ABO式血液型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 09:21 UTC 版)
抗原側検査
- 抗Hレクチン
- H抗原のない、O型の亜型であるボンベイ型やパラボンベイ型には凝集せず、逆にその他の亜型には激しい凝集を起こさせる。またCad(+)血球にも凝集。
- 対象は全亜型。特にボンベイ型、パラボンベイ型
- 通常は
- O>A2B>B>A1>A1Bの順に凝集は強くなる。
- 抗A1レクチン(ドリコスレクチン[77])
- A1抗原のない、A型の亜型であるA2型などには凝集しない。
- 汎血球凝集などでも例外的に凝集する。
- 対象はAの亜型。
- ピーナッツレクチン
- 感染症などで細菌の酵素により血球の内在性抗原(T、Tk、Tnなど)が露出し、ピーナッツレクチンをはじめ全抗血清に凝集する。
- 対象は汎血球凝集を疑う場合。詳細は下記
- 吸着解離試験
- 血球に抗原が存在することを証明するために、既知の抗体をいったん患者血球に吸着させ、熱解離などによって再び解離する。そして既知の同型血球とまた反応するかを調べる。
- 対象は亜型のうちAm、Ax、Ael、Bm、Bx、Bel型。
- 再アセチル化
- 消化器系の感染症では細菌の酵素でN-アセチルガラクトサミンが脱アセチル化され、ガラクトースとなり抗B血清と反応するようになる。
- 無水酢酸で再アセチル化すれば通常の状態に戻る。
- 対象は後天性B。
- 被凝集価測定
- 抗原の強さを調べる。抗血清の希釈系列と患者血球を反応させ、どこまで凝集するかを調べる。
- 対照と比較して被凝集価が2管差以上、スコアが10以上あれば亜型。
- 対象はA2、A3、B3、パラボンベイ型
- 吸収試験
- 抗原の強さを調べる。被凝集価とは逆に患者血球の希釈系列と抗血清を反応させ、どこまで凝集するかを調べる。
- 吸収価が1:8未満ではA3、B3以外の亜型。
- 対象はA2、A3、B3、パラボンベイ型
- 混合赤血球の分離
- 対象は異型輸血、キメラ、モザイクを疑う場合。
- もともと部分凝集がみられた場合、「異型輸血」「亜型」「造血幹細胞移植後」「キメラ・モザイク」「白血病・ホジキン病などの疾患による抗原減弱」を疑う。
- ^ 出典では「ランドスタイナー」表記
- ^ 現在の観点から見ると不自然な親子関係があるが、参考にした『血液型の話』14Pの表のままで掲載。
- ^ あくまで二対対立因子説による仮説である点に注意
- ^ 前述のフォン・デュンゲルンおよびヒルシュフェルトの初めての調査ではAB型の親とO型の子の組み合わせがあるが、以後の他の学者たちによる調査で確認できなかった。
- ^ この違いはAB型に現れるはずで、ベルンシュタインの説では「AB型血球にはR凝集原がないので凝集素ρには反応しない」はずだが、古畑らの説は「O型血球に反応する凝集素があればAB型でも反応する」となる。
- ^ よってオーストラリア・南北アメリカ大陸などは先住民のデータから推測。
- ^ 比率でわかるように後述の「A型遺伝子やB型遺伝子の多い地域」でも大半はA型遺伝子やB型遺伝子は過半数に達しておらず、O型の方が多数派の場合も多い。
- ^ 参考にした『血液型の話』原文は「アメリカ・インディアン」表記
- ^ 古畑(1962) p.213
- ^ 日本やシベリア先住民ではやや低いが、北海道などのアイヌはB型が比較的多い。
- ^ A型遺伝子出現率は九州東部・四国南西部では29%以上だが、青森県の北部は24%以下になるなど(保志(1968) p.324図4「日本におけるA型遺伝子出現率の地域差」(古畑より改変)。)。
- ^ 抗H抗体自体はA型・AB型で一番多いA1型やA1B型の血清にも存在するが、こちらは体温で反応しないため輸血で問題にされることはほとんどない。
- ^ なお、Row-Iは通常のボンベイ型が分類される。
- ^ 注:Hを小文字で上に書く書き方もある、以下同じ
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