T・Pぼん キャラクター

T・Pぼん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/23 22:19 UTC 版)

キャラクター

担当声優は、テレビスペシャル版(アニメ第1作) / Netflix版(アニメ第2作)の順に表記。

並平 凡(なみひら ぼん)
声 - 三ツ矢雄二 / 若山晃久[12]
主人公。アニメ版第1作での年齢は14歳。劇中ではひらがなで「ぼん」と書かれることがほとんどで、学校の友達からは「並平」または「並平さん」と呼ばれる。名前の通り、特に取り得の無い並で平凡な中学生で、1979年[13]の宅地化が進む武蔵野[14]に住む共働き家庭の一人っ子。ある日任務中のT・P隊員リームに偶然遭遇し、本来ならその記憶を消去される所をリームのミスで消去し損なったためT・Pからその存在を消されそうになる。しかし、ぼんを消すと未来に大きな影響を与える[15]ことが判明したため、T・Pの秘密を守るため見習い隊員に任命される。
第2部から正隊員に昇格しリームから一本立ちするが、正隊員になってからの初めての任務の際のミスから被救助者の安川ユミ子にT・Pの存在を知られてしまい、存在を消す代わりに本部に頼み込んでユミ子をT・Pに採用してもらい、以後ユミ子とコンビを組んで行動をすることになる。
なにかと軽率な行動をとったり、フォゲッターの作動をしょっちゅう忘れるなど、T・P隊員としてはとても優秀とは言い難い。第3部になってからは、ユミ子に対してベテラン面をして仕事を簡単に済ませようとしたり失敗したりしてユミ子にフォローされることが多い。
絵が下手。だが、ある漫画の同人誌の会長から「不思議なギャグのセンスが光っている」と評価され、仲間にならないかと勧誘を受けたことがある。西部開拓時代のガンマンに匹敵する射撃の腕前があり、任務中の決闘で道具に頼らずに勝利している。
リーム・ストリーム
声 - 佐久間レイ / 種﨑敦美[12]
ぼんが偶然出会ったT・P隊員。第1部のみ登場[16]。自身のミスにより、ぼんにT・Pの秘密を知られてしまったことから、ぼんをT・P隊員見習いとして指導することになる。
2016年[17]に住むミドルスクールの3年生。リームの両親は娘がT・P隊員であることは知らない。母語は英語[18]
性格は真面目で、T・P隊員としての強い使命感を持っている。キリリとしたお姉さん的な性格で、見習い隊員のぼんを懇切丁寧にリードする[19]
カナヅチで泳げないが、「バカンスは恐竜に乗って」や「マラトン大会戦」ではタイムパトロールの装備を使って泳いでいる。
ぼんに対しては、第1部の最初のエピソードでは、ぼんを消す任務を自ら請け負い、ぼんに邪魔されても強行する冷徹さがあったが、コンビ解消前の最終エピソードでは、危険な任務にあえてぼんを同行させて、実際にトラブルになった時に「今度の仕事だけは、どうしても一緒にやりたかった」と涙ながらに告白する面を見せている。
藤本ヒロインとしては少数派のロングヘアである。髪の色は赤茶色(カラー原稿による)[20]
アニメ第1作では瞳の色(原作漫画では黒、アニメ第1作では青)等、外見のデザインが異なっている。またぼんとのコンビ解消後も最後まで出番があり、時間犯罪に手を染めようとする肉親との葛藤や、ぼんとのキスシーンもあって実質的なヒロインとして扱われている。
ブヨヨン
声 - 白石冬美 / 宮野真守[21]
第1部のみ登場。リームが時間移動の為異次元空間を移動している時に、タイムボートに張り付きついて来たゼリー状の超空間生物。人間の言葉を話す高い知能を持っていて、リームのパートナーを自称するが、T・Pの公認ではない。航時法は一応頭の中に入っている。オシッコには消火能力がある。勘が冴えており、何度かぼんとリームのピンチを救ったことがある。
体の色は単行本の扉絵では黄色、アニメ第1作では緑色。原作漫画の台詞はカタカナとひらがなが反転された記述法になっている。テレビ第1作は語尾が「である」になる口調になっている。
