Under the Rose あらすじ

Under the Rose

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/29 08:10 UTC 版)

あらすじ

冬の物語

没落した侯爵家の娘グレースが、ロウランド伯爵邸で謎の死を遂げた。その1か月後、グレースの息子ライナスとロレンスが、ロウランド伯爵アーサーに息子として引き取られる時点から物語は始まる。ライナスは母の死に疑念を抱き、反抗的な態度で周囲との軋轢を生みながら母の死の真相を追うが、徐々に華やかだったグレースの心の闇を知っていく。グレースを絶望の淵に追いやったのは、庶子として自分を産んだ母に対する頑なな自らの態度だったのかもしれないと気づいたライナスは、贖罪のために生きる決心をし、家を出て牧師になるための寄宿学校に向かう場面で物語は終わる。

春の賛歌

器量が良すぎて不採用続きだったレイチェル・ブレナンが、ロウランド伯爵家の家庭教師(ガヴァネス)として採用されるところから物語が始まる。牧師の娘として厳格な倫理観の持ち主であるレイチェルは、妾や庶子を持つアーサーに強い不快感を示すが、アーサーの子供達に対する深い愛情を知り、子供達に理想的な家庭を与えるためにアーサーと正妻であるアンナの仲を取り持とうとする。しかし、奇妙な均衡を保っていたロウランド家はレイチェルの努力によって徐々に歪みを露呈し、レイチェル自身も押し殺してきた自らの心の闇に苛まれるようになる。

Honey Rose

ロンドンの下町で暮らしていた孤児のフィオナが、ロウランド伯爵アーサーの死後、13番目の子供としてロウランドの館に迎えられることになる場面から物語は始まる。ライナスとともにロウランドの館にやってきたフィオナは、ウィリアムから現在の伯爵である長男のアルバートは不在であり、彼の帰宅後に行われる正餐会で自分の価値を証明するように命じられる。その夜、黒髪の女性が投身自殺するのを目撃するが、誰も取り合おうとはせず、ただ一人、侍女のアニーから亡くなったアーサーの妻や妾たちやウィリアムの妻が黒髪であったことを聞かされる。フィオナは唯一の特技である歌の練習に励むが、夜な夜な訪れる女たちの幽霊に怯えるうちに徐々に体調を崩す。自分の本当の父親はアーサーではないかもしれないと悩み、また命の危機にさらされながらも無事に正餐会を迎えたフィオナは、ロウランド家の一員として正式に迎え入れられ、12人の兄たちと心の絆を確かめ合う。


  1. ^ a b 河本麗 2006, p. 32.
  2. ^ 河本麗 2006, p. 35.
  3. ^ 河本麗 2006, pp. 33–34.
  4. ^ 河本麗 2006, pp. 34–35.
  5. ^ 河本麗 2006, p. 34.






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