Enterprise JavaBeans Enterprise JavaBeansの概要

Enterprise JavaBeans

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/15 07:33 UTC 版)

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歴史

EJBは元々、OMGCORBAやサンのRMIといった分散オブジェクトに由来する技術であり、RMIをベースにビジネスロジックを実装するコンポーネントとして誕生した。最初の実装はJavaの誕生から3年後の1998年頃に登場している。こうした経緯から、当初策定されたEJBはリモートアクセスを想定した複雑な実装が必須となっており、デプロイメント記述子と呼ばれるXMLの設定ファイルもかかせないものだった。また、EJB 1.0では主要な要素としてセッションBeanのみが定義されており、エンティティBeanはオプションという扱いであった。2003年のJ2EE 1.4で定義されたEJB 2.0では、EJBが分散オブジェクトとして使われることは稀であるという実情を踏まえ、ローカルインタフェースの追加が行われている。またメッセージ駆動型Beanが仕様に組み込まれた。[1]

しかしEJBの仕様は依然複雑なものであり、EJBに代わってより軽量なSpring FrameworkPOJOといった考え方を用いる動きが活発化する。こうした流れを受け、2007年のJava EE 5で定義されたEJB 3.0では、DIやPOJOといった考え方を取り入れる形で仕様の全面的な見直しが行われる。EJBの各クラスは単なるPOJOとなり、J2SE 5.0で導入されたアノテーションによりEJBとしての宣言を行う形式とされた。設定ファイルも不要となり、エンティティBeanは独立した永続化フレームワークであるJava Persistence APIに置き換えられた。[1]

その後も改良は続けられており、2009年のJava EE 6で定義されたEJB 3.1では、シングルトンセッションBeanの追加や、セッションBeanを中心とするコンポーネントのみを抽出したEJB Liteと呼ばれるサブセットの定義が行われており[2]2013年のJava EE 7で定義されたEJB 3.2では、非同期処理のEJB Liteへの導入や不要となったエンティティBeanが仕様から取り除かれるなどしている[3]

EJBの種類

EJBは、大きく以下の三つの種類のBeansに分けられる。

セッションBean (Session Bean)
セッションを保持し、一時的なロジックを保存するオブジェクト。以下のような種類がある。
  • ステートフルセッションBean (Stateful Session Bean) : クライアントごとの状態 (State) を保持するセッションBean。
  • ステートレスセッションBean (Stateless Session Bean) : クライアントごとの状態を保持しないセッションBean。
  • シングルトンセッションBean (Singleton Session Bean) : 常に同じインスタンスへのアクセスが保証されているシングルトンなセッションBean。[2]
メッセージ駆動型Bean (Message Driven Bean)
非同期処理の記述など。
エンティティBean (Entity Bean)
永続的なデータを保存するオブジェクト。EJB 3.2で廃止。



  1. ^ a b 第1回 EJBのすべてを知る”. EJB 3を再考する. Think IT (2007年9月12日). 2014年2月19日閲覧。
  2. ^ a b Java EE6:EJB3.1は、すばらしい進化だ”. infoQ (2010年2月25日). 2014年2月19日閲覧。
  3. ^ What's new in EJB 3.2 ? - Java EE 7 chugging along!” (英語). Oracle (2012年11月26日). 2014年2月19日閲覧。


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