アニメ第1作ではぼんがリームとのコンビを解消した後も最後まで出番があった。またリームやぼん以外のT・P隊員と行動を共にしていたり、ゲイラがぼんに彼を連れて行くよう指示を出す場面など、T・Pからある程度公認されていることを窺わせる。
安川 ユミ子(やすかわ ゆみこ)
声 - 日髙のり子 / 黒沢ともよ[21]
第2部より登場。ぼんと同じ時代の近所に住む13歳の中学生。通学している中学校はぼんの学校とは異なるが徒歩圏内なのでぼんの家に遊びに来たり留守番したりすることもある。本来なら通り魔に殺害されるはずだったが、T・P隊の正隊員となったぼんの工作により助命される。その際にぼんがフォゲッターの作動を忘れたためにT・Pの秘密を知ってしまう。ぼんが「心配なのはことのこをきみがだれかにしゃべらないかということだ」と言うと、ユミ子は「しゃべるかもしれないなあ」「もっともあたしも隊員になれれば別だけど」等と返答したため、ぼんは本部のゲイラに助手が欲しいと懇願。ユミ子は以後T・Pの見習い隊員としてぼんと行動することになる。
優等生的な明るい性格で、好奇心が強く活発な行動を見せる。時にやや天然ボケな面もある。学業成績は良好。スポーツも得意で特にテニスを好む。
第3部から正隊員に昇格。ぼんを凌ぐ活躍ぶりを見せることが多い。優しく純情な性格から、任務で救えない人々に強く同情してしまう。
先輩のぼんに対して、後輩としてはやや生意気な態度をとることがある。芯が強い性格で、納得できないことに対しては本部の命令にも激しく反発する。
髪型は側面と背面がパーマがかかっているように丸くまとまっていて、ストレートにするとセミロングの長さになる[22]
アニメ第1作では、白木陽子に似た容姿に変更され、ぼんのクラスメートという設定となった(詳細は後述)。
白石 鉄男(しらいし てつお)
声 - 柴本浩行 / 日笠陽子[21]
肥満型のぼんのクラスメート[23]。ぼんともみ合った弾みで自宅の団地のベランダから転落死したが、リームが時間を逆行させ、転落死をなかったことにした。T・Pからは歴史に関わらない人物と判定されている。ぼんたちの野球チームで監督を務めている。
白木 陽子(しらき ようこ)
声 - 白砂沙帆(アニメ第2作)[21]
ぼんのクラスメート[23]。ぼん、鉄男、柳沢といつも行動している紅一点の女の子。連載初期には、宿題を提出に先生宅を訪問するぼんに付き添うなどの仲が良い場面が見られたが、安川ユミ子の登場後は出番が減った。ぼんのことは「並平さん」と呼ぶが、ぼんのいない所で「ぼんちゃん」と呼ぶこともあった。
アニメ第1作では統合される形で設定の大部分がユミ子に引き継がれたため未登場だったが、第2作では原作に準じたキャラで登場する(詳細は後述
柳沢(やなぎさわ)[24]
声 - 伊藤節生(アニメ第2作)[21]
ぼんのクラスメート[23]でメガネをかけた少年。歴史から昆虫まで精通する博識家。ぼんが歴史が変わりそうなことをやらかしてしまった際には、史実関係が変わってないかを彼に聞いて確認する。アニメでは第2作から登場。
古田(ふるた)
乱暴者。風貌はブルドッグを彷彿とさせる。愛称は「ブルタ」。
ゲイラ
声 - 玄田哲章 / 加瀬康之[21]
T・P本部に所属する監察官。第1話でぼんの処遇をリームに伝えるため登場し、以後もT・Pとしてのぼんの活動(ユミ子が登場してからは彼女も含む)を監督・指導する。
アニメ第1作では役職がT・P隊長に変わり、風貌も髭を蓄えた熟年に改められて任務に厳格なイメージが増した。
タラ子 タラ夫(たらこ たらお)
#16「チャク・モールのいけにえ」で登場する漫画家。マヤ文明の遺跡を見に行ってピラミッドから転落するのをT・Pによって助けられる。モデルは藤子不二雄藤本弘本人。藤本は実際に高所恐怖症で、マヤのピラミッドを訪れた経験もある。
