいない。明るく周囲を引っ張り弟たちの面倒をよく見ている一方で、侍女を口説きレイチェルにも手を出そうとするなど女癖が悪い。アンナとは互いに良い感情を抱いていない。名前はアーサーの亡くなった父から取ってつけられた。
ウィリアム・ロウランド
アーサーとアンナの次男。17歳。レイチェルが驚愕するほど勉学に優秀で、生き写しと言われるほどアーサーに外見や声が似ているが、性格は正反対で感情を表に出さず冷徹、責任感が強く人に弱音を吐かない。普段はアンナの傍にいることが多い。言葉を喋れない侍女の体を傷つけ、レイチェルの弱味につけこんで性行為を強要するなど、歪んだ性的欲求を抱えている。名前はアーサーの亡くなった長兄から取ってつけられた。
グレゴリー・ロウランド
アンナの三男。嫡子の中で唯一髪の色が明るい。寡黙で礼儀正しく理性的だが激情的な一面もある。アルバートとウィリアムにコンプレックスを抱いている。父親はアーサーではなくリッケンバッカー時代からのアンナの使用人で、その事実はアーサーやアンナら限られた人間しか知らずグレゴリー本人にも知らされていない。
アイザック・ロウランド
アーサーとアンナの四男。悪戯好きで勉学は苦手だが料理が得意。勉強ができなくても叱らず優しく見守ってくれるレイチェルを慕い、アンナからの愛情にも飢えている。
モルゴース
アーサーの姉。職業は薬剤師。嫁ぎ先の夫を早くに亡くし子宝に恵まれなかったため、アーサーが血の繋がった唯一の肉親となっている。

キング家

グレース・キング
アーサーの妾。キング侯爵令嬢。実家の没落に伴って市井に落ち、詩人として奔放な生活を送っていた。アーサーと親密になって妾としてロウランドに迎えられ、ライナスとロレンスを産み、アンナのかわりにロウランドの社交と家庭教師を担っていた。やがて心を病み、自ら命を絶つ。
ライナス・キング
アーサーの五男、グレースの長男。11歳。赤毛。年齢不相応に賢いが気性が荒い。アーサーではなく別の男とグレースの間に生まれた子と言われているが、アーサーは実子として迎え入れた。グレースの死をきっかけに祖父の元を離れロレンスと共にロウランドの一族となり、グレースの死の真相を知って牧師になりたいと願い、アルバートと同じ学校に通うためロウランドを離れた。
ロレンス・キング
アーサーの七男、グレースの次男。8歳。年齢相応に幼くライナスやアイザックを慕い、アンナにも気に入られている。
キング侯爵
グレースの父、ライナスとロレンスの祖父。長男が友人の借金の保証人となったことがきっかけで没落し、貧しい生活に身をやつしていた。ライナス達がロウランドに入って間もなくこの世を去る。

スタンリー家

マーガレット・スタンリー
アーサーの妾。女医。ロウランドの人間からはマリーの愛称で呼ばれる。元々はアーサーの医師としての教え子で、後にロウランド領内の村に開業し妾となった。アーサーとは仕事上のパートナーであるだけでなく、互いに強い愛情で結ばれている。生活はそれほど裕福ではない。
ヴィンセント・スタンリー
アーサーの六男、マリーの長男。9歳。体の成長が早く大人びた外見で、ウィリアムやグレゴリーと身長が変わらない。学業の成績も良い。
ディック・スタンリー
アーサーの八男、マリーの次男。6歳。

