15の夜
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音楽性と歌詞
ギターブックGB 1984年6月号[19]
本作は尾崎が14歳の時、中学校にてタバコを吸っているところを教師に発見されたこと、もしくは尾崎の同級生である友人の一人が髪が長いという理由で、中学校の教師にバリカンで髪の毛を刈られたことに反発し仲間とともに実際に家出した経験をもとに作られた[20][21]。夜中に仲間10人と共に家出をした尾崎はバイクで街を走り回ったが、後に行き場をなくして車のスクラップ工場で仮眠を取っている際に教師に発見され補導されたと述べている[20]。当初は「14の夜」と作詞したかったが、語呂が悪いため「15の夜」とした。その仲間たちとよく集まり、歌詞にもある家出の計画を立てた場所は、東京都練馬区向山にある向山公園である。
しかし父である尾崎健一の日記によれば、実際には尾崎の友人の家出を題材としたことが明らかになっている[3]。健一の日記において家出は1978年10月に起きたことであると記されており、「友人の家出を午前三時まで探す」、「これは、後に豊が『15の夜』で歌った事件」と記述されていた[22]。この出来事は尾崎が13歳の時であり、また午前三時までは尾崎は友人と共に過ごしていたこととなる[3]。このエピソードは後に脚色され、仲間10人と共に家出したという前述の内容で語られることになっていった[3]。歌詞中にある「盗んだバイクで走り出す」という一節について尾崎の同級生は、尾崎はバイクを盗んだことはないと断言しており、実際に不良少年との付き合いはあったがそこまで入れ込んでおらず、様々な体験をして自身が納得するためであったのではないかと同級生は推測している[4]。また妻であった尾崎繁美は「バイクを盗んだのは尾崎の友人で、それを曲にした」と、尾崎の死後に語っている。なお、兄である尾崎康は「豊は自分のパッソルを盗んで(=勝手に)乗り回していた」と回想しており、周囲の証言を照らし合わせると、尾崎豊が他人のバイクを盗んだという事実はないが(時期と免許の有無は不明だが)兄の所有物であるパッソルを無断で乗っていたというのが「盗んだバイク」の真相である。
須藤は本作の歌詞について「誰も書いたことのないような、ティーンエイジャーのための、ティーンエイジャーによる、ティーンエイジャーの詞だった」と述べている[23]。また須藤は尾崎の実像は内省的な普通の男の子であったと述べ、友人と家出を計画しても結局は家に帰るような状態であり、本物の不良やアウトサイダー達と付き合いがあった訳ではないと述べた上で、本作はアウトサイダーとして生きるティーンエイジャーを描いた曲ではなく、「誰にでもあるやるせない、やり場のない青春時代の体験」を描いた曲であると述べている[16]。作詞家の岡本おさみは歌詞中の「しゃがんでかたまり 背を向けながら」という箇所が新しい感じがすると述べている[16]。
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- ^ 須藤晃 1998, p. 23- 「第一章 尾崎豊 追憶」より
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- ^ 尾崎豊の残した言葉 1997, p. 19- 「第1章“ARTERY” FRIEND 友達」より
- ^ a b 山内順仁 1989, p. 9- 「WORDS 1984 - 1988」より
- ^ “『15の夜』は実体験だった…今なお、若者の心を捉え続ける尾崎豊の生き様”. FNNプライムオンライン. フジテレビジョン (2019年4月25日). 2020年5月20日閲覧。
- ^ 見崎鉄 2018, p. 275- 「第三部 尾崎豊という事件(尾崎論のためのノート)」より
- ^ 須藤晃 1998, p. 13- 「第一章 尾崎豊 追憶」より
- ^ 吉岡忍 2001, p. 126- 「45」より
- ^ a b c d e 地球音楽ライブラリー 1999, p. 84- 落合昇平「YUTAKA OZAKI SINGLE GUIDE」より
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- ^ “尾崎豊の「15の夜」をカヴァーしたスコット・マーフィーがライヴイベントを開催!!”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2009年6月24日). 2023年1月7日閲覧。
- ^ “スコット・マーフィー、大人気J-POPカヴァー・シリーズのベスト盤”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2011年11月10日). 2023年1月7日閲覧。
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- ^ “島津亜矢、大人気カバーアルバムのシリーズ最新作『SINGER6』9月25日発売”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2019年7月31日). 2023年1月7日閲覧。
- ^ a b c d 地球音楽ライブラリー 1999, p. 85- 落合昇平「YUTAKA OZAKI SINGLE GUIDE」より
- ^ 須藤晃 1995, p. 63- 「『回帰線』 ダンスホール」より
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