他にも#7「暗黒の大迷宮」で、ジャルパックツアーでクノッソス遺跡を訪れた藤本弘本人と思わしき男性が登場する。
未来のT・P隊員
#14「超空間の漂流者」で登場。環境破壊と宇宙移民で廃棄された未来の地球にタイムトリッパーが漂着しないかを監視している。タイムボートは球型でユニフォームも異なる。
ジョン・デフォー
#22「T・P隊員の犯罪」で登場する20世紀初頭のT・P隊員。隊員歴5年の23歳の英国人で「勇敢で正義漢が強く心優しい男」と評価は高かったが、セミクジラの絶滅を防ぐために水夫を殺して歴史を変えたことがT・P本部に知れ指名手配される。
アニメ第1作では、アニメオリジナルキャラクターのT・P隊員ルイ(リームの兄 / 声 - 中尾隆聖)が同じ役を担っている。
T・P二十世紀担当支部長
#30「古代の大病院」で登場。ベテラン隊員になったぼんが「できる限り自然な方法で救助しなければならない」というT・Pの原則を遵守せずに、道具に頼り切った手抜き救助を行っていたため、叱責するために現れる。さらにタイムボートの整備を怠りエンストさせてローマ軍に捕まり処刑されかけたぼんを救助して「人を救うT・P隊員が救われるなど本末転倒」と二重に叱責する。

  1. ^ のちの藤子・F・不二雄
  2. ^ TPの間に中黒が入るのが正式な表記で作中もそれで統一されている。
  3. ^ 作中で主人公が住んでいる時代よりも未来へ行ったのは1回だけ(PART14、超空間の漂流者)であり、本作は基本的には過去の時代のみを舞台にする物語である
  4. ^ 第3部の25話~31話は隔月連載。
  5. ^ 「「ポコニャン」そして「T・Pぼん」のこと」『藤子・F・不二雄大全集 ポコニャン』解説:浮田信行(潮出版社取締役)(初版)、小学館(原著2011年10月25日)、356頁。ISBN 978-4091434746 
  6. ^ Netflixシリーズ「T・Pぼん(タイムパトロールぼん)」2024年に独占配信決定!”. 2023年10月5日閲覧。
  7. ^ 第1部ではぼんが正隊員に昇格したことでリームとのコンビが解消されているが、第2部の途中で「T・Pは原則二人で行動すること」というルールが追加されている。
  8. ^ 場合によってはタイムマシンを使用した犯罪行為の回避・犯罪者の逮捕を行う場合もある。
  9. ^ 「ドラキュラの館」より。これによりT・P隊員自身が犠牲になった場合の救助も行えないものと思われる。
  10. ^ 装備品一式は単行本収録時に追加されている。初出では制服、ブーツ、ヘルメット、フォゲッター、タイムシーバーのみでユミ子の支給品と同等だった。
  11. ^ 生贄にされそうになった少女を助けたいとユミ子がばんに言った際、ぼんは「この世界の歴史は、積み上げられた不安定なブロック塀の上に立っているようなもので、その中の壊れたブロックを補修し入れ替えるのがタイムパトロールの仕事で、もし歴史に介入し壊れていないブロックまで動かしたら、この世界が滅茶苦茶になってしまう」とユミ子に説明している。
  12. ^ a b c d e f g 藤子・F・不二雄「T・Pぼん」2024年アニメ化 制作はボンズ、凡役は若山晃久”. ナターシャ (2023年10月4日). 2024年3月23日閲覧。
  13. ^ 日テレアニメ版では1988年。
  14. ^ #21「武蔵野の先人たち」より。
  15. ^ ぼんが腹いせに蹴った小石が通行人の頭に当たり、怒った通行人がぼんを追いかけていると、たまたま古井戸の跡に落ちていた子供を見つける。通行人に命を救われた子供は、その後成人してガンの根治法を発見する。治療により命を救われた政治家が第三次世界大戦を防ぎ、人類を絶滅から救う。すなわち、ぼんは非常に間接的にだが人類の未来を救うとされる。なおアニメ第1作ではこの経緯は省略されている。
  16. ^ 第2部でも、過去のぼんとの活動をぼんとユミ子が目撃する場面が2コマのみある。