使用人

レイチェル・ブレナン
ロウランド家の家庭教師ガヴァネス)。牧師の家庭で育ち、家族は両親と病弱な弟がいる。器量が良すぎることと、かつて勤め先の主人を誘惑したとの噂から、家庭教師として非常に優秀ながら新しい仕事先が見つからなかったところへ、アーサー直々の面談に合格しライナスが去った後のロウランドへと迎えられた。
性格は勤勉実直。幼いころから周囲に「良い子」として扱われてきたため責任感が強く弱音を吐かず、裏に鬱屈した卑屈な感情を抱えている。宗教的倫理観が非常に強く、微妙な夫婦関係だったアーサーとアンナの距離を近づけるよう焚きつけ、結果として離婚を決意させる遠因を作ってしまう。また罪悪感なく妾を囲うアーサーに当初は嫌悪感を示していたが、ロウランドの真実を知って受け入れるようになった。
家庭教師として愛情あふれる態度で子供に接し、特にアイザックに慕われている。その女癖に呆れて批難しながらも、真剣に悩みを聞いて受け入れてくれるアルバートに強い好意を表している。ウィリアムに対しては、望まぬ性行為を強要され本心を一切見せないことに不信を強める一方で、自分を押し殺して家と弟を守る姿を理解し真剣に支えようとするなど、複雑な感情を抱いている。
メアリ
レイチェルと仲の良い女中
ロージ
ロウランド家の執事。アーサーの父の代からロウランドに仕えている。
マージ
ロウランド家の女中頭。アーサーの父の代からロウランドに仕えている。
ウェルズ
アーサーの侍従。リッケンバッカー家からロウランドへと移ってきた。
ハモンド
ロウランド家の森番。アーサーの父の代から仕え、娘、隻眼の娘婿、孫の4人で暮らしている。
ローズ・ロザリンド
ロウランド家の女中。幼いころからロウランドに仕え、歳の近いアーサーと幼馴染みだった。アンナによって解雇される度にアーサーに雇い直され、やがて結婚してロザリンド姓となりロウランドを離れた。
ロザリンド
アーサーの元侍従。
ミス・ピック
ロウランド家の元家庭教師。アーサーの父からウィリアムまでおよそ三代に亘って嫡子たちに勉強を教えてきた。老齢のため隠居していたところへウィリアムによって呼び戻され、レイチェルに代わって再び教鞭を執るようになったが、体罰を用いて強制的に指導する方針にレイチェルが反発。口論の最中に発作を起こして倒れ、モルゴースの下で療養生活を送った末に息を引き取った。

その他

ジャック・クリストフ・ベインズ
グレースの詩人仲間。赤毛。ライナスの実父と示唆されている。
リッケンバッカー侯爵家
アンナの実家。両親とアンナと兄、姉、妹を含めて一男三女の裕福な家庭だったが、当主の急死によって生活に行き詰まり、ロウランドが負債を肩代わりしても追いつかず没落した。アンナの母だった前当主夫人は、ウィリアムが生まれる前に亡くなっている。

Honey Roseの登場人物

フィオナ・ロザリンド
『Honey Rose』の主人公。ローズの娘。母の死後、セブンダイアルズの雑貨店で住み込みで働いていたところへ、アーサーの長女・末娘としてロウランドへ迎えられた。
トーマス・カシュナー
アーサーの十二男(もしくは十一男)。フィオナ、エリオットと共にロウランドへ迎えられる。
エリオット・ハミルトン
アーサーの十二男(もしくは十一男)。フィオナ、トーマスと共にロウランドへ迎えられる。
イアン・ヴォルテール、ルイス・ヴォルテール
アーサーの九男と十男。双子の兄弟。ピアノを弾くのが得意。母はイギリス人ではないと示唆されている。
アルバート・ロウランド
ロウランド伯爵家当主、アーサーの長男。議員としてロンドンへ登院しているため不在。左足が義足で車椅子に乗っている。
ウィリアム・ロウランド
アーサーの次男。アルバートの秘書として当主不在のロウランドを管理している。アーサーに生き写しの外見だが、アーサーと正反対に冷徹な性格。屋敷の火事で妻レイチェルと娘アリスを亡くしている。
グレゴリー・ロウランド
アーサーの三男。新たな庶子をロウランドに迎えることを快く思っておらず、フィオナたちに厳しく当たっている。
アイザック・ロウランド
アーサーの四男。髭面に常に咥え煙草で、貴族らしからぬ粗野な言動行動が目立つ。ロンドンで店を経営している。
ライナス・キング
アーサーの五男。牧師。セブンダイアルズへフィオナを迎えに行き、その後もフィオナを優しく見守っている。
ヴィンセント・スタンリー
アーサーの六男。自室に引き籠って化学の実験を繰り返している。常にゴーグルをかけており、吃音で話し下手。
ロレンス・キング
アーサーの七男。ライナスと母親が同じ。俳優として忙しい毎日を送り、しばらくロウランドに不在だった。
ディック・スタンリー
アーサーの八男。ヴィンセントと母親が同じ。アルバートと同じく登院で不在。
アニー
ロウランド家侍女。フィオナの世話を担当している。
モルゴース
アーサーの姉。アーサーの死後も執着じみた強い愛情を抱いている。
アーサー・ロウランド
ロウランド家前当主。故人。アルバートからアイザックまでの4人の嫡子と多くの庶子をもうけた。

  1. ^ a b 河本麗 2006, p. 32.
  2. ^ 河本麗 2006, p. 35.
  3. ^ 河本麗 2006, pp. 33–34.
  4. ^ 河本麗 2006, pp. 34–35.
  5. ^ 河本麗 2006, p. 34.






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