  17. ^ 希望コミックス第1巻2話での設定。ぼんが住んでいる世界は第2巻2話で「昭和54年(1979年)」と語られているので、リームが住んでいる世界とは約37年差の計算になる。
  18. ^ 「OK牧場の近所の決闘」の回の圧縮学習で、ぼんが「僕なんか英語もね」と言っていることによる。
  19. ^ ただし、ブヨヨンによると、タイムボートのメンテナンスを怠ってよく故障させているらしく、地はややドジで面倒くさがり屋。いずれにしても使命感・責任感は強い性格として描かれている。
  20. ^ 「シンドバッド最後の航海」に「見てくれ、この金色の髪! シミ一つない白い肌!!」という奴隷商人の台詞があるが、色の感じ方、色を表す言葉、その日本語訳は文化や個人によって異なる。アニメ第1作では、漫画よりもやや茶色味が強い赤茶色で描かれている。
  21. ^ a b c d e f g アニメ「T・Pぼん」キービジュと配信日解禁、追加キャストに宮野真守ら6人”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年3月23日). 2024年3月23日閲覧。
  22. ^ リームと似たような容姿になるが、髪の長さはリームよりも短い
  23. ^ a b c #6「白竜のほえる山」でクラスの新年会の出し物を一緒に考えていたことによる。
  24. ^ 柳(やなぎ)となっている回も存在する。
  25. ^ 時間移動用と空間移動用。新型のボートは「タイムジャンプキー」のトリガーも付いている。
  26. ^ 新型のボートはフロントにメーター類が備わったコンソールがある。
  27. ^ 特定の時代の特定の場所の映像と音声を受信する場合などに使用。
  28. ^ 3000年以上未来に移動するとT・Pの管轄を外れるため本部との交信もできなくなる。T・Pぼんの未来の世界は地球を放棄して外宇宙に移住しているため地球は廃墟と化しているが、たまにタイムトリッパーが現れるため、未来のT・Pがパトロールしている。
  29. ^ 前述したようにフォゲッターは記憶は消せても記録や痕跡までは消せない。そのため、T・Pの隊員は自身の存在の秘匿のために「救助対象に対して隊員が直接干渉をせずに救助すること」が求められる。その手段の一つに「近場にいる動物を操って救助対象を助ける」ことがある。なお操る動物自体も未来の歴史に関係している可能性があるため、コントローラーを使う前にチェックカードで確かめる必要がある。
  30. ^ 「超空間の漂流者」にタイムトリッパーとして登場したアンブローズ・ビアスは、『ドラえもん のび太の日本誕生』では行方不明事件の実例として紹介されている。
  31. ^ 作中での呼称。1990年代頃以降の日本では一般的には「オスマン帝国軍」という呼称が用いられるようになった。
  32. ^ このうち「浦島太郎即日帰郷」は「アイランド・コミックスPrimo T・Pぼん」第3巻に収録され、残りの5話が同第5巻に収録された。それゆえ第5巻にのみ「幻の5話収録」の宣伝文が付いている(ここで言う「幻の5話」が、当時一度も単行本に収録されていなかったNo.6、8-11を指していないことに注意)。
  33. ^ ネクタイは紐状のものを使用している。
  34. ^ 実施的に名前を「安川ユミ子」に変更した白木陽子と言える。
  35. ^ 当時人気を博していたアパレルブランド「セーラーズ」の三浦静加がデザインを務めた。
  36. ^ a b c d e f g h i j k l 本編予告公開!Netflixシリーズ「T・Pぼん(タイムパトロールぼん)」5月2日配信開始!”. 藤子・F・不二雄生誕90周年を記念サイト (2024年4月16日). 2024年4月16日閲覧。






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